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栞を好きすぎるあまり、5種類のおみくじ栞を作って本に入れちゃった話

みなさん、栞は好きですか?
そうです。本に挟むためのアレです。

単行本はスピン(本についてる紐みたいなもの)があったりするので、読書を中断する時も困りません。しかし文庫は何かを挟まないと、どこまで読んだか分からない。スピンが付いてない単行本もある。
そんな時に大活躍してくれるのが栞です。

栞の入手経路は様々。本に入っていたり、本屋さんのレジ前で配布していたり。
形状は長方形がメインですが、変な形をしているものもあります。
デザインもいろいろで、新刊紹介などのチラシ的な栞から、デザイン的な栞も。
本の「つま」みたいな存在の栞ですが、よく見てみると、実はいろんな種類があってバラエティに富んでいて、とても奥深かったりするのです。

どうも、申し遅れましたが、一般書通信の中の人でおなじみの森です。
じつは僕は昔から栞が大好きでして、ひそかに栞集めが趣味の一つだったりします。
学生のころからずっと集めていて、書店でゲットしたり古書に挟まっているのをゲットしたり。そんなことをしているうちに、コレクションがずいぶん膨大になってしまいました。今ではたぶん数百枚ほどあると思います。

このまま寝かせてしまうのはもったいないので、記録として栞専用のインスタアカウントをひそかに運用しています。
よかったら見てやってくださいませ。
(※余っている栞があったらぜひください!)

(こちらから飛べます)

とまあ、自分の栞インスタを紹介したいわけではなくて、今日の記事のテーマは栞が好きすぎるあまり、担当本で素敵な栞を作っちゃった話です。

本題の前に、栞の魅力について、マイコレクションを紹介しつつもう少しお話ししましょう。

※※

出版社の栞

栞と言われて、まず思い浮かべるのはこうしたタイプではないでしょうか。
出版社のブランド栞で、新刊にもともと挟まっているタイプのものです。
文庫のレーベル名が記されていて、イメージキャラクターなんかも描かれていたり。
新刊に一律で入っているので流通が多く、よく見かけますが、ときどきひっそりとリニューアルされていたりするのが面白いですね。

書店の栞

続いて出会うことが多いのが、本屋さんの栞です。
本屋さんが作る栞で、主にレジ前で自由配布されていたり、レジ袋にいれてくれていたりします。
かつてはちょこちょこ見かけましたが、最近では本屋さん栞は減ったように思いますね。

古い栞

こんな少し古い栞もあります。
栞を集めていて楽しいのは、栞とは「時代」を切り取る役割があるからです。新創刊の雑誌やレーベル、当時公開されていた映画。それらが栞の形で残っている。
今ではなくなってしまったものもあるけれど、こんなものが確かにあの時代にあったんだなあ、としみじみ感じることができるのです。

おもしろい形の栞

栞は長方形。そんな常識なんてありません。
型押しで作られた、変わった形の栞だってあります。こういった特殊な形の栞はちょっとお金がかかるので、作られることは少なめですが、そのぶん出会えると嬉しいですね。

本好きあるある栞

栞は自然に出会うのを楽しみたいので、基本的には本に挟まっていたり配布されている無料のものをコレクションしています。でも、素敵なハンドメイド栞を見つけたら、もちろん買っちゃいます。
これは本のイベントで見つけて心ときめいた、本好きあるあるの栞。わっかる~

いろんな栞を紹介してきましたが、こんなふうに一口に栞といってもいろんなものがあり、いろんな楽しみ方ができるのです。
なにげなく本に挟んでいる栞ですが、時々じっくり見てみるのも面白いですよ。

※※※

さあ。ここまででおわかりいただけた通り、すごく栞が好きな森なので、ずっとずっと思っていました。
「自分の本にしおりを入れたい!」

ポプラ文庫はもともと栞が入っていません。なので入れるためにはオリジナルで作るしかありません。
なかなかその機会がやってこなかったんですが、ついに今回! オリジナルの栞を作ることにしたのです。

書籍はこちら。
音はつきさんの『人間やめたマヌルさんが、あなたの人生占います

<内容紹介>
喫茶店「マーヌル」には、言葉をしゃべるずんぐりむっくりの猫がいる。マヌルさんと名乗る猫は人間をやめてマヌルネコになり、喫茶店の片隅で占いをやっているらしい。しかし占いの腕はなく、気の赴くままに占い、適当なアドバイスを繰り広げるだけ。にもかかわらず、迷える人々は今宵もマヌルさんの元を訪れる……。
がんばりすぎて疲れがちなあなたのために、マヌルさんが「人生をちょっと気楽に生きる方法」を教えてくれます。

もともと人間だったらしい謎のマヌルネコ「マヌルさん」がありがたい教えをくれるんですが、このマヌルさんのお言葉が本当にいいんですね。適当で、雑で(笑)
このありがた~いお言葉を、みなさんにもおすそ分けしたい気持ちから、マヌルさん名言を栞にすることにしました。

でも、それだけじゃ面白くない。
マヌルさんは占い師です。占いといえばおみくじ。そうだ、栞をおみくじにしちゃえばいいじゃん!

そんなわけで、表面はおみくじ、裏面はマヌルさん迷言の栞を作ることにしたのです。

マヌルさんおみくじ(表)


マヌルさん名言(裏)

おみくじって、大吉とか吉とかいろんなものがありますよね。
おみくじと名乗るからには、複数種類があってほしいですよね。
じゃあ、複数作っちゃうしかないじゃん?

なので、今回の栞はなんと5種類あって、新刊の中にランダムで入っています。
もちろん、それぞれ全ておみくじとお言葉が異なっています。


残りはお楽しみ

オリジナルで栞を入れるだけでも大変なのに、5種類!
5種類の栞を作るのには、すっごくいろいろありました。5種類ということは印刷費もかさみます。ランダムで本に挟み込むにもお金がかかります。原価との激しい戦いを重ねた末、ついに! やった!
無事に5種類の栞を入れることができたのです。
栞好きとしてこんなに嬉しいことはない……。

もちろん自己満足だけではありません。
読書が多様化する中で、紙の本ならではの「喜び」を増やせないかなとずっと考えていました。
本の中身が面白いのは前提ですが、本を開いて素敵な栞が挟まっていたら「わあ!」と気持ちが明るくなるし、いろんな種類があれば「自分が当たったのはこれなんだ!」という楽しさもめばえます。
チョコボールを食べていて金銀のエンゼルが当たったような、そんな喜びが本にもあっていいんじゃないか。そう思ったのです。

いつもの読書にもう一つ楽しさが加わった読書体験。それが栞というツールを通してお届けできたらとても嬉しいです。

人間やめたマヌルさんが、あなたの人生占いますは好評発売中。
どうぞよろしくお願いいたします。

編集:森潤也



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