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ポップインサイト創業記(24)〜圧倒的速度が信頼獲得のカギ

私は起業してわずか1ヶ月の内に、初期の最重要顧客である『データアーティスト社』(当時アイオイクス社)とのパートナーシップを築くことができました。今回はその秘訣をお伝えしていきます。

初期商談で夢を広げる

いよいよ念願だった、アイオイクス社事業部長の作左部さんとお会いするアポイントメント当日を迎えました。

当時私が特に念頭に置いていたことがあります。それは、せっかくユーザーテストを導入してもらうのであれば、単発の発注に対応するだけでなく、クライアントに重要視して頂いて、その会社のコアツールのように活用してもらえるようにしたいと。その位お役に立てるサービスにしたいと期していました。

勿論、それは、ポップインサイトの長期的な成長の鍵にもなります。そこで、アイオイクス社との商談の際も、その思いを持って臨んで行きました。

作左部さんとお会いした私は、かねてよりの持論であったABテストとユーザーテストの、ベストマッチと言える相性の良さや、それが如何にアイオイクス社に役立つものかということを熱く語りました。

結果、私の思いは、作左部さんのハートに刺さってくれました。私のプレゼンテーションを聞いた作左部さんは感動して下さり、「早速、具体的な打ち合わせをしましょう!」と、翌週により具体的なことを話し合う打ち合わせのアポイントメントを組んでくださったのでした。

商談当日に超スピード納品した!

待ち遠しさからあっという間に一週間が過ぎ、第2回のミーティングの日を迎えました。このミーティングには、後にアイオイクス社のDLPO事業部が分社してできる『データアーティスト』社の社長となる、山本さんも同席されました

彼らは前回のプレゼンで大きな期待を持ってくれていたこともあり、早速その場で、「まずは1件トライアルをしてみましょう」ということになりました。内容は、エクササイズDVDの通販ページのテストでした。

実は、この時に私は、今思い出してもウキウキわくわくするような、我ながら凄まじい取り組みをしました。なんと、打ち合わせした当日中に即納品したのです。

ポップインサイトはベンチャー企業なので、スピード感がとても大事です。 大手と同じことをしていても勝てません。

私達には、企業ならではの規制もなく確認なども一切ない。私自身が社長だから全部自分で決定権を持っています。つまり、同業他社よりも速く物事を進められる可能性を持っています。そこが一番のストロングポイントだと。

そう思っていた私は、打ち合わせ当日の内にユーザーテストを実施し、納品したのです。勿論、「こんなことは私たちには造作も無いことですよ」という感じで、サラッと自然体で行いました。

私としては、少なからず手応えと自信があったので、喜多君にも、「このスピード感には相当びびると思われる」と伝えていたりしました。実際、このスピード感を聞いた喜多君も大変驚いていました。

定期継続発注の契約を獲得する

その結果、山本さん達アイオイクス社の人たちは、ものすごく驚いていました。「こんなスピード感であげてくる会社は他にありません」と。

もともとユーザーテストとABテストが相性が良いことは、誰の目にも間違いありません。 そこに、他に類を見ないスピードで質の良いサービスが提供されたのですから…先方の反応はさらに熱いものになっていきました。

山本さんも、元々とても早いスピード感を持った方です。そこに今回の劇的とも言える即日納品の衝撃が相まったのです。お話が一気に加速していきました。

「早速、DLPOの全ての営業提案にユーザーテストを組み入れましょう」と。

DLPOを使用するABテストでは、従来のA案と比べるB案の仮説が立たないとテストができません。テストできないことにはツールもクライアントに導入してもらえないのです。

しかし、ユーザーテストがあれば、真のユーザー視点に立った仮説立案が容易に行えます。これはABテストを行う上での支障が一気にクリアされることを意味していました。つまり、営業マンが提案する際にクライアントに導入してもらえる可能性が飛躍的にアップするのです。

山本さん達は、「全ての営業過程において、毎回訪問前にユーザーテストを行う」ということを決断して下さったのでした。彼らは「ユーザーテストを行うことで、営業提案の技術が格段に向上するし、 営業マンのトライにもなる」と大いにメリットを感じてくれたのです。

・・・これは、私の念願の1つが叶った瞬間でした。かねてより求めていた、クライアントのサービスに、コアツールとしての導入が為されたのです。しかもそれは、ずっと狙っていたABテストとのマッチングでの実現でした。

さらに素晴らしいことはまだありました。私たちは、お互いに『定期継続契約』を締結したのです。

それは、単発ごとの発注では無く、毎月月額固定10万円で、想定回数としていた15回くらいまでは自由に対応し、さらに、プラスの依頼要素が発生した場合にはオプション発注もありえるというものでした。

つまり、この時ポップインサイトは、初めての継続案件の受注獲得に成功したのでした。

新しい座組の成功が売上向上に大いに資することに

私は新しい座組を成功させるには、まず自分のサービスが何に使えるかということを常に考えて、トライアンドエラーや仮説検証などのチャレンジをし続けていくことがとても重要だと考えています。

今回の事例では、ずっと考え続けていたことで、早いタイミングでABテストとユーザーテストのマッチングを見出すことが出来ていたのです。

そして、可能性を見出したら、次はそれを先方にぶつけていくことが大切です。私の場合は、日本最大手にアプローチをしていきました。会うためには知人につないでもらい、会えたらすぐ自らのバリューを出せるように取り組みました。

さらに先方に提案できたなら、相手に合わせた柔軟な対応に真摯に努めていく…。

私はこれらを実践した結果、新会社設立初年度からとても大きなおつき合いをすることに成功しました。つまり、この新しい座組確立の成功が、売上向上に大いに資することになったのです。

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