ポップインサイト創業記(25)〜企画倒れに終わった大手ASPとの代理販売契約
初月度から数件の売上を上げることができ、順調なスタートを切ったポップインサイトでしたが、実は上手く行ったことばかりではなく、当初の目論見が大きくハズレた部分もありました。今回はそんなエピソードをお伝えしていきます。
大手ASPを交えた代理店販売の期待
取引先の1社がユーザーテストをとても気に入ってくれて、「是非、自社のクライアント全てを対象に広く導入したい」という申し出がありました。その企業はアフィリエイトを幅広く展開する大手ASP企業で、取引先を数十社と多く持っていました。その全てにポップインサイトのユーザーテストをOEM展開で導入して行きたいというお話でした。
ユーザーテストが1セット10万円として数十社を対象にすると…初期のポップインサイトとしてはとても大きなビジネスです。しかも、先方から伝え聞くニュアンスでは、何年もこの座組を続けて行きたいと思っていると。
さらに、先方からはクライアントがずらりと並んだリストが出てきて、「この全部を対象にしたいので、御社が既にアプローチしていてかぶっている所があれば教えて下さい」という話もありました。
私と喜多君は「すごい話が来た!」という感じになりました。一気に信じられない位の数のビジネスチャンスを得たことで、期待感でいっぱいになりました。
「しばらく、このルートだけでも大丈夫だよね」と。そんな考えすらよぎっていました。
実際にはほとんど動かず
しかし、蓋を開けると、残念ながらこの件に関しては、ほとんど展開がありませんでした。
数十件を数年に渡って行うと聞いていたビジネスが、結局気がつけば1年間数える程しか行われず、 2年目にはほとんどゼロ・・・という感じで。当初のお話からはかけ離れた結果でした。
この時に私が得た学びとしては、とにかくビジネスを始めた当初は、クライアントの話を額面通りに期待しがちですが、「そんなに期待してはいけない」と。
こういうことは、現実に大きくありえるのが実際です。業務提携とか、パートナーシップというものは、結構上手くいかないものだと。
特に起業してビジネスを始めた頃は、経験が少ない為に、言われたことを「全て本当にそうなる」と信じてしまいがちです。誰もが言われた通りの事を期待してしまいます。
しかし、現実は数社への再現性がある座組の確立に成功して、初めてその中から1、2社くらいが本当に将来につながるかもしれないという感じです。私は期待はそれぐらいに止めるのが良いと思っています。
1つ2つのうまい話しに踊らされて、期待や信じてしまうのは本当に怖いことだと思うのです。
1つのルートに依存しない
成功事例から気づきを得ることは、ビジネスにとってとても大切です。しかし、失敗事例や上手く行かなかった事例からこそ、真の学びは多く得られます。
今回のケースでも、他社で大変成功していたOEM展開から、大きなビジネスとして水平展開する良いお話ではありました。しかし、もし私がこの会社からの1案件にだけ依存して、集中してしまっていたら、そこから先は無かったと思います。
良い話が額面通りに行われない。これが世の中の真というか、残念ながら多々あることだと思っています。上手く行かないことの方が多いのが世の中だと。
その中から学ぶべきことは「あまり期待しすぎないことが大切」だと。こういった考えを、常に持っておくことは、いざという時にショックを受けないためにも、また会社がダメージを被ってしまわないために必要なんじゃないかなと思います。
この事例からは、私はこの様な学びを得ることができました。しかし、今から思い返せば、早い時期にきちんとこういう体験をしておいた事は、自分にとっては大きな財産になったと心から思っています。
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