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ポップインサイト創業記(23)〜DLPOとの出会い

起業初月には、ポップインサイト初期の最重要パートナーである、『データアーティスト』との繋がりを得ることが出来ました。今回は、その出会いのエピソードについてお伝えしていきます。

ABテストとは

データアーティスト社は、『アイオイクス』という会社から分社した企業でした。アイオイクス社はSEO対策の会社です。このアイオイクス社が『DLPO』というツールを提供していました。

DLPOとは『ABテスト』のツールです。 私はこのABテストはユーザーテストと凄く相性が良いと着目していました

ABテストとは、AB2つのパターンをテストして、どちらが良いかということを検証するテストです。2つのパターンを作って、どちらの方が売れるかとか、資料請求が多いかという、コンバージョンアップにつながるかどうかを定量的に判断する手法です。

このABテストはかなり多数の会社が導入していて、 特にAmazonが導入していることで有名です。Amazonは月に何回もABテストを繰り返して自社のサービスを向上させています。 ホームページ上のちょっとした言葉や、レイアウトの配置などを多数テストすることによって業績の向上につなげているのです。

AパターンとBパターンを試してみて、どちらがユーザーにとって見やすいとか分かりやすいというテストを行います。よくあるのは、現状パターンをAパターンとし、改善パターン案として仮説立案したものをBパターンとして比較するというものです。

ABテストはとても分かり易く結果が出て興味深いのですが、コンバージョンをあげるための『仮説』を立てるのが難しいという難点があります。

世間では、この仮説の立案をかなりいいかげんにやってしまうケースが多々見受けられます。単に、ボタンの色を変えるとか。 ボタンを少し大きくしたり小さくしたりとか…その程度の仮説立案でABテストをしてしまうケースが多いのです。しかし、これでは本来の効果を得ることができません。

ABテストから本当に効果を出すためには、仮説立案をユーザー視点に立って行う必要があります。ユーザーがサイトを使ったり考えている過程で、「本当はこうしたいけどできない」とか、「本当はこういう情報をみたいけど分からない」・・・といったところに対して 新しい仮説に基づいたコンテンツを作ることが重要です。

それを踏まえて、私はABテストにとって最も大切だと言える『仮説の立案』を真のユーザー視点に立って行う為に、ユーザーテストが大変有効であると着目していたのです。

2つのテストの相性(ユーザテスト×ABテスト)

実はABテストとユーザーテストの相性の良さは、前職ビービット在籍時代から気づいていました。

ビービット時代に大手サイトのコンサルタントをする中で、「ユーザテストで仮説を立案し、ABテストで検証する」という座組で、実際にとても大きな効果が出ることを目の当たりにしていたのです。この仮説立案、仮説検証のサイクルは凄く効果的だと。

実際に、この流れから大きなビジネス成果を出していた経験から、私はユーザーテストとABテストの組み合わせの持つ強力なパワーを実感していました。

そこで、自分が起業した当時、「なんとかしてABテストツールの大手にアプローチできないか」と思っていました。

国産ABテストツールの代表格「DLPO」

当時から、このABテストのツールは多数世に出ていました。もっとも有名なのは『Googleウェブサイトオプティマイザー』というものです。それ以外にも、Google出身の人が作った『Optimizely(オプティマイズリー)』というサービスも有名です。

日本では、国産ツールの代表格として、『DLPO』というサービスが有名でした。このDLPOを提供していた会社が、『アイオイクス』でした。

(▼DLPOのホームページ画像1


アイオイクスは国産ABテストツールの『DLPO』を、当時すでに数百社への提供した実績を持っていて、日本のABテストの旗手的存在でした。

最強の紹介営業ツール「Facebook」

そもそも、起業初期のポップインサイトは、売上があったとはいえ取引先は数社しかありません。その数社だけに頼っているのでは、いつ売上がなくなるとも限らないし、展開を広げることもできません。

何社かで成功していた、『OEM形式』で展開していくというスキームを、いかに水平展開して拡大するかというのが生命線であり、急務だと思っていました。 相性の良い会社をどんどん開拓していく必要があると。

そこで、「ユーザーテストで仮説立案し、ABテストで仮説検証する座組が、どう考えても最高に相性が良い」と考えていた私は、なんとかしてABテスト国内最大手ツールであるDLPOの責任者に提案したいと考えていました。

そこで調べていくと、当時開催されていたDLPOの紹介セミナーで、アイオイクス社のDLPO事業部長、作左部 勇次郎さんという方が講師として登壇されるという記事を見つけました。

▼作左部さんが責任者として講師をすることが紹介されていた記事画像2


「この作左部さんになんとかして会って提案したい」と思いました。しかし、普通に考えて、何も関係性の無い相手からの提案など、誰も取り合ってくれません。

そこで、私はFacebook上に共通の知人はいないか調べました。共通の知り合いに仲介してもらうのであれば、会ってもらえる可能性が高まるだろうと。すると1人、私のビジネススクールの先輩が、共通の知人として浮かび上がりました。

「作左部さんをご紹介頂けませんでしょうか?」と、この方にお願いしたところ、すぐにつないで頂くことができて、1回目のご挨拶ができるアポイントメントを無事に取ることができました。

一般的に、面識の無い相手には、営業できるチャンスは殆どありません。しかし、Facebookなどを有効活用して共通の知人を介していけば、このようにビッグチャンスを掴むこともできる。そういったパターンの象徴的な事例でした。

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