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テレワークで上司が部下に行うべき3つの報連相

「リモート起業家」の私がテレワークで活躍する秘訣をお伝えするリモート仕事術シリーズ。今回は「テレワークで上司が部下に行うべき3つの報連相」というテーマでお伝えして行きます。

申し上げるまでもなく、報連相とは報告・連絡・相談のことですよね。多くの方は、報連相は部下から上司に行うべきものだと認識されていると思います。

もちろん部下から上司への報連相もすごく大事なのですが、私はテレワークにおいては、むしろまず上司から部下に対してこの報告・連絡・相談を行うことで組織が上手く回ると実感しています。

私が起業・経営をしていた会社は社員数が50人位でマネージャーが10名弱、メンバーが40人弱という構成でしたが、部下に対して上司が報連相する意識がある人のチームの方が、そうでない人のチームよりも俄然上手く回っていました。

そこで今回は、なぜ上司が率先して報連相すると上手くいくのかという理由と、具体的にどんな報連相をすべきなのかという具体的な方法をお伝えします。少しでも参考になれば、ぜひ明日から採り入れて頂ければ幸いです。

▼今回の内容は以下の動画でもご覧頂けます。ぜひご覧ください!

上司が報連相すべき2つの理由とは

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それではます、上司が報連相すべき2つの理由からお伝えして行きます。

まず1つ目の理由は「率先垂範になる」ということです。多くの上司は部下に対して「きちんと報連相して欲しい」と思っています。しかし、自分自身は何もそういったことをせずにただ部下にやれと言うだけでは、やはり部下の気持ちとしては「そう言うあなたは全然できてないですよね」という気分になりがちです。 

そこで自分からまずは部下に対して報連相することによって、上司の姿勢として、「こういう風にきっちりとやっている」ということを伝えることができ、断然説得力があります。部下にきちんと報連相を行ってもらうためにも、まずは自分が率先垂範すべきであるということが1つ目の理由になります。

2つ目の理由は「情報量が多いから」です。 当然上司の方が部下よりも社内の情報、取引先の情報、業務の情報、業界の情勢など、多くの情報を知っています(そうでなくては困りますよね)。ですから、本来上司から部下への方が、連絡すべき情報や報告するべき情報が多い訳です。

この情報量の差という面から見ても、業務を向上させるためには、上司から部下に対する情報連携のコミュニケーションが非常に重要だと言えるのです。

1.【報告】自分の状況を報告する

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それでは次に、具体的に上司から部下に対してどんな報・連・相をすべきなのか例を挙げていきます。

1つ目は「報告」です。 上司から部下にすべき報告は「自分の状況」です。 部下からすると上司が何をしているか分からないっていうのは結構不安で疑心暗鬼にもなりがちです。

「どんな仕事をしているのか分からない」「そもそも仕事をしているかどうかも分からない」「本当はさぼってるんじゃないか」

以前私の会社でも、あるチームのマネージャーがたまに遅刻したりとか、報連相しても返事が遅いということがあって、メンバーが「この上司はしっかり仕事しているのかな」「寝てるのではないかな」「サボってるんじゃないかな」と疑惑、不安を持つようになったのです。

そういった陳情が社長の私の所に届きまして、私からそのマネージャーに対して「きちんと自分から自分が何をしてるか伝えないと、部下は不安になる」と伝えて状況を改善したというエピソードがありました。

この様に、上司にとって部下の様子が見えないことは不安ですが、それと同様に、部下が上司の様子が見えないことも不安なのだということを意識していくことが大切です。

これを避けるための良い方法としては、カレンダーでスケジュールを共有して、自分を含めて全チームメンバーがいつ何をしているかを明らかにして行く。 毎日の朝会で部下の予定を聞くだけではなくて、上司の方から自分のことを率先して、「今日こういう事をするので、こういった点で時間かかる」と共有するだけでも、はるかに安心感が出ます。こういうことを心がけていくと、上司と部下の信頼関係が築きやすいのです。

2.【連絡】メンバーが成功していることを他のメンバーに連絡(共有)する

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2点目は「連絡」です。ぜひ実践して欲しいのは「チームのメンバーが成功していることを、他のメンバーに共有する(連絡する)」ということです。

 当然、上司の方が自分のチームのメンバーの状況を知っています。テレワークでよくあるのは、誰が何をしているのか全く分からない、同じチームなのにメンバー同士でどういうことが行われているか分からないといった状況です。それによって一体感が感じられず、一緒に仕事をしている感じがしない、チームワークが下がってしまうという風に言われがちです。

そのような場面において効果的なのが、メンバーが上手く行ったことや成功したことを他のメンバーに伝えることです。

例えば、私の会社やチームでは朝会やグループチャットの中で、メンバーに取引先からお褒めの言葉があったことや、良い評価を受けたことなどを紹介して共有しています。

こういうことをすることによって、まず褒められた人は当然すごく嬉しいのです。 自分の活躍を上席がきちんと見てくれていて、他の人に伝えてくれるのですから。他の人からしても、他の人の動きが分かりますし、そういう風に評価されるのを見て、「そういうことをすると良いのか」ととても参考になります。

よくチャットなどで、きつい「ダメ出し」をしている人を見聞きします。しかし、テレワークでは、目に見えない分、コミュニケーションが冷たくなりがちです。そこで私は、テレワークでは「ダメ出し」ではなくて「イイ出し(=良い出し)」をするということを強く推奨しています。「良い点」を積極的どんどん指摘して共有するということです。こうすることで、組織の雰囲気がすごく良くなりますし、取り上げてもらった人も相当モチベーションが上がります。 

テレワークでは、ぜひ「ダメ出し」ではなく「イイ出し」をして、メンバーの成功を積極的に連絡(=共有)して行きましょう。

3.【相談】仕事の進め方を相談する

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3点目は「相談」です。 「仕事の進め方」を相談していきましょう。

今の時代は変化のスピードが著しく速まっていて、色々な業務がどんどん変わっています。上司であっても、部下の全員の仕事に対して全部知識や正解を持っている訳ではありません。

ですので、一方的に指示するというスタンスは無理が出てきています。そこで、「それぞれの仕事を一緒に相談して進めていく」というスタンスに切り替えていくのが、これからの成功の秘訣なのではないかと思います。

上司から部下へ仕事を依頼する時に、「この仕事をこういう目的でやりたいんだけど、どうしたら良いと思う?」「どう進めると良いと思う?」「自分はこういう経験があって、これ良いと思うのだけど、あなたはどう思う?」・・・と、都度相談しながら進めて行く。こうすると、部下としても、一方的に「やれ」とか、「これはダメだ」と言われるよりも、俄然モチベーションが上がります。

さらには、上司が部下に対して相談スタンスであれば、当然部下からも上司に相談しやすくなります。上司としても、無理に自分で答えや方向性を出す必要もないし、メンバーのモチベーションも上がるので、上司から部下へ相談するというのは大変合理的なのです。

もちろんケースによっては自分の方が詳しいので先に答えを言ってしまう、指示をしたくなってしまうケースもあると思いますが、これからの時代は、まず自分から部下に相談していくというマインドを持っているかいないかで、部下との信頼関係が大きく変わってくると思います。

これからの変化の激しい、正解が見えにくい社会においては、以上のような意識、スタンスを持つことは、上司として非常に重要なことではないかと思います。

今回の振り返り

上司が部下にすべき3つの報連相
1.報告:自分の状況を報告する
2.連絡:メンバーの成功を他のメンバーに連絡(=共有)する
3.相談:仕事の進め方を相談する

それでは最後に、今回紹介した上司が部下にすべき3つの報連相を、もう一度振り返ってみましょう。

1つ目は「報告」です。「自分の状況」をきちんとメンバーに伝えましょう。上司の様子が分からないと部下が不安になるし、その不安が不信感になってしまいます。まずは上司から部下に自分の状況を伝えることを意識しましょう。

2つ目は「連絡」です。「メンバーが成功したことを他のメンバーに連絡(=共有)」しましょう。「ダメ出し」を止めて「イイ出し(=良い出し)」して行くことで、良い雰囲気を生みますし、紹介されたメンバーも嬉しいし、一石何鳥にもなります。

3つ目は「相談」です。指示から相談に変えて「仕事の進め方を相談」して行きましょう。「やれ」ではなくて、「どんな風にしたら良いと思いますか?」 と相談スタンスがあれば、この変化の激しい時代に自分の狭い知見から間違った答えを出してしまうリスクも減り、部下からも相談がしやすくなり、色々なことが格段にスムーズに進むようになります。

この3点を上司から部下へ報連相していくことで、部下の側も報連相をしやすくなり、あなたも仕事を断然進めやすくなります。是非1つでも2つでもできそうなことがあれば、ぜひ今日から採り入れて頂ければ幸いです。

それではまた、次回の「テレワーク実践術」でお会いしましょう!

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▼動画版はこちらです。ぜひご覧下さい!

▼YouTubeチャンネル「テレワークで活躍する秘訣~池田朋弘のリモート仕事術」

▼テレワークで活躍したい方向けのnoteシリーズ

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