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Slackの実践的な使い方8つのコツ〜チャット活用リテラシーを上げよう !

近年テレワークの導入が進み、社内・チーム内のコミュニケーションは、メールから “ Slack ”を代表とするチャットツールへと加速度的に移行が進んでいます。そんな時勢下では、チャットをうまく活用できることは、コミュニケーション力を高めることに直結します。そして、文章リテラシーと同時に、チャット活用リテラシーも高めることが求められます。

そこで今回は、「Slackの実践的な使い方8つのコツ〜チャット活用リテラシーを上げよう!」と題して、私もメインで使用しているツール“ Slack ”の実践的な使い方のコツを始め、代表的なチャットツールのリテラシーを上げる活用方法を紹介します。

YouTubeチャンネル(リモートコミュニケーション実践塾)でも同内容を説明しているので、ぜひこちらもご覧ください!

1 .チャット活用リテラシーは、チャットメインのコミュニケーションツールを効率的に使いこなす能力

チャット活用リテラシーは、Slackをはじめ Chatwork・Microsoft Teams などのチャットメインのビジネスコミュニケーションツールを活用する能力です。

具体的なチャット活用リテラシーと言える能力のポイントは次の 3 点です。(それぞれの詳細は「 2 . Slackの実践的な使い方8つのコツ = チームのチャットリテラシーを向上していくためのポイント」にて説明します。)

① ツールの機能を知り、活用する
② 情報の受け手側の状況も知り、情報を受け取りやすくする
③ チャットに蓄積されるコミュニケーション情報が利用・再活用しやすくする

2 . チャット活用リテラシーが重要な理由

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まずはチャット活用リテラシーが重要な理由を順に紹介します。

理由 1:社内コミュニケーションはメールからチャットツールに
チーム内コミュニケーションにおいて、ビジネスチャットツールが急速に広がっています。メールとチャットを比較すると、どちらの方が気軽にコミュニケーションが取りやすいか、その差は歴然としています。もちろん、チャットの方が気軽なコミュニケーションに秀でています。

メールは、送信の手間・不必要な定型句などが必要になりますが、チャットならそれらがすべて必要なくなり要件のみを端的に伝えられます。また過去のログも残しやすかったり、公開範囲を指定できたり、コミュニケーションがしやすくなる工夫が満載です。

国内のビジネスチャットツールの雄であるChatwork社の2020 年 12 月期第 1 四半期決算説明資料(出典)によると、日本のビジネスチャットの状況は次の通りです。

● 普及率 : 日本では 24% 程度だが、アメリカでは 67% である
● 成長率 : 国内のビジネスチャット市場は 2017 年では 62 億円だが、毎年 30% ずつ成長し、2022 年には 230 億円になる

世界最大のビジネスコミュニケーションツールである Slack の時価総額は 2 兆円にも上ります。日本において時価総額 2 兆円を超える会社は 100 社に満たず、企業としても富士フイルム・パナソニック・セコム・イオンなど「生活を支える社会インフラ」といっていいレベルの大企業群です。この事からも、いかにビジネスコミュニケーションツールの存在感が大きいかがわかります。

コロナにより、ビジネスチャットツールの成長ペースはますます加速するでしょう。まだチャットツールが導入されていないという組織やチームがあれば、早々に導入を検討すべきです。

理由 2:チャットツールの活用次第で、チームのコミュニケーション力に大きな差がつく
これらのツールを活用できるかどうかで、チームのコミュニケーション力に大きな差がつきます。チャットツールに不慣れな人は、次の様な行動をとりがちです。

● なんでも個別メッセージで質問する 
● 誰に質問しているかがわかりづらい 
● 指示語が多く、何を指しているかわからない
● 同じ質問を何度もする

不必要なコミュニケーションが多いチームと、次の「2 . Slackの実践的な使い方8つのコツ = チームのチャットリテラシーを向上していくためのポイント」で紹介するポイントを押さえて効率的かつ再利用性の高いコミュニケーションが取れるチームと、どちらの生産性が高いかは明白です。

チーム全員がチャット活用リテラシーを高めることで、コミュニケーションのボトルネックを無くしましょう。

3 . Slackの実践的な使い方8つのコツ = チームのチャットリテラシーを向上していくためのポイント

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続いて、Slackの実践的な使い方8つのコツ = チームのチャットリテラシーを向上していくためのポイントを紹介します。Slackなどビジネスチャットが持つ独自の機能やクセを理解してどんどん使いこなしましょう!

コツ1 : リアクションを徹底する

Slack などのチャットコミュニケーションと口頭コミュニケーションで大きく差が出るのがリアクションです。チャットに慣れている人は、様々なチャット内容に対して、絵文字・文章を活用し、適切なリアクションがとれます。一方、チャットに不慣れな人だと、あまりリアクションがとれません。

リアクションがない人も、おそらく悪意はなく、「チャット内容をみて、わざわざ返信はしてないけど、自分としては了解したんだよ」という状況が多いでしょう。しかしリアクションをしないと、発信者は「そもそもまだ見てないのか」「見てOK なのか」「見て NG なので指摘しようとしているのか」が全くわからず、不安になります。

オフィスで直接会話しているときに、相手の発言に対し、頷き・ボディランゲージでのリアクションが何もないのは、極めて失礼ですよね。それと同様にSlack などのチャットにおいても、リアクションをしないのは相手に失礼という意識を全員が持ちましょう。

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コツ2 : できるだけすべてオープンにする

Slack などのビジネスコミュニケーションツールを活用するポイントの 1 つは「できるだけすべてオープンにする」ことです。実際に Slack の公式サイトでも

「 Slack は組織の風通しがよくなるように設計されています。そのため、基本的にコミュニケーションは可能な限りパブリックチャンネルで行うことをおすすめです」

と明言しています(出典↓)(パブリックチャンネルとは、誰でも閲覧・参加できる状態のチャンネルのことです)。

私自身の体験としても、多くの情報をオープンにすることでさまざまなメリットがあると感じています。ここでは特に大きな 3 つのメリットを紹介します。

1 つ目のメリットは、チーム全体の情報共有度・理解度が上がる点です。テレワークで挙げられる課題の 1 つに「疎外感を感じる」というものがあります。経営陣や幹部が非公開の場ばかりで議論しており、「情報格差」が大きな状況だと、現場はこのような心境になります。情報をオープンにしておくことで、テレワークであってもテレワーク以外のメンバーとの情報格差が生まれにくく、このような疎外感を回避できます。また、情報をメンバー全員が把握しておくことで、それぞれの取り組みの精度向上にもつながります。

2 つ目のメリットは、オープンな場にすることで、衆人環視の意識が高まり、発言内容が建設的・ポジティブになりやすい点です。人間なので、当然ながら気持ちのアップダウンがあったり、ネガティブな発言をしたくなったりする心境があるのは理解できます。
適度な愚痴は気晴らしにもよいでしょう。しかしながら、ビジネスコミュニケーションツールの場はあくまでも会社のパブリックな場です。上司が見ていない裏チャットで、愚痴や悪口ばかりが盛り上がるようでは、健全な状況とは言い難いと言えるでしょう。
オープンを前提にすることで、愚痴や悪口などの非生産的なやり取りが自然としづらくなり、より建設的な発信をしていく意識が高まります。もちろん適度な愚痴を否定するものではなく、あくまでチーム全体の雰囲気が向上するという意味です。

3 つ目のメリットは、不必要な伝言ゲームをする必要がなくなることです。チャットに不慣れな人は、個別メッセージを使いがちです。個別メッセージだと、その内容を別の人に伝えるために、別途作業が発生します。適切なチャンネルを作成し関係者を全員揃えておけば、そのような不必要な伝言ゲームがなくなり、内容が全員に直接伝わるので非常に効率的です。
もっとも、そもそもの信頼関係が構築されていないと、「あの人にこんな内容は見られたくない」といった心理が生まれやすく、これらの取り組みがしづらくなるでしょう。チームビルディングの取り組みにより、まずは信頼関係を構築することが重要です。

コツ3 : チャンネル作成のパターンを知る

チャンネルとは、ビジネスコミュニケーションツールで作成できる「部屋」のことです。ツールによって表現方法がまちまちですが、この記事では Slack に合わせて「チャンネル」と表現します。以下はツール毎の名称(呼び方)の一覧です。

目的に応じてチャンネルを作成し、必要なメンバーをチャンネルに入れることができると、情報伝達が最適化でき非常に楽です。以下の表で基本的なパターンとよくある失敗例を整理しているので、ぜひ参考にしてください。

チャンネル作成のよくある失敗例と対策
●【失敗】常設チャンネルを作成したが、新しく加入したメンバーが参加しておらず、情報が共有・チェックなされない
→【対策】 全員参加チャンネルは抜け漏れがないように、加入タイミングでしっかり追加する(そのオペレーションを用意しておく)

●【失敗】プロジェクト別チャンネルを作成したが、チャンネルと関係ない箇所で相談が進んでしまう
→【対策】プロジェクト関連内容は細かなことでもプロジェクト別チャンネルに集約するようにする 
→【対策】個別メッセージや個別チャンネルで情報が展開されたら、本人または気づいた人が、チャンネルに内容を転送して共有する

●【失敗】グループチャット(ダイレクトチャット)で議論をスタートしたが、議論に必要な関係者が含まれておらず、内容の転送・連携が面倒くさい
→【対策】できるだけ臨時チャンネルを作成し、後からメンバーを追加できるようにする
→【対策】後から臨時チャンネルを作成し、議論内容はコピペ・キャプチャして臨時チャンネル側に流す

コツ4  : メンション(名指し)を使う

複数人が参加しているチャンネルでは、誰向けのメッセージかを明確にしましょう。Slackをはじめ多くのチャットツールでは、メンション(名指し)機能があります。メンション機能を使うことで、相手にメッセージが伝わる可能性が格段に上がり、「自分が回答しなければ」という気持ちも高めることができます。


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チャットの通知も、メンションされている場合のみ発生するようになっているケースが多々あります。私もそうですがメンションされないと気づきません。

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テレワーク以外の対面コミュニケーションであっても、話をする前には、「〜さん、ちょっといいですか」 とまず名前を呼びかけて話しかけるはずです。Slack などのチャットでは、「メンションしていないと伝わらない」という認識を全員で持ちましょう

コツ5 : URLを直接貼る(ファイルを直接送る)

特定の資料やデータの進捗状況を確認したり、報告したりするシーンはよくありま す。ここでのポイントは、対象ファイルがすぐに確認できるように、URL やファイル添付を怠らないことです。
例えば会議資料を上司に確認してもらいたいシーンで、以下の 2 パターンの連絡があるとします。あなたが上司ならどちらがやりやすいでしょうか。

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パターン 1 では、上司は自分でファイルを探しに行く必要があります。検索したり、ファイル共有ツールを開いたり、メールを探しに行く必要があるかもしれません。場合によっては、違う資料と誤解してしまい、全く見当違いのフィードバックをしてしまうかもしれません。

対してパターン 2 では、確認依頼を見た上司は、1 クリックですぐに資料を開けられます。ちょっとした差ですが、どちらの方が受け手として仕事を進めやすいかは、一目瞭然です。

「 URLを貼る(ファイルを添付する)こと」は、当たり前の工夫なのですが、意外と 多くの人が怠っています。ぜひ徹底しましょう。

コツ6  : スマホ閲覧を意識する

Slackをはじめほとんど全てのチャットツールは、スマホアプリも提供しています。忙しい人ほど、PC でなく、アプリを使う頻度が高いでしょう。私自身も、社長として対外アポを毎日数多くこなしている時期は、ほとんどの確認はスマホで行っていました。そこで重要なのは「スマホで見ても返信しやすい」工夫です。

1 つ目のポイントは、資料やファイルの確認時には画面キャプチャを使うことです。先ほど「URL を貼る(ファイルを添付する)」という話をしましたが、スマホで見る場合、わざわざ対象ファイルを開くのはかなり重いアクションです。そもそも開けないファイルもありますし、開いたとしても画面が小さく見にくいです。そこで、確認してほしい箇所だけ、画面キャプチャも併用しましょう。画像であれば、スマホでも画面は小さいもののそこまで抵抗感なく見ることができます。

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2 つ目のポイントは、文章を短くし、また依頼を細切れにすることです。長文で長々と依頼が書いてあり、かつ「気になることがあればフィードバックしてください」と言われても、スマホではそもそも見るのが億劫ですし、「この箇所」という補足をいれるのも面倒です。文章は短いほど見るのが楽です。また仮に文章自体は短くできなくても、確認してほしいポイントを「1. 見出しについて」「2. 依頼内容について」といった形で細切れにしてくれると、回答が非常に楽です。

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これらもちょっとした差ですが、スマホベースで閲覧する人がいるチームでは、欠かせない配慮と言えるでしょう。

コツ7  : 「後から検索」しやすくする

ビジネスチャットは、フローの情報(流れていく情報)がメインではありますが、それらの情報は自動的にストック化され蓄積していきます。後から「あの時なんて言ったっけ」「前にチャットで画像を貼ったんだけどな」と見返しに行くことはよくあります。そのため「後から検索しやすくしておく」という意識があると、情報の再利用性が格段に高まります。

一番のポイントは、ファイル名・文章見出しです。後から検索しそうなキーワードをファイルや文章内に含めておくことで、探しやすくなります。

私もよくあるのですが、あるときに考えていたキーワードと、後から思い出そうとしたキーワードが変わってしまうこともよくあります。そんな時のために、あえて複数のキーワードを併記しておくこともあります。

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また「概要の投稿」と「詳細の投稿」を分けておくこともあります。Slack だと「スレッド機能」として、一覧に表示する内容と、一覧には表示させず「コメント」的に追加する内容を分けることができます。できるだけ重要な内容だけを一覧に表示するようにし、それ以外はスレッド化しておくことで、後の一覧性が高まります。

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Chatwork にはスレッド機能はありませんが、概要だけチャットに記載し、詳細は テキストファイルなどで別途添付するという方法があります。

コツ8 : 固定欄(概要・ピン留め・タスク)を活用する

Slack をはじめ多くのビジネスチャットツールでは、チャンネルごとに「固定欄」を活用できます。特に Slack では「ピン留め」、Chatwork では「タスク」と呼ばれるツールがあります。これはブラウザのブックマーク機能のようなものです。各チャンネルにおいて、よく使う資料や内容は、これらの機能で振り返りやすくしておくと大変便利です。

私の場合、チーム全体で常時活用するスプレッドシートや、何度も確認する資料などは、たいていピン留めしています。

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まとめ

近年テレワークの導入が進み、社内・チーム内のコミュニケーションツールは、メールから Slack を代表とするチャットへと急速に移行が進んできました。

この時勢下では、チャットをうまく活用できることがコミュニケーション力を高めることに直結します。そして、文章リテラシーと同時に、チャット活用リテラシーも高めることが求められています。

今回紹介した Slack を代表するチャットツールの実践的な使い方8つのコツを実践して頂くことで、必ずやチャット活用リテラシーを向上していただけることでしょう。

今回の内容が、皆様の組織でのチャットのより良い活用と、テレワークのますます活性化の一助となれば幸いです。


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