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ポップインサイト創業記

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会社創業の悪戦苦闘について、経験・学びの言語化もかねて創業記として振り返っていきます。起業を考えている人に参考になるよう、できる限り具体的な内容を伝えていきます。
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2020年5月の記事一覧

ポップインサイト創業記(10)〜突然、ライバルが出現!!

勉強会の開催から始まった私達のサービスは、度々直面する問題を乗り越えていよいよ本格的な事業化に向けて進み始めていました。そんな時、私達の前に思わぬ形でライバルが出現したのです。 『リーン・スタートアップ』の流行私が勉強会や日本版リモートユーザーテストのシステムを開発したのは2011年の事でした。その約1年後の2012年、『リーンスタートアップ』という本が大流行しました。 ▼リーン・スタートアップ エリック・リース(著),伊藤 穣一(解説),井口 耕二(翻訳)日経BP社刊

ポップインサイト創業記(9)〜お金を使わず、家族を使う

モニター募集をした所、早速数十人の応募を受けました。報酬単価を相場より高く設定した狙いが当たり、モニター募集は順調に出来る見込みが立ったのです。そこで、次はモニターの受け入れ体制の確立が急務となりました。 チェックはマンパワーでウエブ広告を見た人からのモニターの応募があると、私のアドレスに「新規顧客モニターの登録がありました」というメールが届きます。月に約100件の応募がありますので、約100件のリマインドメールが私の元にポンポンと届きます。 それらが届くと1通1通に対し

ポップインサイト創業記(8)〜ネット広告でのモニタ募集

勤めていた会社から正式な許可を得てサービスを本格稼働することにした私達でしたが、これまでは友人や身内に頼んでいたためモニターがいませんでした。本格稼働するためには親族や友人だけでは回らないため、外部でのモニター募集を開始することにしました。 報酬の単価を相場より高く設定モニター募集には、『リスティング広告ページ』と『Facebook広告』の2種類のネット広告を出しました。 世間一般のウエブアンケートやモニターサービスでは、大体1件のアンケートに回答して報酬が数円というイメ

ポップインサイト創業期(7)〜受注から新会社発足に向けて動き出す

私達の新サービスの広告ページを出した所、ポエガさんとトレジャーハントさんという2つの企業からの受注を得ることができました。今回は少し話が遡りますが、副業として新サービスを行うことを会社に許可を取りに行った際のエピソードをご紹介します。 実は…今だから言える話実は今だからお話できる事ですが、私は今ご紹介している一社目の起業ストーリーの2年程前から、別の知人が経営している会社を副業として手伝っていました。 そちらは企業リストや新規の顧客開拓リストを作る『セールスサポート』とい

ポップインサイト創業期(6)〜サービス完成前にプロモーションLPをリリース

無料トライアルの結果、企業に価値あるデータを提供できるサービスであると評価してもらえることが立証できました。しかし、この段階ではまだ「知り合いが使って喜んでくれた」という段階で、本当にお金を払ってもらう価値があるのかは未知数です。 そこで次は、サービスの提供をスタートするべく初めての広告を出しました。新サービス宣伝の為のウェブページ(LP)を作成しました。 ちなみにこの時点では、システムもMVPレベルですし、モニタも友人しかいない状態です。が、顧客候補にはそのような裏側事

ポップインサイト創業期(5)〜MVPで価値検証

ゴールデンウィーク期間を利用してまずは最小限のスタートが切れるシステムの開発に取り組みました。そして、海外にWEBブラウザ上で操作画面と使用者の音声を録画することができるツールがあることを見つけた私達は、数名の人に実際にテスト使用してもらうことにしたのでした。 最初は友人知人にモニタ協力を募るそうは言うものの、実際にはまだモニターなど1人もいない状況です。そこで、私の妹や友人に「ちょっとPC画面のタスクに従ってテストをやってみてもらえない?」とお願いしてテスト使用してもらい

ポップインサイト創業期(4)〜日本版ユーザーテストの開発

研究会を数回開催する中で、参加者から「自分達でユーザーテストをしたいものの、テストしている様子を人に見られるのは恥ずかしい」「時間がかかりそうだし、分析を自分でするのも大変そう」といった感じの声がありました。 日本初のリモート・ユーザテストの開発へ私は当時既にユーザーテストが海外でとても高いニーズがあることを知っていましたし、日本でもこれを拡めたいと思っていましたので、研究会のアンケートで「海外で人気が高いユーザーテストを数千円からしてもらえるような日本版サービスがあれば

ポップインサイト創業期(3)〜Sansan社との出会い

第4回コンバージョン・アップ研究会は、クラウド名刺管理サービスアプリの『Eight』をテーマとして開催しました。 このサービスを提供する『Sansan株式会社』は、「出会いからイノベーションを生み出す」をミッションに掲げ、法人向け名刺管理サービス『Sansan』と個人向け名刺アプリ『Eight』を提供しているマザーズ上場企業です。 名刺管理アプリ「Eight」が第4回のテーマ『Sansan』は、俳優の松重豊さんの「それさぁ、早く言ってよ ~」というセリフのコミカルなCMでお

ポップインサイト創業期(2)〜将来の共同創業者が、勉強会にやって来た

第3回のコンバージョン・アップ研究会には、後に私と一緒に最初の会社を起業した喜多君が参加者としてやって来ました。勉強会の開催を重ねることで、参加者の中から私の想いに共鳴してくれる人が出てきて、その後一緒に起業していくことになっていったのです。 (▼喜多君と私です) 第3回勉強会に、将来の共同創業者が参加喜多君は元々私が就職した会社『ビービット』の同僚でした。 当時彼はエンジニアで、私はコンサルタントをしていました。 私はコンサルタントとして、クライアントワークで『ユーザ

ポップインサイト創業期(1)〜始まりは、勉強会の開催から

今回から新たな連載シリーズとして、私が初めて起業した企業“ポップインサイト”の創業期を振り返ります。そこには様々な苦労や大変な事がありました。しかし、それらに直面する度に、トライ&エラーを繰り返しながら乗り越えていくことで、その中から様々な良いノウハウを生み出しながら前に進んで行くことができました。 始まりは、ユーザーテストを拡めたいという想いから私は前職のビービットで行われていた『ユーザーテスト』という手法を、本当に素晴らしいものだと確信していました。そして、“これが社会