ポップインサイト創業期(7)〜受注から新会社発足に向けて動き出す

私達の新サービスの広告ページを出した所、ポエガさんとトレジャーハントさんという2つの企業からの受注を得ることができました。今回は少し話が遡りますが、副業として新サービスを行うことを会社に許可を取りに行った際のエピソードをご紹介します。

実は…今だから言える話

実は今だからお話できる事ですが、私は今ご紹介している一社目の起業ストーリーの2年程前から、別の知人が経営している会社を副業として手伝っていました。

そちらは企業リストや新規の顧客開拓リストを作る『セールスサポート』というジャンルのサービスを行う企業でした。クライアント向けにI タウンページやマイナリーなどのページからサイトを巡回してデータを所得してリストを作成するサービスを行っていました。

この会社は私が作ったのではなくて別の人が作った会社です。そこに副業として参加して、CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)としてサイトの改善とか広告を担当していました。

この企業のサービスは、当時勤めていた会社『ビービット』とは全く近い要素はありません。サービス内容も顧客層も業務内容も全く異なっていて、被る要素が何も無かったのです。 

私は何事においても誠実に行うことを信条にしていますが、その上でもこちらの企業に関しては、サービスの全てが完全にビービットと異なっていましたので、どう考えてもビービットに対して不義理になることも不利益を与えることも起こりません。自分の人生は自分の責任のもと切り開いていくというのが前提だとも思っていたこともあり、こちらの業務は特段会社に許可を得ることなく行っていました。

しかし、今回の日本版リモートユーザーテストのサービスは、大きく差別化しているものの同じ『ユーザーテスト』を扱う上では要素の近さもあります。

広告ページを出す前に許可を取ろうと判断

さらに、広告ホームページを出す際には、『リスティング』と言って特定のキーワードで検索がかかるように設定します。当時の私達がどのキーワードを設定するかと言えば、当然一番実情にフィットしていてニーズが高いワード『ユーザーテスト』もしくは『ユーザーアビリティーテスト』になります。

しかし、このキーワードで検索すると、検索結果に元々勤めている『ビービット』も検索結果に挙がってきます。

私達としては、サービスの内容をより簡単に軽量にするということで全く違う形になるように差別化しているのですが、広告を出すと並んで表示が出てしまうのです。

そこで、予め許可を取ろうということで当時の上司に「副業でこういうサービスやりたいんです」と掛け合いに行きました。

会社に許可を求めるが・・・

しかし、その時は上司からはっきり「駄目」と断られてしまいました。向こうからすると「業務内容がかぶってる」と言うのです。私からしたら、「サービス内容も金額も全然違うし、全然違うサービスです」という思いでした。

実際にクライアント層も全く異なります。ビービットはクライアント層に『大企業』をターゲッティングしていています。私達の想定起業は『ベンチャー企業』や『新しく出来た企業』なので、クライアントの層も全くかぶっていません。そもそも価格帯が5倍から10倍以上違うのです。このように全く異なる様に差別化したものなので、本来迷惑を掛ける要素は何もありません。しかし、「サービスが近いからダメ」と断られてしまったのです。

心意気で状況を打開する

その後、何度も交渉を試みるものの、一向に許可を得ることはできませんでした。

何度も折衝を重ねる中で、私は(もし完全に駄目と言われたら、退職をしてもやり遂げよう)と覚悟を決めました。勿論、積極的に退職したい訳ではありません。しかしそれくらいの心づもりと決意を持って交渉しないと通らないと思い、最終的にダメだったら退職も辞さないという覚悟を決めた上で交渉に望みました

そのように不退転の覚悟を持って交渉したところ、最終的には「ユーザーテストという言葉を使わなかったら良い」と条件付きの許可を得ることができました。

最終的に、ぎりぎりの所で許可を得ることができたのです。

断られてからがスタート

許可を得た私達はページに『ユーザーテスト』の表記を一切しない形でアップをしました。ユーザーテストと書く代わりに、『コンバージョンアップのためのサービス』ですと表現したのです。つまり初期バージョンの私達のホームページでは、一切『ユーザーテスト』と表記していなかったということです。

断られてそれで終わりにしてしまうのはあまりに勿体無いと思います。私は寧ろ断られてからがスタートだと思います。世の中にない新しいことを始める時には必ず反対が出てきます。反対が無いようではこれまでに無かった目新しい物とは言えないのではないでしょうか。

「自分の信じた物を絶対に拡めたい」という強い想いがあれば、反対されようが断られようが、そこから始めて必ず最後までやり遂げることができるはずです。

私達はユーザーテストにおいても度々困難な壁に直面しながらも、毎回そこを新たなスタート地点にして、チャレンジとトライ&エラーを重ねて行くことで日本初のサービスの提供を開始して行ったのでした。

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