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映画館で働いて見えた「未来の基盤」

私は約2年間映画館でアルバイトをしている大学生です。
「働く」経験値なんてまだ少しもない平凡な大学生です。
でもこの2年間で感じたことは私にとっては、「未来の基盤」を見つけたような気がしています。
そんな今の私が感じる「働くこと」の意味を書き留めます。

映画館で働くまで
正直、映画館の必要さをさほど感じれずにいました。

大体は私のような映画好き、特に映画館で鑑賞することが好きな人たちがほとんどだろうと思っていました。

働き始めた頃はたくさんの仕事を覚えるのに必死でメモを見返す毎日で
お客さんの表情もろくに見れないまま、毎回働いていたのを思い出します。

私は本当に鈍臭かったので、仕事に慣れるまで時間がよりかかったことを覚えています。今でもまだ慣れていないこともあるくらいです。


半年ほど経ち仕事にも慣れ、仕事の幅が広がり
スタッフとして映画館内の移動が広がったとき。
ようやく客層や、お客さんの表情を見れるようになっていきました。

休日に子供が大好きな作品を一緒に見にくる家族
会話もまだぎこちないようなカップル
今はこんな映画が流行っているのかと驚く老夫婦
大好きな俳優さんを見にくる高校生
お年玉でグッズを買う幼い子
仕事帰りであろうスーツ姿の人

様々な人々が映画館に、娯楽、安らぎを求めて足を運んでいると実感するようになり

また、その娯楽の時間を快適に過ごしてもらうのが私の仕事だと認識するようになりました。

また映画館から世界を大きく広げていくと、
私の仕事は映画を見にくる人のためになっていて、また
私が快適に暮らせるのは誰かのおかげなんだと

これは今後、学生を卒業する私にとって「未来の基盤」になりえるとも思える大発見でした。

スクリーンの中で輝く役者
役者を輝かせる照明さん音響さん
映画を作ろうと企画する監督
グッズをデザインし製作する人々

映画ひとつの作品をお客さんに届けるまで、どれほどの人々が関わっているんだろう
そんな想像をしたとき、私の周りの全ての物事に当てはまることに気づきました。

電気やインターネット
水やパン
音楽や小説
猫の首輪に猫のベット

それこそもう数知れません。

アルバイトをしてやっと気づくなんて、どれほど今まで鈍感だったんだろう。どれほど想像力がなかったんだろう。

そんな感情もあり、
過去を振り返って、想像するのが時々怖くなります。

そんなこともあり、私はお客さん一人一人の人生を想像するようになりました。

やっと公開される映画を見にくる人
子供にプレゼントするんだと前売り券を買う人
一緒に食べようと1番大きいポップコーンを買う人
応援していた役者の最後の作品を見にくる人

見に来られる時の感情が人それぞれの中
サービスを提供するということは
お客さんが見る作品の思い出の一部になるんだと実感するようになりました

何か作る人も、サービスを提供する人も、芸術を生み出す人も
時間の長さは関係なく
誰かの思い出の一部になるのだと。

21歳。今の私は
「働くこと」は「誰かの思い出の一部になること」
そう感じていたことをどうか覚えていてほしいです。

長い文章読んでくれてありがとうございました。
この記事もあなたの思い出の一部になっているように願っています。

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