「正解」だと言われることだけが正解ではないから。
『あなたが好きなことは何ですか?』
『あなたが嫌いなことは何ですか?』
『あなたは何をしている時が一番幸せですか?』
この質問に、心に嘘をつかずに答えられる人がどれだけいるのだろうか?
性格は、幼児〜思春期までに大枠は形成されるときく。
今思うと、この期間、私に一番欠損していたものは、『自分』だと思う。
『自分の好きなもの』『自分の嫌いなもの』『自分のやりたいこと』『自分の幸せ』…全部考えてこなかった。
親が…先生が…と、所謂、優等生で生きてきた私にはこれがなかった。
中学生は、親が喜ぶからと将来の夢は獣医だと語り、県内1の進学校に進み、大嫌いだったバレエも続けた。
高校生は、優秀だと言われていた理系に進み、国立の大学に進むことだけを考えていた。
何も自分で考えていなかった。
今も、私の好きなものは何かと聞かれてもよくわからない。
ファッション?映画?アート?…
ファッションは好きだし、おしゃれをすることは大好きだし、毎月一番お金をかけているものではある。
映画も好きだし、特に80・90年代の青春映画とかは特に好きな分野ではある。
渋谷の文化村の近くに住んでいるということもあって、展示会にはよく行くし、アートも好きだとは思う。
でも、いまいち一番好きなものは何かと聞かれてもわからない。
ファッションも映画もアートも好きなことに間違いはないのだけど、
どうして好きなのかと聞かれたら、それを好きな人たちがかっこいいからという理由だけな気がする。
『私が』どう思うのかはよくわからない。
自分のスタイルがないように感じる。
ファッションも特にこのデザイナーが好きとか、このブランドのこの価値観が好きでお金を惜しまず買っているというものもない。
映画も監督名なんてもってのほか、この俳優のこの演技がとかも特に感じない。
アートなんてもってのほか。なんとなくは好きだけど、よくわからないし、ずっと見ていれば好きになるんだろうか、そのうちわかるようになるんだろうか?と思って見ている節もある。
圧倒的に『自分』がない。
スティーブ・ジョブズも人生のうちで夢中になれるものを見つけろと言っていたけど、全く見つからない。
こんなものなんだろうか。
みんな誰にも負けないような夢中になれる好きなものが見つけているのだろうか。
国立大学は落ちてしまったが、都内の有名私立大学に進み、ある程度優秀街道を歩き、みんなが羨むような大手広告代理店にも就職して、ふと独りになった時に、私は何がしたいんだろうかと思う。
親や日本の義務教育を否定するわけではないが、後輩たちには声を大にして言いたい。
『全部、自分で考えなさい。そして、自分の言葉で表現しなさい。』
好きなこと、嫌いなこと、大事なこと、やりたいこと、やりたくないこと
どうしてそれが好きなのか、どうしてそれが嫌いなのか。
どうしてそれをやりたいのか、そしてやるのか。
どうしてそれをやりたくないのか、それをやらないためには何をしなくてはいけないのか。
もっと考えないといけない。
そして、自分の言葉で伝えないといけない。
他人に何を言われようと、全部正解で、全部君の価値観だということ。
一番いけないのは、何も決めないことだ。
学校に行きたくない、勉強をする意味がわからない
その事実自体が悪いことではない。
君がどうしてそう思ったのか、そこが一番大事なことだ。
正解だと言われることだけが正解ではないから。
もっと、自分で考えて、自分の言葉で表現して伝えていってほしい。
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