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[21] てんこ盛りやスッカスカを防ぐには

内容が多ければ「てんこ盛り」、少なければ「スッカスカ」と言われる…。
決して珍しくありません。

『経営者・業界・事業・財務諸表』の4章に分ける、初めに『財務諸表』を固める、結論としての『経営者』…。
「前回[20]の内容は既に知ってる」と言っても冒頭の様になる場合は、往々にして以下の「動作」が見られます

●『事業』を固めてから『業界』へ移る。『経営者』は最後に着手する。
●「セクター知見」が最も大事。即ち『業界』を早めに固める。
● 対象先の特徴が出る『事業』を最も充実させる。

企業を診る上での各要素は必ず連関する中、上述に共通するのは「繋がり」が可視化されない点です
『経営者・業界・事業・財務諸表』というキャンバスで、分析等で得られた各要素の連関性がどう描かれるのか、への着意が湧きにくいのです。

繋がりを可視化する一般的手法に『マッピング(地図化)』があります。
【図表21】は、財務分析にこの手法を取り入れたものです。

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完璧志向を捨てる、これがおススメです。できっこないからやらない、ではなく「今後のリバイス有り得べし」で構わないのです
その上で、投資勘定増の意味は?など『財務諸表』による「問い」への答えから始めて『経営者』へ「繋がり」を連ねます

フセンを使うのも良いでしょう。
「このフセンは『業界』だ、これは『経営者』だ、又『業界』か、これは『事業』だ…」

「知識」とは一線を画した形でアメーバ的にフセンを各章に割り振る感覚を掴めればシメたものです。
「章aを固めた後に章b」の手法では抜落ち・だぶつき・矛盾が生じ易い事、企業を診る上で『経営者~財務諸表』の何れにも優劣は無い事、上述の各「●」で、何がてんこ盛りやスッカスカの原因なのか、もうお解り頂けると思います。

マッピングは、財務分析の「成果物様式」として使えます。
文章にする際は、マッピングを踏まえさえすれば、惰性的にやっても意外に成り立つものです。
ましてや、早い段階でフォーマットを持つ強みは言うまでもありません。

てにをはや、知識ではなくマッピング。本当の財務分析はそういう所に関係する気がします。

追 記

「マッピング」が中学校の教科書(国語)に載っているのを見て、それを今学べる息子に羨ましさを伝えました。
尤も、当の本人はピンと来ない様子でした。
かつての自分然り、親の心子知らず、無理のない話かもしれません。

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