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【転職】成功の裏に隠された葛藤

前編の振り返り

※本投稿は後編になります。


当時働いていた会社は「ブラック企業」ではないが、
限りなく黒に近い「グレー企業」だった。
 ・残業時間は月70~80時間
 ・休日出勤は月1~2回
 ・残業代は全て支給だから高収入

平日はとにかく仕事、帰ったら寝るだけ。
週末はストレス発散のために飲み会三昧。
そして、また激務に戻る…この繰り返し。

痛みに鈍感になっていた私には「転職」という選択肢はなかったが、
同期のある一言で目が覚め、転職活動を開始した。


転職エージェントを活用し、
複数の企業に応募した結果、見事転職に成功したのである。

転職前後を比較すると下図の通りであり、
同じ日本企業とは思えないぐらい、働き方が変わった。

図 転職前後の比較

前編の詳細はこちら↓↓


転職活動に伴う不安や葛藤


転職活動を決意したとはいえ、初めての経験。

ただでさえ激務で睡眠時間が少ないのに
 ・求人選定、企業調査
 ・応募書類の準備(履歴書 / 職務経歴書)
 ・面接練習
 ・転職エージェントとの連絡
等、プラスαでやらなければいけないことが増えた。

転職エージェントが求人企業とのやり取りを代行してくれていたが、
身体的にも精神的にも負担が大きかった。

そして、いくつかの不安や葛藤に悩まされていたので、
その具体例と対策についてまとめていきたい。

1. 今より忙しくなったらどうしよう…


何があっても避けなくてはいけないのは
今の会社より条件が悪くなること

この「条件」とは
 ・給料
 ・スキルアップ
 ・人間関係
 ・残業時間
 ・企業ブランド
のように人によって様々だと思うが、
私が一番重視したのは「残業時間」である。

とにかく家族との時間を増やしたかった。
子供の時から思い描いていた理想の家庭像ではなかった。

ただ、SNSとかを見ていると、
今より忙しくて、残業代が出ない企業なんていくらでもある。
いわゆるブラック企業である。

一念発起してせっかく転職するのに、
「今より忙しくなってしまったらどうしよう…」
と不安になった時期もあった。


ただ、それは杞憂に終わった。
面接で聞きたい事は全部聞けるからだ。
 ・給料
 ・残業時間
 ・福利厚生
 ・リストラ
等、聞きたいことは全部聞いた。
そして、実際に包み隠さず全部答えてくれた。

長時間残業でリストラもあると回答してくれた企業もあった。

それだけ、企業側も相性が悪い人を採用するメリットはないし、
すぐ辞められても困るので、隠す必要がないのである。

もし、直接聞きづらい場合は
転職エージェント経由で聞いてもらえば良い。


2. 自分の代わりはいないから…


自分で言うのもおこがましいが、
仕事が比較的できるため、中心にいるような若手社員であった。

将来を期待されていたし、
そのうち管理職になるだろうなとは思っていた。

だからこそ、仕事はたくさん集まってくるし、
後輩を指導することも増えた。
結果的に残業時間が増えた という訳だ。

そんなポジションにいるからこそ
「自分の代わりはいないから…」
と葛藤していた時期があった。


そんなことを思っている人には
興味深い話を2つ紹介したい。

■Apple創業者 スティーブ・ジョブズの話
誰もが知っているiPhoneで有名なApple社。
「GAFAM」と呼ばれるアメリカを代表する巨大IT企業の1つである。

そのApple社を1から立ち上げ、
CEOを務めていたのがスティーブ・ジョブズである。
(つまり、とんでもなくヤバい人だ)

スティーブ・ジョブズ (出典:Wikipedia)

そのジョブズに変わって、
現在のCEOを務めているのがティム・クックである。

ティム・クック (出典:Wikipedia)

一時代を築いたジョブズがいなくなり、
ティム・クックに変わった今でも、Apple社は業績を伸ばし続けている。

つまり
あのスティーブ・ジョブズでさえ、代わりはいたのである。

自分はジョブズほど優秀ではない。
仕事ができると言っても、会社内の小さな部署単位での話。
レベルが違いすぎる。

だからネガティブな意味ではなく、
自分の代わりなんていくらでもいるのだ。

その一方で
家族にとって自分の代わりはいない

仕事と家族、どちらを優先すべきかは明白である。


■働きアリの法則
下図の通り、アリの世界では
 ・働きアリ
 ・普通のアリ
 ・働かないアリ
が2:6:2に分布するようになっている。

そして、これは人間社会でも2:6:2で分布すると言われている。
 ・優秀な社員
 ・普通の社員
 ・働かない社員 (指示待ち / ミスばかり)

図 働きアリの法則

ここで面白いのが、
「優秀な社員」だけを集めても
 ・優秀 → 普通
 ・優秀 → 働かない
に変わってしまい、最終的には2:6:2で分布するのである。

逆に、「普通の社員」と「働かない社員」だけを集めても
 ・普通 → 優秀
 ・働かない → 優秀
と変わっていき、2:6:2になる。

つまり、優秀な自分が仮にいなくなっても
うまくローテーションされるため、全く問題ないのである。


3. 給料が減るのは困る…


生活する上でお金は必須であり、
例え家族の時間が増えたとしても、
お金がなくて生活が困窮するのでは困る。

激務ではあるが、残業代が全て支給されるため、
世間的には高収入な方であると自負していた。

だから余計に
「給料が減るのは困る…」
と不安に思っていた時期があった。


しかし、厚生労働省の資料によると、
50歳未満の転職者のうち、約4割が年収アップしたとのこと。

私も実際に年収アップしているし、
何より残業時間が減っているので、上げ幅としてはとても大きい。

そもそも
内定時に具体的な年収を提示されるため、
現在より減るのであれば、転職しなければいい。

そう、転職すること自体はリスクを伴うが、
転職活動だけなら「ノーリスク」である。

図 転職入職者の賃金変動状況 (出典:厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/21-2/dl/kekka_gaiyo-04.pdf


4. 仲の良い上司や同僚に申し訳ない…


正直、これが一番悩んで苦しんだ。

会社に対しては不満が多いため、
どうなっても知らないし、興味がなかった。

会社を離れることに未練はなかったが、
プライベートでも仲良くしていた人達とは離れたくなかった。


前述した通り、日頃のストレスを発散するために、
週末は飲み会三昧。

いつも飲み行くメンバーは決まっていた。
夜だけでは飽き足らず、昼から飲みに行くこともあったし、
バーベキューやキャンプも散々やった。

とにかくプライベートはその人達で充実していた。
スマホの写真フォルダにはいい思い出でいっぱいだった。

そんな人たちに転職することを伝える。
これがどれだけ苦しいことか、辛いことか…


予想通り、反対する人が多かった。
それだけ期待していたのだ。仕事面でもプライベート面でも。
ずっと一緒にいるものだと思っていたのだ。当たり前の反応だった。

何度も説得された。
2人で飲み行くこともあった。

こんなに大切に思ってくれるのが嬉しい反面、
そんな人たちを見捨てる罪悪感、
家族を優先したいという信念、
いろんな感情がごちゃごちゃになっている毎日だった。

そんな時、
「俺たちを裏切るんだね」
という一言に、せき止めていた感情が噴き出し、
声を出して泣いた。

自業自得なのだが、涙を止められなかった。
それだけ、私もずっと一緒にいたかったのだ。

それでも
「家族を優先する」という苦渋の選択をした。


冷静になって考えると、
激務の私より、先輩や上司は忙しかった。

その人たちは将来の自分像だから、
定年まで激務であることが明白だった。

また、どんなに仲が良かったとしても、
一生一緒にいてくれる訳ではない。

だから
一生一緒にいてくれる"家族"を優先した。


おわりに


初めての転職活動。
成功の裏にはたくさんの不安と葛藤があった。

それでも挫けず行動したからこそ、
今の幸せな生活がある。


私はUVERworldが好きで、
子供が生まれる前は妻とよくライブに行っていた。

そのUVERworldに「Fight For Liberty」という曲がある。
転職活動のとき、この曲に勇気をもらえた。

永い間 雨に打たれ過ぎた
純朴な夢とその理想が 僕を裏切るカルマ
叶えたいことと叶わなそうなことが重なって見えるけど
人生が二度あるなら こんな険しい道は選ばないだろう
でもこの一回 たった一回しかチャンスが無いのなら
何もかも諦めて生きていくつもりは無い
後ろに明日は無い 力を宿せWAR

Anison!

 「転職先の残業は今の半分以下。でも給料は上がる」
と、同期が言った転職は叶えたい理想だけど、
 「そんな会社はあるはずがない」
 「仮にあったとしても、自分には転職できない」
 「今の会社で我慢し続けるしかないんだ」
と、叶わないものとして勝手に決めてしまいがち。

変化しない方が楽だから。
行動する方が辛いから。

人間として生きていく以上、
楽な方に行きたくなるのは仕方ないことだけど

人生は一度きりなんだ。

たった1回だけなら、困難なことでも乗り越えて行ける。
何もかも諦めていたら、絶対に変わらない。人生は好転しない。

明日からではなく
今日から行動しよう。


ぽん太
(3,731文字)


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