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ジョブ型雇用とポートフォリオワーカー;Background and Introduction

 研究者やエンジニアの新しい働き方を考える上で、ジョブ型雇用とポートフォリオワーカーという概念は重要な要素と考えられます。このNoteでは、まず、これまで日本で一般的な形態であるメンバーシップ雇用に対して、欧米で一般化が進んでいるジョブ型雇用の概念を説明します。次に、ジョブ型雇用の概念を取り組んだポートフォリオワーカーという新しい働き方を提案します。

 2021年現在、研究者やエンジニアにおきまして、わたしは完全なポートフォリオワーカーになることをお勧めしません。代わりに”意識のジョブ化+メインのジョブを軸にするセミポートフォリオワーカー”になることを推奨します。そのノウハウに到る前に、まずジョブ型雇用とポートフォリオワーカーについておさらいしましょう。

メンバーシップ雇用とジョブ型雇用

 メンバーシップ型雇用は、日本型雇用とも呼ばれ、新卒一括採用型の雇用システムを指します。一般に総合職として採用した人材を、ジェネラリストとして、時間をかけて育てていく雇用形態で、終身雇用や年功序列といった考え方と親和性が高いです。
 一方、ジョブ型雇用は、日本経済団体連合会(経団連)では以下のように定義しています。

特定のポストに空きが生じた際にその職務(ジョブ)・役割を遂行できる能力や資格のある人材を社外から獲得、あるいは社内で公募する雇用形態のこと
引用元:一般社団法人 日本経済団体連合会(2020)|採用と大学教育の未来に関する産学協議会・報告書「Society 5.0 に向けた大学教育と 採用に関する考え方」

 つまり、会社側から見たジョブ型雇用とは、社内外に関わらず職務・役割に合う人材を雇用・配置する形態と言えます。雇用される人財側から見たジョブ型雇用は、自分自身の専門性をベースにして、様々なプロジェクトごとに自分の時間を割り振って仕事をする形態と言えます。

ポートフォリオワーカー

 ポートフォリオワーカーは、複数のジョブを組みわせ、時代や状況に合わせてその組み合わせを変化させながら働く人です。ジョブを株のように捉えると、分かりやすいです。通常、複数の会社の株をポートフォリオとして持ちながら、状況に合わせて配分をコントロールして、資産が増えるように運用していきますよね。ポートフォリオワーカーも同じで、自分自身の価値や資産を増やすために、人生のステージや状況に応じてジョブのバランスを変えていく働き方と言えるでしょう。

 ポートフォリオワーカーは、ジョブ型雇用と相性が良く、ジョブ型の雇用の一つ一つをプロジェクト的に捉えて、複数組み合わせて働き方をコントロールすることができます。

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