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最近読んだ本の感想

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2021年2月の記事一覧

博士の愛した数式 小川洋子 感想

記憶が80分しかもたない老数学者「博士」、家政婦の「わたし」、10歳の息子「ルート」の3人の物語。

登場人物・博士→老数学者。交通事故に遭い、それ以降記憶が80分しかもたなくなった。子どもと阪神タイガースの江夏が大好き。
・わたし→29歳。10歳の息子がいる。女手一つで家政婦として働いている。博士の家に家政婦として派遣される。
・ルート→わたしの10歳の息子。頭のてっぺんがルート記号のように平ら

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かたちだけの愛 平野啓一郎 感想

交通事故で片足を失った女優と、その義足を作ることになったプロダクト・デザイナーの相良が心を通わせていくなかで、生き甲斐や愛とは何か?を見出していく物語。

おもろかった。特にグッときたところを抜粋。(※ネタバレあり)

久美にとっての愛自分のことより人のことを気にかける、みんなの幸せが自分の幸せ!って考えてそうな人って身の回りにいるよね?そういう人に親切にされた時、「いい人だ」と思うけど、なんかそ

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罪と罰 感想

ドストエフスキーの長編小説。めちゃめちゃ面白かった。個人的に好きな場面をいくつか抜粋してまとめた。※ネタバレあり

・あらすじ一つの微細な罪悪は百の善行に償われる、一部の特別な人間にはそれが許される、おれはその特別な人間だ、という理論で、貧乏な元大学生のラスコーリニコフは高利貸し老婆を斧で殺す。そこに居合わせた全然悪くない老婆の妹も斧で殺してしまう。ラスコーリニコフはその罪の意識や犯罪がバレてしま

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