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じっくり見て形を見極める絵本やおもちゃが集中力を育む

初出 2017/05/23 Blogger「PonoLipo 子ども Lab」

日本は自然豊かな国ですので、少し昔まで都会であっても自然と近い環境で子どもが育っていました。春にはつくしとり、夏にはせみとり、秋にはどんぐり拾いなど、細かく複雑な自然の風景をじっと見て、小さな特定のものの輪郭をキュッと捉えて見つけ出すということを、日常自然に繰り返し経験していくことができていました。耳を澄ませて五感を研ぎ澄まして、じっと目を凝らして、一瞬のうちに判断して行動に移す。自然の中で当たり前に育まれてきたこうした能力が、現代の都市化した子育ての日常では少し弱くなっているのではないでしょうか。


 都市化した環境で核家族で子育てする文化に先んじた欧米では、絵探しや細密画、だまし絵などの絵本がたくさん出ています。ごちゃごちゃと複雑な絵をじっと見て、その中から特定のものの輪郭を捉えて見つけていく能力を育む目的の絵本です。こうした能力を育むことが、発達上とても重要だという意識がベースにあるのだと思います。

 パズルもそうした趣向のおもちゃの一種です。絵探しの細かい絵の絵本はパズルブックといいますから、同じ趣向のものと考えられます。他にもステンシルのように輪郭をなぞらせるおもちゃも、実は同じ趣向のおもちゃといえます。最もベビー向けでは、形嵌めのおもちゃも、それぞれの形の輪郭を見極めさせるおもちゃとしては、やはり同じ趣向のものといえます。

 知育のためにとジグソーパズルをお求めになる方が多くいらっしゃいますが、「じっと見て輪郭を捉えて形態を把握する」という目的が同じであれば、その子の発達に合わせて、そうした趣向の絵本やおもちゃの中から一番その子にぴったり合うものを選ばれるのが良いと思います。

 「この子は、落ち着きがなくて」とご両親が悩まれているお子さんと接すると、まず「じっと見る」ということが、もうひとつちゃんとできていないというケースが少なくありません。自然の中で虫捕りしたり、どんぐりやつくしを採ったりすることが難しければ、パズルや絵探しの絵本などで、一緒に遊んであげてみて下さい。就学前の幼児期は、なるべく手指を使って、形の輪郭をなぞったり触ったりできるものを取り入れて、体験的に物の形と輪郭を捉えていくことが大切です。


 知育のコツは、目の前にいる子ども自身から考えて、もっともぴったり合う絵本やおもちゃを選ぶことが大切です。そして、パパ、ママ自身が気に入って、自然に子どもに話しかけられ一緒に楽しく遊べるものであることが重要です。パパ、ママが、感覚的に違和感を持ったり好きになれなかったりする絵本やおもちゃは、どんなに知育的な評価が世間一般では高いものでも、上手くワークしないと思います。

 パパ、ママも、それぞれ唯一無二の存在です。お二人から生まれた子どもも、また唯一無二の存在であり、この親子の組み合わせ自体も、世界でたったひとつの関係性なのですから、パパとママは自分達を信じて、喜びと幸福な気持ちをしっかり味わって、その子自身に真摯に向き合っていけば、それでいいのです。その子のその年齢のその時は、一度きりです。もう二度と戻ってこない大切な一瞬一瞬を存分に味わい尽くして楽しんで下さい。

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