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好みのお茶は、どちらの品種ですか?

連日お茶の話が続きますが、私の試験対策にもう少々お付き合いくださいませm(_ _)m


今回は緑茶の各品種の特性についてのお話です。

私は1年ほど前まで、緑茶も烏龍茶も紅茶も同じ茶の樹からできていることを知りませんでした。

チャの学名はツバキ属チャ節のカメリア・シネンシスです。

ツバキ属と聞いて納得です!確かにチャの硬くなった葉は、「椿」や「山茶花」に似ている上に、「山茶花」には「茶」という漢字も入っています。

チャの樹

このチャの樹カメリア・シネンシスはアッサム種中国種に大別されます。

アッサム種は主に紅茶用で、3m以上の高木で、葉が大きく耐寒性に弱く、亜熱帯や、熱帯で栽培されています。

一方の中国種は、主として緑茶用に使われます。ツツジのように幹と枝の区別がしにくい2~3mの灌木で、葉は小さく耐寒性に強い為、温帯で栽培されています。

また、両種の中間型に、中国小葉種・中国大葉種・インド小葉種・インド大葉種があり、このうちの中国小葉種の雑種が日本に伝わったとされています。

紅茶も烏龍茶も緑茶も同じ樹から〜と言いましたが、正しくは「品種違いの同じ植物」という意味の様です。


それでは、緑茶用として、日本で栽培されている品種を見ていきましょう。

日本で品種登録されているチャの特性を全て理解するには、数が多過ぎて、農業経験のない私には難しいので、代表的な品種と、製造後の特性をご紹介します。

【やぶきた】
2020年の農林水産省の調査では、全栽培面積の75%程を占めている代表品種で、品質がよく、収量も多く、生産が安定して作りやすい優良品種です。茶に疎い人でも聞いたことのある名前ではないでしょうか。

<外観>
形状が伸びた形で丸くよれ、締まりがあります。
色沢は鮮緑色で、煎茶として極めて優良です。

<内質>
新鮮な香りと優雅さを持ち併せた香気があります。
抽出された液の色(水色)は、力のある濃さをもち、味は甘味と渋味をバランス良くもち、品の良さを引き出しています。
「やぶきた」は、総合的に香味のバランスが良いです。

【ゆたかみどり】
早・中・晩生で言うと、早生種です。鹿児島県では「やぶきた」の面積32.3%、「ゆたかみどり」27.0%と、比較的栽培面積が大きい品種です。

<外観>
生葉は大きく葉肉が厚いので、形状はやや大形で、色沢は淡い黄緑色になりやすいです。
(ちなみに、茶の品質判定では、色沢は濃緑色か鮮緑色で艶のあるものが良いとされています。)

<内質>
タンニン(苦渋味成分)含有量が多いので香味が強く、うま味が目立ちません。水色においては濃度感があります。


【さやまかおり】
静岡県では、「やぶきた」90.5%に次いで、1.9%栽培されています。「やぶきた」より2~3日早い中生種です。

<外観>
「やぶきた」に比べ、葉肉が厚く、生葉の適期摘採を逃すと、外観は大形で色沢に黒みが生じますが、芽の数が多く、1芽の重さが多いので、形状の揃いは良い品種です。

<内質>
タンニン含有量が多いので、渋味が強く濃厚な香気を持っています。
水色はやや黄色みを帯びています。
(茶の品質判定で良いとされる水色は、煎茶では山吹色で澄み、濃さを感じられるもの。玉露やかぶせ茶の様に被覆栽培をしたものは、黄色みが少なく、彩度が低く、僅かに青みがあるものとされます。)


【おくみどり】
晩生種で耐寒性に強く、京都府では「やぶきた」61.4%に次いで11.9%栽培されています。鹿児島県でも4.8%、静岡県でも0.7%栽培されています。

<外観>
色沢が濃緑色で形状も良いが、冴え不足になりがちです。

<内質>
水色は青みがあり評価が高いです。
香味は爽やかですっきり感があります。
水色・香気・味にバランスがあります。


【さえみどり】
「やぶきた」と、天然玉露といわれる濃厚なうま味をもつ「あさつゆ」のかけ合わせ品種で、鹿児島県では「やぶきた」「ゆたかみどり」に次いで13.1%栽培されています。

<外観>
色沢は鮮緑色で、冴えがあり優れています。

<内質>
上品な香りと渋味の少ないうま味をもっています。
水色も、やや青みがあり優良です。

以上の5品種が、全国で2%以上普及している品種となります。

市販のお茶のパッケージに品種まではほぼ表示されていないので、判別する事はなかなか難しいのですが、お茶専門店等で購入した場合は、もしかすると教えてくれるかもしれません。(私は聞いたことがないので、分かりませんが・・)

ちなみに私の好みは、うま味よりも香味が強く、水色も見た目がThe•黄緑の方が好きです(о´∀`о)

こんな感じです

この5種で言うと、「ゆたかみどり」かもしれません。


人それぞれお茶に求めるものは、うま味•苦味•渋味あるいは、淹れた時の色や、緑茶らしい香りであったりと好みが違ってくるので、自分の好きなお茶探しもひとつの楽しみではないかと思います。


最後までお付き合い頂きありがとうございました。





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