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シザーハンズ 【久しぶりのファンタジー】

中学生時代の黒歴史の一つといえばプロフィール帳。

その “好きな人”の欄には多分「ジョニー・デップ」って書いたと思う。

若かりし頃のジョニー・デップのその美しさときたら。今でもグーグル検索とかでたまに検索して「眼福〜♡」なんてしています。暇人です。

だから、好きなタイプ=ジョニー・デップ、で全然問題ないのだけれど。

しかし当時周りの中学女子たちに、“ジョニー・デップ”ってあんまり伝わってなかったかもな、と今さら思うんです。映画好きならいざ知らず、「ジョニーデップって誰?ディップ?リッツにつけるやつ?」みたいな。
「こいつ変わってんな」
って思われてただろうね、多分。


「シザーハンズ」を数十年ぶりに鑑賞いたしました。

のっけからティム・バートン臭でした。
不気味かわいい度★★★★★

序盤、暗闇で立ち上がり近づいてくるエドワードはやっぱちょっと怖いものが。
わたしだったら絶対逃げる。
ヤバいやつ来た!って。絶対思う!
だって両手があんな尖ってるのよ。
途中「サイコ」とか、なにも知らない人に
心ないことを言われるけど、
実際、こわいんだわ、ギョッとするんだわ。

でも彼女優しかったね。ペグね。
「行かないで」って一言
エドワードから言われて(寂)
よく見ると優しい目をしていたね、エドワード。
ペグは最初こそ恐れたけど、それで連れて帰っちゃうんだから、すんごいファンタジーな展開だと思う!素性もわからない人を!

ペットの毛は失敗せずに切れるハサミ捌きなのに、自分の顔は不器用に傷つけてしまうエドワード?一緒に店の下見に行くのはペグじゃなくて危ない女、ジョイス?そしてその巨大な氷はどこから?

ツッコミどころが満載だ。
だがわたしはこの映画を見るにあたって必要な「ある視点」をどっかに忘れたまま見ていたことに気がついた。
そうだ、これはあくまで「ちょっと不気味で不思議なファンタジー」なのだった!そうなのだ。
ちなみに、「ハリーポッター」とか「ナルニア国」みたいな緻密さとは無縁のファンタジー。

「そうかこれは絵本なんだ!果てしなく絵本に近い!」
そう思えば合点がいった。
絵本は、1ページめくれば翌朝だったり、さっきまで家にいたけど急に屋外だったり、さらには主人公が子供から大人になっていたりする。絵本における1ページの重みといったらない。

この映画は端折られている部分がたくさんあって、きっとジョイスがエドワードを襲いたくて長い押し問答の末無理くりエドワードと二人きりになる時間を作ったのだ。きっと、あんなにダメに見えるオヤジでも巨大な氷をどっかから運んできたんだ。間違いない。(しかしオヤジの使えなさってのは世界共通なのか?)

街の噂好きで人間味あふれすぎる奥様方や、エドワードを悪用しようとする“ビフ”的な(ごめんなさい、わたしは暴力的な学生キャラクタを全員「バックトゥザフューチャー」のビフ・タネンに例えてしまう癖が)あいつらも、よく考えると分かりやすすぎる悪役。
シンデレラにおける継母とその娘+いけすかない猫、みたいな味付けと同じようなもんだ。

剪定された木や動物など可愛いし、近隣住人のヘアカットもおもしろすぎるので
「これはうちの子に見せるべきファンタジー映画だ!」
と心の中で内定を出していたのだが、話の中盤から雲行きがどんどん悪くなり、誤解に誤解が重なってエドワードの立場がどんどん悪くなってゆく。なぜ誰もエドワードをかばわない?本当のことを言ってやれよキムよ、ケヴィンよ!
救いようのない寂しさMAXの結末を迎えたところで先程の内定を保留にした。
けっこう辛い話じゃぁねぇか…

キムは最後、
「愛してる」ってエドワードに告げるけど
ほんまかいな?!
こんな短時間で?!
まだそんなにお互いを知らなくない?!

すぐまた現実の視点から映画を見てしまう自分だ。確認するが、これはファンタジーなのだ! 
1ページの重みが違うのだ!
色んな意味でわたしは寂しさに包まれた。


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