ベガスでダンス
80〜90年代の映画が一番面白いと思うんだけど、それは自分がその頃に生まれ、幼少期にたくさんの映画から刺激を受けたせいなのかなとも思う。
70年代に青春を過ごした人はその頃に、それが60年代ならその頃が、その人の“映画のいちばんいい時代〟になるのかもしれない。
近頃は「見た気になってるけど実はちゃんと見てない映画」を見るのがテーマのわたしですが、昨日は「レインマン」(1988)。
車の販売業を営むチャーリー。彼の会社は火の車で、金銭的に苦しい状況にあり終始イライラ。そんな彼の元に、父親の訃報が届く。父の残した遺言状によると、チャーリーへの相続は父の車と庭の薔薇のみ。あるはずの多額の遺産が渡る先は、今まで存在すら知らなかった自閉症の兄の元だった…
というお話。
じぃん。
見終わってみて、涙ぶぁーーーて感じではなかったのですが、じぃんと。それはこの映画がすごく、リアルだからじゃないかなぁって。
実際、自閉症の兄のその存在を知ったからって、そう簡単に受け入れられるものじゃないし、向き合えないと思うんです。
ただチャーリーに関しては当初、金目当てで誘拐同然に兄のレイモンドを施設から連れ出すというサイテー男で、だからドラマが始まるわけなのですが…
物語が進むに連れて、いろんな事実も判明していきますが、すごく劇的で大げさな出来事や大事件が起きるわけじゃない。劇的変化するのは、チャーリーの内面の方だから。
結局このお話は「チャーリーの心の成長」、その一点に尽きるのだと思います。ラストはレイモンドから“メインマン”と呼ばれるほどになるチャーリー。だけどそれは二人の努力ではなく、チャーリーの歩み寄り、チャーリーの学び、チャーリーの成長、の結果なのだよね。
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