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LAMB/ラム 【タブー映画】 ※激しくネタバレ

「LAMB/ラム」(2021)を観ました。

※Filmarksより

製作・配給会社「A24」の名が出てくると、観ないではいられない。母があらすじを読んで「ヤダァ〜、なんでそんな怖い映画作るん」と言ったその直後に、自ら再生ボタンを押す。それが答えだよ。結局みんな観たいのよ。こーゆーのが。

最初、見るからに賢くていい子そうな牧羊犬が出てきた時「あぁ、死なないでほしい」と思った。いい奴は死ぬ。ホラー映画のセオリーでないかい?

これまた人によってバッサリ感想が分かれそうなこの映画。母は「ぜんぜん怖くないじゃん」と拍子抜けしてた。普通のホラー映画を見る感覚でいるとがっかりするかもしれない。「A24」と聞いてアリアスター監督と勝手に結びつけていたわたしも「なんこれw」と最初は思った。ストレートに怖がりたい人には不向きかも。

考察好きな人には好きな映画かなと思う。
めっちゃネタバレしちゃうけど、
『わたしはこう受けとった』
てところを書いておきたいと思う。

今回わたしがいちばん言いたいのは、この羊小屋を管理する夫婦「マリア」と「イングヴァル」のこと。
この夫婦は、お互いタブーを犯し、それを隠しているのではないか。

マリアの犯したタブーは映画の中でわかりやすいです。それは夫イングヴァルの弟との不倫だろうと推察されますね。
それに対してイングヴァルの犯してしまったタブーはなんなのか。
それは羊と交わってしまったことではないかとわたしは思うわけです。

マリアが一人でベッドに入り、イングヴァルが一人で羊小屋にいるシーンがあります。何を考えているのだろうか分からないが、意味ありげな後ろ姿。溜まった水桶の水面にイングヴァルの黒い顔が映っています。
その後すぐ、先ほどの水桶(土管みたいな)に入っていたホースの映像。ホースを引き上げると中に溜まった水がちょろちょろと流れ出る。
以下、言葉が下品で申し訳ない。
「イングヴァル、あんた、羊とヤっちゃったんじゃなかろうね?」
とここまでの流れで思ってしまったわたしです。

その後羊が羊人間を産み落とし、それを我が子のように可愛がるマリア。その流れで、イングヴァルが、トラクターに乗って一人で泣くシーンがあります。マリアに隠れて、です。
幸せで泣いてるようには見えなかったな。
で、こう思ったわけです
「イングヴァル、あんた、自分が羊とヤってしまった(タブーを犯した)せいで羊人間が産まれたと、後悔しておるのじゃな?」

わたし、最初アダが生まれた時に、イングヴァルが羊と交わった(タブーを犯した)からこの異形が生まれてしまった?と思ったのです。が、いや違う、アダは正真正銘最後に出てくる「ラム男」の子供です。

ここで冒頭のクリスマスの日のシーンに戻ります。「得体の知れないなにか」が羊小屋にやってくるシーンからスタート。羊がバタって倒れる。「なんかされちゃった」感。
これは、ラストシーンに出てくる「ラム男」が羊小屋の羊と交尾?した、てことでいいと思います。後にこの羊から生まれてきたのが羊人間の「アダ」なのだろう。羊の頭と人間の体を持ったアダです。

だから、イングヴァルは、自分を責める必要は無かったわけです。
結局最後、イングヴァルはラム男に殺され、アダは真の父親(ラム男)に連れ去られ、マリアは全て失って一人きり。おしまい。です。

※さっきから「ラム男」と何度も書いてますが、=羊の頭を持った人間。大人サイズ。全身焦げ茶色の毛が生えている。

タブーから生まれた羊人間アダは、結局奪われてしまうという構図
ここから、マリアとイングヴァルの亡くなった娘「アダ」も、実はタブーによって生まれた子だった、だから失うことになったのではないかという関連想像もできます。(個人的には、亡くなった娘と同じ名前を羊人間につけてる時点でアカンと思う)
つまり、亡き娘アダは夫イングヴァルの子ではなく、マリアの不倫相手である夫の弟ペートゥルの子だったのではないかという推測です…

娘が亡くなった原因は映画の中で触れられることはありませんが、唯一「娘アダ」をイングヴァルが必死で探すシーンが一瞬あります。(沼地?みたいなところで)
ここから娘は、病死ではないと予測されます。
じゃあどうして死んでしまったのか。
もしかしてもしかして…
「マリアさん、あんた、不倫相手(夫の弟)との間に出来た子だからって、罪の意識から実の娘を殺めてしまったのではないでしょうな…?」

あぁ〜〜〜〜〜
止まらない〜〜〜〜〜
想像が止まらない〜〜
この辺でやめときましょう。

普通のホラー映画みたいにゾワゾワしないからって、面白くないとは限らない。実に奥のふかぁい、作品でありました。





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