鼻血を出した生徒には教師は何もしない。
前に書いた話の延長線のような話ですが、ある生徒が鼻血を出したようで、私のところに「ティッシュを持ってませんか」ときました。
複数人の教師で授業展開していたので、ティッシュを取りに職員室に向かおうとしたのですが、周りにいた子達に『誰かティッシュを持ってる女子力高い子いない?』と聞いてみました。
すると複数名の子があるよーってティッシュを渡してくれます。一人だけで十分だったんですが、この際みんなからもらおうと思い受け取りました。
鼻血を出した子は後輩だったので、先輩がくれたよ、お礼を言おうねと言うと素直にありがとうございましたと答え完結。
授業終わりにティッシュをくれた複数名に『ありがとうね、助かったよ』と言うと喜んでくれました。
たったこれだけのことです。
私がティッシュを取りに行っていたら何も生まれませんでした。
これが教育なんだと私は思うのです。
人は人との関わりに傷付き迷い、苦しみます。
でもそれを癒してくれるのもまた人の温もりなんです。
上手じゃなくていい、でもありがとうを言える、それが人の心を育むことなんだと思います。
もう5月も終わろうとしています。
生徒たちは少しずつ疲れてきています。
そんな中で我々教師ができることは、一緒にいる間にどれだけ笑顔にしてあげられるか、それに尽きると思います。
一人でできてしまうことも、複数人でやればそれもまた思い出です。
そのきっかけはいつも突然に訪れ、瞬発力が必要です。
普段からアンテナを高くして子ども達が何を望んでいるのか、そしてそれに応えていく。そんな簡単なことではないですが、そう思う心が大切なんだと思います。
あいつはできない、信用できない。そんなことばかり職員室では飛び交います。
でも、そんな人はきっと何も得られないと思います。
きっと教師になってる人は私なんかより遥かに賢いでしょう。
でも人の心に寄り添うのは賢さではなく優しさだと思います。
ティッシュをくださいと言われたらどうしますか?
渡す、渡さない、誰かにもらう。いろんな方法があります。
その時々でチョイスを間違えないよう、日頃から生徒と仲よくなっていると楽だし、私は楽しいと思います。
成功かどうかじゃなく、楽しみ選択をしたらいいんじゃないかな。
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