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No.6 わがままタイプ別ボキャビル法【教えて!ゆずぽん】

【まえがき】

明けましておめでとうございます。
本年めでたく三十路を迎える柑橘です。いつまでこのノリで生きていくことが許されるんだろうか、いやでも私の人生目標は、ワンピースのドクターくれはとか銀魂のお登勢さんみたいなイカしたババアになることなので、まあ誰がなんと言おうと天上天下唯我独尊ってことで睦月になろうが引き続き突っ走っていくので本年もよろしくお願いいたします。

新年早々絶好調でお送りしています、ゆずぽんのnote。この巫山戯倒したテンションとは裏腹に、今日のテーマは結構役に立つであろう内容となっております。

英単語の勉強方法(持論)

新年の抱負に「今年こそ英語の勉強をがんばる!」と大変抽象的な目標を掲げていらっしゃるそこのあなたのために書き上げました。
でもちゃんとカッコ書きまで読んでね、あくまでもこれは持論です。一応脳科学とか第二言語習得論とかをベースにしてはいるものの、別にこれを「誰でもできる、一番いい方法だ!」などと誇張する気などさらさらありません。

巷でよく言われる勉強方法がどうにも続かないとか、ちょっと自分の勉強の仕方に変化をつけたいとか、そういう時の一つのヒントになれば、くらいですから。今まで受けてきたボキャビル系の相談をまとめました。

これ読んだからって幼児期の語彙爆発が起こせるわけじゃないので、そこんところご了承の上読み進めてくださいね。いつも言ってるつもりですが、今の私が使える”魔法”は、山道を登らずに山頂までワープさせるものじゃなく、のぼんなきゃいけない山道を、登ってるしんどさをあまり感じないように、なんなら楽しくするものだからね。どう足掻いても足を動かすのがあなた自身であることは変えられません。TOEICの代理受験もしてあげられません。意味ないし。

とまあ、王道テーマを新年早々ぶち上げるのにビビり散らしてるが故の前置きの長さだとバレる前に本題に入りましょう。でもだって怖いんだもん、一部の英語界隈の人。


【ぼきゃびるってなぁに?】

とりあえず、サムネの小さい方の問いにお答えするところから始めます。

「ボキャブラリー・ビルディング」の略。語彙増やす語彙力増強意味する表現

Weblio辞書より

Vocabulary Building の略称ですね。日本人お得意の、2単語の頭二文字ずつとってくるやつです。ブロックを積み上げてビルを建設するように、単語という名のブロックを積み上げて、自分だけの英単語タワーを作る、みたいなイメージ。
英語圏ではvocabulary develpomentと、building以外の単語と組み合わせて同じような意味を表現することもあります。多分devepolmentだと先の「四文字に略す」がうまくできなかったから日本語ではbuildingが採用され、それなりに広まったのでしょう。言いにくいもんね、ボキャデベだと。かといって英語っぽく発音しようとしたらボキャディベってなって、やっぱりなんか語呂悪いよね。キャッチーって大切。

てことで、この記事では特別な方法論とかではなく、「英語の語彙を増やすこと」をボキャビルと呼んでいきます。どっかのビル名ではないからね!

【わがままタイプ別ボキャビル法5選】

一応お役立ち系記事を目指しているということで、それっぽいタイトルをつけてみました。

目次がそのまま「こんな人におすすめ!」を表しています。
そのほか、やり方・理由・注意点などを紹介しています。

【1. 可愛くないとやる気が出ない!】

ケアンズでワーホリライフを始めてから編み出した方法です。
学んだ単語を収集、まとめていくんですが、あるものを使うだけでぐっとやりやすく、そして便利になります。

この作戦の要はなんと言っても、
「開きたくなるアドレス帳を入手すること」
文房具やノート、そのまとめ方なんかにこだわりがあるタイプの人(または学生時代そうだった人)におすすめです。

この方法最大のポイントは、英語圏のアドレス帳を使うということです。

これは、私のボキャビル実体験から来ています。自作の単語帳やノートに知らない単語をまとめていくのはいいのですが、1つ問題が。

検索ができない。

じゃあスマホのアプリを使えばいいと思う人もいるかもしれません。それでうまくいく人は構わないのですが、私はそれができません。理由は至極単純で、気づくとSNSを指が勝手に開いているから。そう、気が散りやすいんです、この柑橘は。

好きなアニメが流れてる部屋で勉強なんかできるわけないじゃん!!

もはや携帯”電話”であることすら忘れ去られそうな勢いで多機能になっているスマホですが、1つのデバイスでなんでもできてしまうからこその弊害もあります。だからこそ、このデジタル時代に、あえて「ボキャビルセット」をアナログで作っておくことで、「これを出したら英単語の時間」と、脳みそを切り替えるというわけです。

この時のノートをアドレス帳にすることで、自分だけの収集した英単語を、アナログで、アルファベット順にまとめておくことができます。

収集例

この画像のように、アドレス帳の各項目をアレンジして使っていきます。
nameには単語を、addressには意味を、phoneには発音、e-mailには例文といった具合です。1単語に避けるスペースがあらかじめ決まっているので、本当に必要な情報だけを厳選して書き込まないといけないので、「せっかく調べたから」と、あれこれ使いもしない情報まで書き込んでしまうこともありません。というかできません。

収集する題材はなんでもOK。可愛い絵本を1冊買って読みながら単語収集するもよし、私のようにタロットカードやオラクルカードを英語版で購入し、その解説を読み進めるもよし。ネットフリックス、英会話レッスン、とにかく「楽しくやる気になれるもの」であればOKです。

ワークショップに参加してくれた方の声

これをやる時の注意点もお伝えしておきます。もう触れたやつもあるけど。

  • 書き込むものは使いそうなものに厳選する

  • 1日5個までとか制限をつける

  • 定期的に調べたものを読み返す

この3つ。
せっかく"アドレス帳"を使っているわけなので、収集する単語たちは、あなたの「新しい友達」だと思ってください。仲良くなれそうもない(使う気のしない)単語を書き留めたり、むやみやたらに1日に何人(何単語)も一気に集めたりしたくなる気持ちはわかりますが、それははっきり言って自己満足でしかありません。

ボキャビルとは、単語1人1人(あえてこの単位を使いますが)といかに親密度を高めるか、いわば好感度UPゲームなのです。1回会ってちょっと挨拶しただけの人のことをいつまでも覚えてる人なんてあんまりいないでしょ。単語もそれと同じと考えれば良いのです。

【2. 机に向かうとか無理!】

今度はどちらかというと1つ目とは真逆で、腰を据えての「お勉強お勉強した英語学習」にアレルギー反応が出てしまう人のためのボキャビルをご紹介します。

これは結構いろんな人が言ってることでもありますが、好きな映像作品を英語で観る。
プライベート空間が確保できる人は、これをさらにレベルアップさせてください。完コピする。

特定の好きなシーンや、セリフだけでもいいので、表情まで同じように再現してみてください。コンテンツは、すでにストーリーを知っているもの、何度か見ても飽きないものをおすすめします。

これは発音や英語特有のアクセントなんかも一気に身につくので、英会話を伸ばしたい、でも文法とか問題集とかマジで無理、という人にはおすすめです。もちろん、1の方法と組み合わせてもOKです。

ネットフリックスをはじめ、いくつかのサービスでは日本のアニメやドラマも字幕や音声を英語に変えられるので、それをイントネーションや声の高さまで完コピしてみてください。自分の好きなシーンが英語だとどんなふうに表現されているか、その違いに触れるだけでも色々な発見があります。

無理に洋画や海外ドラマに挑戦しなくていいです。好きならもちろんいいですけどね。楽しく飽きないこと、とっかかりへの抵抗を極限まで軽くすることが継続の秘訣です。私は最近、刃牙とか終末のワルキューレでこれをやってます。「使う場面ないな〜」と思っても、好きなシーンだったりするとノリノリでやれて、楽しいので良いのです。吹き替えしてるのはネイティブだもん、問題はありません。

このくらいハードルを下げておくと、ちょっとやる気がある日に洋画とかTEDとか、ネイティブの、ちゃんと口元が見えるコンテンツでシャドーイングした時にめっちゃ誇らしい気持ちになれます。

注意点は、
気に入ったらボキャビルに使うから〜と、完全日本語でコンテンツだけ大量消費してしまわないこと。
絶好の言い訳にできちゃうので、コンテンツ探しから始めちゃダメ。とりあえずストーリーを知ってるとか、面白かったコンテンツの言語設定を変えてみるところから始めましょう。

言ってしまうと、これは英語学習の中でも鉄板中の鉄板、シャドーイングです。聞こえた側から真似していくやつね。ただ、音声を追っかけて真似している人はいても、完コピまで目指している人はあまりいないのではないでしょうか。

余談ですが、私は気分転換にゲーム実況者のキヨ。さんの動画でシャドーイングをすることがあります。英語、というかコピーの練習です。意味わかんないでしょ。でも彼は実況しながら一人で何役ものアテレコもこなすので、完コピしようとすると意外と神経を使うんです。何分かやった後は、「…私何やってんだろ」と可笑しくなってしまえるので、よかったら一度やってみてください。おすすめはProject Make Overの実況動画です。

【3. 人と喋りたい!】

おベンキョーはいいからとにかくわしゃあ喋れるようになりたいんじゃ!!!実践こそ最高の訓練!

みたいな羞恥心という厄介な感情をかなぐり捨てている人、もしくはハナからそんなもん持ち合わせとらんわ!という人にはこちら。そもそもそんな人がこんな記事を読むとも思えませんが。

じゃー喋っといで!!!

流石にこれで終わるわけにもいかないので、私も実践している英会話内でのボキャビルをご紹介します。

会話の中でわからない単語が出てきたら、
What does it mean?(ワッ ダズィっ みーん?)
と、意味を尋ねます。それでもよくわからない場合は、
How do you spell it?(ハウ ドゥーや スペリッ?)
と、綴りを聞くなり、スマホに打ち込んでもらうなりしましょう。

ここからが一番大事なのですが、意味がわかったら、「へー」で終わりにしない。
Let me make a sentence!(れっみー メイか せんてんs!)
と言って、自分でも文を作ってみてください。
その場でそこまで時間がなければ、後でもいいし、最悪確認できなくても良いのです。大事なのは、「自分でも使ってみるとこまでやる」ということ。

単語だけ直訳と一緒に頭に入れたって、使い方の知識はまた別ものです。だから、使うとこまでやりきってください。別に何も記録しなくてもいいからさ。

大体の人にとって、英会話ってひとつの目標になっていたりするので、これといった注意点はありません。強いていうなら、学んだ後に念の為一般的な意味を確認はした方が良い、ということでしょうか。
個人から単語を学ぶときは、あくまでもそれが「その人にとっての使い方」でしかない可能性があり、学習者が使うとちょっと違和感がある、ということもあるため、ネイティブから教わった!というだけで鵜呑みにしてしまうことのないようにthisましょう。

一例として、私(Yuzu)がケアンズの地元民(Fin)と海へ遊びに行った時の会話をご紹介しておきます。いつも通り記憶を基にした再現会話です。

Y: We arrived at Ellis Beach! The ocean is…not so clear though.
 How do you say when the water is not clear like now? Do you have any adjectives?
F: Um…I usually say "murky".
Y: Murky…sounds like muddy! Do you also use it for some drinks?
F: Yes you can though we usually say murky about water, like the sea or rivers. But if coffee is murky, it means it is supposed to be clear but it's not. 
Y: Ah, so "murky" has a negative meaning.
F: It's case by case, could be neutral, but normally we say murky in complaining.
Y: Then, latte is not murky though it's not clear because the color is just as it is.
F: Yep. Latte is not murky.

Y: エリスビーチについたね〜!海は…そこまで透明ってわけじゃないけど。
 そういえば、水が今みたいに透明じゃない時って何ていうの?なんか形容詞ある?
F: んー、俺は普段マーキーっていうかな。
Y: マーキー…マディみたいだね!これ、飲み物にも使うの?
F: 普段は海とか川とかの水に対していうけど、まあ飲み物にも使えるよ。けどたとえばコーヒーがマーキーだったら、本来は透明なはずのものがそうじゃない、みたいなことだね。
Y: あー、じゃあマーキーはネガティブなニュアンスなんだね。
F: それは場合によるかな。ただ単に濁ってるって言うだけってこともあるけど、でもまあ大体は文句を言う時にいうかな。
Y: じゃあ、ラテは透明じゃないけどそれが普通の色だからマーキーではないんだね。
F: そうだね。ラテをマーキーとは言わないな。

こんな感じで、使い方とかその単語のニュアンスをその場であれこれ聞いてしまいましょう。こんなに喋れん!という人、もしくはちゃんと調べたい人
には、おすすめの方法があります。

Google画像検索です。

その単語の日本語での対訳ではなく、”雰囲気”を掴むには、こいつが最強。
試しに、murkyをGoogle画像検索してみます。

謎のポケモンみたいなのが混じってますが、どんな感じの水をmurkyと呼ぶのかはざっくりイメージが掴めましたよね。
ポケモンもどきもmurkyって名前らしいので、一応観察してみると、確かに綺麗な湖とかよりはAmazonとか、湿地帯みたいな透明度の低い水の中にいそうな気もします。

さらに、検索ワードの入力欄と検索結果の画像の間に、関連した検索ワードも出てきますね。そこからみても、murkyという単語は池や湖のような「水たまりの水の濁り具合」について話をすることが多いとわかります。友人の言ってることはあってましたね。飲み物に使うか聞いたときの答えも「you can」だったので、「通じないことはないよ」くらいのニュアンスだったのだと思います。

もちろん画像ではない普通のGoogle検索をすれば定義を読むことはできますが、ぶっちゃけ言葉の意味を言葉で説明されるより、画像の方がわかりやすいことは多々あります。名詞や形容詞なんかは特に画像検索をお勧めします。意味の似ている単語の違いを比較するときなんかは特に、定義よりもそれぞれの検索結果をざーっと見比べる方が効果的なことがあります。その単語の意味を覚えたいというより、使いたいわけなので。

個人とやりとりして得た新しい単語を、画像検索で確認(イメージを固める)すると、即戦力になる単語を増やせますね。その後また同じ人と会う機会があるなら、「こないだ教わった単語まだ覚えてるよ!」とか、なんかまたその話題に触れたら人身掌握までバッチリです!

【4. 理由が知りたい!】

3のようなタイプとは対称的に、頭でっかちというか、理屈っぽいというか、「納得できないと先に進めない」タイプにお勧めなのがこちらです。

芋づるを自分で編む

連想ゲーム方式に、単語を知っている知識と紐付けながら覚えていくやり方です。

単語には、接辞や語源などの「なぜこの単語がそんな日本語訳になるのか」の答えが説明できるものがあります。

 ボキャビルの王道の一つだと思いますが、私もお勧めしたいのが接頭辞・接尾辞までは分解してみること、そしてそれらの意味を頭に入れていくことです。接辞、というと途端に「おベンキョー…!!」と拒否反応が出てしまう方がいるかもしれませんが、接辞は、英語での部首だといえば、どうでしょう?

鮪・鯖・鰆・魳
これらの漢字自体は読めなくても、何となく魚を表す意味なのは推測できますよね。これと同じです。

単語の終わりが-bleのものは「できる」
in-/un-から始まる単語は、「〜ない」のことが多い
-erがつくと「〜するもの、人」

とまあ、有名どころならこんなところでしょう。
漢字を部首と作りに分解するように、英語もメインとなっている単語とその付属品、みたいに分解できるものがあります。長い単語は基本的に組み合わせで意味が推測できることがありますので、試してみてくださいね。

そのほかには、話題のネタの語源を遡ってみる、というのも面白いですよ。
たとえば、もうちょっと過去の話になってしまいますが、コロナ禍で一般的に広まった単語として、quarantineがあります。隔離期間とか、検疫一見するとまったく馴染みがないように見えるこの単語、実は「40」という意味だったんです。英語で40はforty。fourtyと書いてしまうスペルミス誘発単語として中1のテストなんかではよく出題される数字なんですが、まあそれは置いといて。

fortyとquarantineって、一見似ても似つかないけど、実はちゃんと繋がってます。
ピザなんかで、「4」種類のチーズを使ってるピザとか、
オーケストラなんかにちょっと興味がある人なら、「四」重奏をなんて呼ぶか、とか、
この辺は日本人が英語以外で「4」絡みの単語を取り入れている例ですね。

ドミノピザなんかにもある「クアトロフォルマッジ」は、Quattro Formaggi
四重奏はカルテットで、quartet
そして検疫・隔離期間を表すのは、quarantine

ね、「4」が見えてきませんか?
この3単語は、すべてイタリア語語源と言われています。日本語では「クアトロ」「カルテット」「クアランティーン」なんて、あまり共通点がなさそうに見えますが、アルファベット表記にしてみるとちゃんと似てるんですよね。

この類の「芋づる」は、雑学が好きとか、それを人に披露するのが好きな人にはお勧めです。

こんな風に、納得すれば覚えられる、という人には、少し単語を深掘りしてみることをお勧めします。
こいつらスペル似てるけど意味になんの繋がりも見いだせない……でもなんか繋がってるのか?

そんな「素朴な疑問」を無視せずに、ちょっとだけ検索してみると、意外な共通点があったりして、「へぇ〜!」と意外な発見があります。
たとえば、「タイヤのパンク」と「時間を守る人」には、英単語的に共通点があるんです。気になる人はこちらの記事をどうぞ。

注意点としては、この手のネタを披露するのが好きなだけの「妖怪・ザツガクヒロー」にならないこと。小ネタが好きな人同士で楽しみましょう!

【5. そうは言っても試験がある!】

最後は「やりたいかやりたくないかに関わらず、受けるって決まってるテストがあるからその対策としてもボキャビルしないといけないんじゃ!」というちょっと切羽詰まった人向け。もしくは定期的に鈍らないようにテストを受けることを自分に課している物好きのためのヒントです。

教材の選び方とか、おすすめとかをするつもりはありません。何か攻略したいものがあるなら、そのテストの対策本でちゃんと勉強することをお勧めします。英語テストは一般的な英語の運用能力を測るものもありますが、テスト、という正解不正解や得点がつくものである以上、ある程度の決まった形式が各テストに存在し、そして形式が存在するということは攻略法もまた存在するということ。

さて、その後の「このテストに必要な単語帳」を手に入れたら、もちろん理想としてはそこにある単語全てを暗記することができれば、理論上はテスト問題全ての単語がわかるわけなので、あとは読解力とか、文法の問題になりますね。まあそんなのあくまでも机上の空論ですが。

ここでは、手元にある単語帳を出来るだけ「進歩を見える化」した使い方をご紹介します。私が英検のボキャビルをしていた時に編み出した方法です。
名付けて、

友達100人大作戦

ふざけてません。
①の方法でも少し触れたように、私はボキャビルを友達作りだと思うようにしています。そこで、単語帳の1単語1単語と「友達になる=顔(英単語)を見たらすぐに名前(意味)を呼べる」ことを目標に進めていくわけです。

ただ、その進め方にちょっと一工夫しています。
必要なものは、単語帳と、細い付箋100枚。百均に売ってるような細くてフィルムタイプのものが良いです。よく単語帳に貼るやつ。

こういうやつね。たまに2.3枚一気に出てきちゃって「んんっ💢!」ってなるやつ。

よく見かけるやり方としては、「一旦知らない単語全部に貼ってしらみつぶしに取っていく」なのかなーと思うのですが、これ、やる気の炎が常に風前の灯のような儚さの人間には、絶望でしかないと思うんですよねー。そう、私のことです。

よーしこれ全部覚えてやるからな!
よりも、
うわ、まだこんなに覚えないといけないのか……

とゲンナリしてしまうことの方が多いです。今でこそ大好きな英語の単語帳ですら、そうなんです。しかも、進捗が見えづらい。さらにいえば、最初の方に覚えたと思って付箋をとった単語も、しばらく確認しなくなったら忘れる。

妹はこのタイプでした。単語帳の厚さを倍にするところから始めるやつ。
私にはできないので尊敬しています。本当に。

この「友達100人大作戦」は、私のようにやる気持久力がない人むけです。

準備はたったの2ステップ。

①単語帳の最初から赤シートで意味を確認し、「友達レベル(単語を見たらすぐに訳が浮かぶ)」もの以外には付箋を貼っていく
②100枚目の付箋を貼ったところに、その日の日付を書く。

大抵の単語帳には通し番号が振ってあるので、この時点で知っている単語の量によって進めた位置が変わります。1単語も友達でないのであれば、1〜100番目の単語に付箋が貼られるでしょうし、1ページに1,2個は”友達”がいれば、150番目とか、もう少し進んだところに100枚目の付箋が到達するでしょう。

そして、1枚目の付箋から100枚目の付箋までの範囲が、あなたが次にこの単語帳を開くときにチェックする単語です。言い換えれば、「次に友達になると決めた100人」ということになります。

方法名の意味、わかってもらえましたか?

2回目以降は、その範囲の単語を赤シートでチェックしながら、「友達になれた」という単語からは付箋を外していきます。でもこの付箋、また使うので赤シートに収集していきましょう。

100枚目の付箋まで辿り着いた時、付箋が何枚赤シートに溜まったでしょうか?これがその日の「成果=増えた友達」です。
そしたら、また剥がせた付箋を使い切るまで、つまり単語帳に100枚の付箋が貼られるまで、新しい単語をチェックしていきましょう。100枚目を貼ったらそこでストップ。その単語に日付を記録しておきます。

これを1日1回、もしくは朝晩など、進めていくだけです。範囲を単語帳に沿って機械的に「今日は1-100、明日は101-200」とすると、進捗がわかりにくい上に、あまりできるようになった感が薄いのですが、このローラー作戦だと、自分が今回何単語覚えたのかもわかりやすい上、どこまで進めたのかを日付で確認できるので、「進んでる感」を抱きやすいです。

これが日々のボキャビル。そして、中間チェック的に、1-100の範囲に1枚も付箋がなくなったら、100枚の付箋全部が101以降に進めたら、1-100を全部確認してみましょう。

この時に、何人か忘れてしまっていても大丈夫。「うわーそうだった!くそー!」という感情が生まれることが大切です。なぜなら脳みそは感情に反応するからです。悔しかったことや嬉しかったことって、よく覚えているでしょう。単語の暗記なんていう、感情があまり動かないものに、強制的にできた!とか、できなかったぁ〜!というゲーム感覚を取り入れた方法です。

このやり方にしてから、私は単語帳を開くのがちょっと楽しくなりました。
そしてちゃんと英検1級にも合格できました。

【あとがき】

ケアンズに来て、早いもので1年半が経ちました。日本での「英語の先生」の衣を天日干しにするつもりで、「自分の人生を謳歌するとか、自分のために生きるとかいうやつをやってやるぜ〜٩( ᐛ )و」と渡豪しました。でも、結局気づけばワーホリ勢からの英語の(人生、に広がってくこともあるけど)学習相談に乗っていました。ウーバーイーツの配達員をやりながら、わざわざ助手席に知らん子を乗せて、その子に英会話のプチレッスンをしたり、勉強方法をアドバイスしたり、文法の講座までしたり。蓋を開けてみて、というか「英語の先生」を洗って干してみて、気がついたのは「私はやっぱり”英語の先生をする”のが好きだ」ということ。

それは多分、私が英語が嫌いで、でも今は好きだから何だろうなーと思っています。我ながらエゴ丸出し。
「ね?英語ってそんなに怖いものでも、悪いものでもないでしょ?面白いでしょ?」と、英語を面白がる面白さに気づいてもらいたいのです。

要は布教活動です。英語オタクとしての。

私は英語の勉強をして、喋れるようになって、文字通り「人生が変わった」と思っています。だって大学1年から、なんだかんだ10年塾で教えてたのも、メインは英語だし。好きな日本語をより客観的にみられたのも、英語という比較対象が手に入ったから。ずっと苦しんでいた自信のなさとか、うまく折り合いがつけられないでいた感情とか、そういうのの対処法を、英語での言い回し、ひいてはその英語圏の文化に触れることで、身につけることもできました。だから多分、英語が嫌いとか、難しいとか、怖いって言ってる人を見ると、ほっとけなくなっちゃうんですよね。昔の自分を見てるようで。

だから、この記事でボキャビルをちょっとでも楽しめるようになる人がいたら嬉しいです。
発音矯正合宿とか、他にも色々英語を学ぶ上での小ネタとか、メンタルなんかも他の記事で紹介しているので、見てみてください。

2024年の12月31日に、「飛躍の一年だったな〜!」と思えるように、歩いて行けますように。

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