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SNS疲れになる3つの原因と対策

1995年、バブル崩壊の余波による就職氷河期の中、日本で大きな事件が起きた。それがインターネットの登場だ。

1994年に始まったダイヤルアップ回線の普及と、Windows95搭載パソコンの発売により、インターネットは一気に一部の専門家だけではなく、市民にとっても身近なものとなった。最初の数年こそPCの価格が高く、回線環境を整えるのにも知識や費用が必要であったが、1998年のWindows98の発売、SOTECなどの安価なPCの登場などで、一気にインターネットは庶民の間で普及していった。

インターネットは性別や年齢、職種や学歴などにかかわらず、人々が情報や知識をリアルタイムで交換し合い、コミュニケーションが取れる仮想世界として大きな期待を持って受け入れられた

現実のコミュニティとは全く関係のない他人やグループと、匿名で好きな時にコミュニケーションが取れる。インターネットの世界は人々に低コストで人と交流できる世界を与えてくれたのである。匿名のネット世界での発言は積もることはなく流されていく。旅の恥は搔き捨てならぬ、匿名ネットでの恥は搔き捨ての時代だったのだ。リアルのコミュニケーションがあまり得意ではない人にとっては、当時のネットは人間関係のセーフティネットでもあったのだ。

しかし、2010年代に入りインターネットの世界は大きく変わることになった。そのきっかけとなったのがスマートフォンだ。ソフトバンクによるiPhone3キャンペーンやアンドロイドフォンと登場で、一気に日本にスマートフォンが広まっていった。その勢いは凄まじく、わずか5年で所有率は7割を超えた。

スマートフォンの力は凄まじく、インターネット世界と現実世界は急速に溶け合っていった。スマホはパソコンのように所持することの敷居の高さがなく、パソコンを買って匿名掲示板にアクセスするようなことに興味がない人々でも、気軽にインターネットに接続できる世界を実現したのだ。

社会的動物である人間は誰もが他者と繋がりたいという欲望を持っている。そして資本主義のエンジンは人間の欲求というガソリンで動く。IT企業は次々と人が交流するための新しいSNSを次々と開発した。そして生み出されたインスタグラムやツイッター、TikTokは人々の心をガッチリと掴んだ。今やSNSをやっていない人間を見つける方が難しい時代となっている。

誰もがSNSで他者と交流する時代になったことで、新たな問題が発生した。それが”SNS疲れ”だ。本来楽しいはずのSNSがしんどくなってしまう人が続出しているのである。

なぜ人はSNSで人とつながることへストレスを感じるようになってしまったのだろうか?その原因は3つだ。

まず一つ目がネットでの発言に現実世界以上の責任が伴うようになったからだ。

人々が匿名文化を捨てて顔と名前を手に入れたことにより、ネット上での失言は現実世界と変わらない、時にはそれ以上のバッシングを受けるようになっているのだ。

以前の匿名時代のインターネット気分でSNSをやっていると、あっという間に炎上で火だるまになってしまう。SNSと匿名掲示板は全くの別物だ。SNSでは現実世界以上に発言内容に注意しなければならない。

特に人権や人種、歴史や犯罪行為、特定のアカウントや人間への脅迫じみた発言は絶対に控えるべきだ。どうしても発言したい場合は日本語的な比喩表現を上手く使っていこう。

二つ目がアルゴリズムによる無限に作られる人間関係だ。

人が付き合える友人の数には人それぞれ上限がある。だがSNSでは現実世界の何倍もの数の人間と知り合うことができる。最近のSNSではその人の発言に合わせて、アルゴリズムが働き自分と趣味嗜好の似たアカウントの投稿を表示してくるそのため、何も考えずに手あたり次第に趣味の合いそうな人と交流を持とうととすると、すぐにコミュニケーションコストが膨れ上がってパンクしてしまうのだ。

一度作ってしまった人間関係を整理するのには、交流を作るときの何倍もエネルギーを必要とする。最初はウマが合うと思い深く付き合ってはみたものの、今となってはすっかり交流するのがしんどくなってしまった。でも界隈の関係を考えると関係を切るに切れない。そんな相互フォロワーが誰しも1人か2人はいるのではないだろうか?

SNSの人間関係に苦労しないために大切なことは……

浅いつながりで留める相手と、オフ会などリアルでも交流を持ってもいい相手をきちんと見分けることだ。

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