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《概念の分解》30代童貞は悪い事なのか①

前々回にnoteを始めたきっかけを、前回は『概念の分解』を行うにあたっての説明等をさせて頂きました。

今回からは、早速巷に溢れる概念を、実際に分解していきたいと思います。
どうぞ、よろしくお願い致します。

童貞という言葉が持つイメージ

結論は急がずに、まずは《童貞》と言う【言葉】に対し、社会が持つイメージを見ていきたいと思います。

一般的に、30代で女性経験が無い男性と聞くと、好印象にはなりづらい。

『何かしらの問題があるのではないのか』
『コミュニケーション能力が低いのではないか』
『特殊な性格なのか』
等々、ネガティブな反応の方が多いのではないかと思います。

当然、例外や特殊な性癖を持つ人々も少なくはありませんので、30代童貞に好意的なシーンもあり得るとは思いますが、トータルで見ると、プラスに働く事はないでしょう。

かといって、社会側から見た場合に、大きなマイナスとも捉えられないと思います。
『えっ?普通免許持っていないの?』くらいのレベルでしょうか。

社会側からすると、童貞にせよ普通免許にせよ、解決が難しい問題とは捉えていませんので、人格まで否定される様な事態にはなり辛いと思います。

男性同士の中だけで見ると、カーストが発生し、一段下に認識される事もあるでしょうが、解決しやすい問題である為、深刻になる必要もありません。

まとめますと、30代の童貞に対するイメージは、【童貞である事はマイナスであり、性格その他に疑問は生じるものの、大きな問題としては認識しない。何故ならば、解決が容易だからである』が近い感覚なのではなかろうかと思います。

次に進む前に、三点の補足をさせて頂きます。

まず一点目。
前提として、心身ともに健康な30代男性であり、恋愛対象はノーマル。
病気や精神の疾患、トラウマや特殊な家庭環境等の要因があり、それに伴う内的な問題を抱える方々は除いて考えています。

二点目。
30代男性のみを対象としています。
10代20代は、悩む必要はありません。
ほんのひと匙の勇気と行動力があれば、何の問題もありません。
この先の話は、参考にして頂ければ幸いです。
40代以上の童貞も、対象としていません。
問題レベルが変わる為です。
話の内容が全く違いますので、今回は取り扱いません。機会があれば、分解してみたいと思います。

最後に三点目。
私の分解は、1から10まで男性目線です。
この歳になっても、女性の事は分かりません。
同じテーマも女性から見れば、違う分解 景色になるのだろうとは思うのですが、いかんせん私は男です。
男性から見た解釈になります。

以上をご理解の上、お付き合いくださいませ。

それでは、分解を進めていきたいと思います。

上記の通り、社会は《30代童貞》を大きな問題とは捉えていないものの、プラスとも考えていません。
マイナスに働くケースの方が、多い。
では、何故マイナスなのか。マイナスに働く理由を考えていきましょう。

誰にでも出来る事が出来ない人

《30代童貞はマイナスと捉えられる》
その理由は、【誰にでも出来る事が出来ない人】と、認識されるからの様に見えます。

前述の通り、30代童貞であるという事は、性格を含めその人の人間性に問題があるのではないのかと、他人は推測します。

その根底には、【異性と出会い、恋をし、心の距離をコミュニケーションで縮め、セックスに至る】事は、【当たり前である】という考え方があるのではないでしょうか。

当然、そこに至るまで難易度は、個人によって大きく異なり、経験の多い人も少ない人も居ますが、大多数の人は到達出来る経験であり、そうでなければ人類の存続も危ぶまれる訳です。

現代は、まだまだ昭和の価値観を引き摺っている事もあり、結婚割合が高かった昭和の価値観で見れば、【童貞】=【マイノリティ】もしくは【童貞】=【半人前】の様な感覚も残っており、その為【童貞】=【誰にでも出来る事が出来ない人】という無意識下のレッテルを貼られていると推測出来ます。

複雑化し、スキルの応用こそが求められる現代でも、《女性経験があるかどうか》でその人の基本設定を見定める向きがあるのでしょうか。

一昔前、買い手市場の新卒採用では、【体育会系】は一つの武器でした。
それは、【体育会系】=【集団行動を行うスキルがあり、なおかつ上下関係の重要性がインプットされている】と言う概念が存在したからです。
イエスマンが好まれる時代でしたね。

【体育会系】の私から言わせれば、【だから、集団行動も上下関係も嫌い】なのですが。

さて、この流れで行きますと、【30代童貞】=【誰にでも出来る事が出来ない人】が成立するかどうかを考えるべきなのですが、不可能です。
何故ならば、サンプルがありません。
あったとしても1人か2人、参考にはなりません。
それに加え、この方程式は成立しないと個人的には考えていますので、飛ばしてしまいましょう。

差別の入口

《30代童貞は悪い事なのかどうか》を考えていくテーマですが、少し寄り道を。

前章【誰にでも出来る事が出来ない人】に続く言葉がありますので、せっかくですから触れてみたいと思います。

令和から急激に変化したなと思う事柄の一つに、【価値観の押し付けを表向きやめさせる】が、あります。

仕事の取り組み方にせよ、教育のやり方にせよ、人生の岐路での選択にせよ、昭和平成の答えを【表向き】押し付けない。
若者の意見を尊重し、暴力を含めた強制力を【表向き】排除しようとする流れです。

古いタイプの人間には対応するのが難しい話でしょうが、【言語化】をサボり【強制力】で事を進めていた部分が是正され、より論理的に物事を捉えやすくなったというメリットは、計り知れないと思います。

ただ、【見て盗め】から【全て言葉で説明】になると、想像力 応用力の低下が懸念されますので、極端に走る事なく、バランスの良い形をと願います。

しかし、社会のシステム、ハード自体は昭和平成から変わりはしませんので、いくらソフトを入れ替えた所で、限界はある訳です。

そのうちの一つに、【マイノリティは排除】というシステムがあります。
これは動物的本能にも結びついている為、社会の大元から切り離す事は、ほぼ不可能です。

経済が成長し続け、働ければ働くだけお金になる、作れば作るだけ売れる、と言った時代であれば、右向け右が最も効率が良く、国 会社 個人全てにメリットがありますので、左を向いたり後ろを向いたりする人間は、不必要です。

国を含めた社会と個人の約束であった、【年功序列】【終身雇用】が存在していた時期は、とりわけその風潮が強く、【余計な事はするな】【現状を維持せよ】という考えが主流となり易く、資本主義経済の危険性を察知していた【マイノリティ】に対しては排除の向きがありました。

今現在は、先行きが全く見えず、ある程度の資産があり運用が可能な人達以外は、既存のルールつまり旧マジョリティ側に不信感を持っており、何が大多数にとっての正解かが分からない段階ですから、 どんな考え方も許されるという自由を得ています。(上限はあるでしょうが)

それに加え、先行きは不透明ですが、日々は滞りなく動き、現状食べる物が溢れている日本は、人類史上最も差別が少ない時代と言えるかもしれません。

【考え方の自由度】と【食べる物の確保】が両立している場合は差別が発生しづらく、どちらかが欠けている場合は差別が発生しやすいと考えます。

食べる物があっても、それを用意出来るシステムに固執し過ぎれば考え方は狭くなりマイノリティを排除、考え方が自由であっても生きていくために不可欠な食べ物を確保するシステムを構築出来なければ争いが起きるからです。
大多数にとって、実害が少ない日常は、マイノリティを差別する傾向を生みづらいと言えるかもしれません。

現状は経済の不安定化が、回り回ってマイノリティを保護する流れを生み出した訳ですから、皮肉な話ではあります。

とはいえ、今の状態は一過性のものであり、ここから数年で、またマイノリティは排除される事になると思います。
誰がマイノリティになるかは、分かりませんが。

話を元に戻しますと、【表向き】がどうなろうと、【マイノリティの排除】が完全に無くなりはしないと言う事です。
何が 誰がマイノリティになるかが分からないだけで、いつの時代もマイノリティはいつか排除されます。

本章の冒頭に書いた【誰にでも出来る事が出来ない人】の続きは、【の内、利の無い個体は排除せよ】もしくは【の内、利の無い個体は矯正せよ】です。

非常に乱暴な言葉ですが、この人間社会はそう出来ている様です。

現代では考えられませんが、例えば江戸時代の農村部で年老いて働けなくなった人々 若いけれども身体が不自由な人々、堕落した時の権力者 生まれながらにハンデがある子供達、全て排除対象だったのです。(実際に排除されたかどうかは別として)

フランス革命以降、博愛 平等の精神が誕生し、人は皆等しく扱われるべきであると言う考えの元、【人権】が概念として定着しました。

王族も貴族も市民も奴隷も、同じく命であり等しい命であるという概念。
まさしくレボリューション。人類史において、大きな出来事です。

ここから山あり谷あり紆余曲折あり、【排除】をやめ【保護】つまり【福祉】が誕生する訳です。
大多数が富み暮らせるのだから、その余剰分を分け与え、排除ではなく社会全体で守るべきだという考え方です。

ですので、福祉対象者はこういった概念に守られる事となりますが、福祉対象ではない【誰にでも出来る事が出来ない人】に対しては、【排除】と言う概念は使えませんので=【変な人】=【自分達とは違う人】として捉えらている気がします。

このマジョリティ側の【自分達とは違う人】が、差別の入口ではないかと思うのです。

さてさて、童貞の話から何処に行くんだ!とお叱りを受けそうですが、ちゃんと繋げます。
脇道に逸れてしまい、申し訳ありません。

まとめますと、《童貞》自体は解決が容易な為、大きな問題として認識されていないので、【差別】には繋がらないだけで、【マイノリティ】として認識はされています。

この【マイノリティ】は、社会やコミュニティに実害がある場合、【排除】される可能性がある為、社会やコミュニティにおける【マイノリティ】に対する意識が低く、また【マイノリティ】側が極端な行動をした場合、【差別】に直結する恐れがあります。

イジメであれジェンダーであれ、営業成績であれ、【表向き】は【是】とされていても、学校 職場 地域コミュニティ等、小さな社会では【非】とされるケースも多いので、差別の種はあらゆる所に撒かれています。
個人的には《童貞》という題材から【差別】の仕組みの一端を知れた様な知れない様な、そんな事もない様なある様な気がしています。

もう一度整理しますと、
《30代童貞》は、人格的に疑問を持たれる恐れがあり、【誰にでも出来る事が出来ない人】=【変わった人】=【自分達とは違う人】と捉えられる可能性がある。

動物的本能として、【自分達とは違う個体】を仲間として認識せず、コミュニティ内の規律を守る為、排除しようとする傾向がある。

しかし、《童貞》に関しては=《誰にでも出来る事が出来ない人》=《変な人》=《自分達とは違う人》が当てはまる程、大きな問題ではない。
加えて解決が容易な為、差別には繋がりづらい。

しかしながら、マイノリティが差別されやすい社会的特徴を考えると、【差別の入口】に立っているとも言える。
ポイントは、マジョリティ側から見た【自分達とは違う人】。

これらを踏まえて、新しく出現した【疑問】の分解を、最終章にしたいと思います。

何故、童貞なのか

何故でしょう。
止まりかけている脳で、暫し考えます。

………

そもそもセックスとは、子孫を残す為の行為です。
メスは優秀なオスを選び、オスは優秀なメスを選ぶ。
そして、変化する地球環境に適応できる様な、優秀な子を残し、その種族の繁栄を目指す。

ただ、人間には【快楽】がセックスに付与され、加えて、恋愛の際に発生する感情が、複雑怪奇です。

嫉妬 独占欲 母性 父性 幼少期の記憶等々、そして愛情。
どれも、一部を除き自然界には存在しない特殊な概念です。

あの子じゃないとダメ!あの子一人が居てくれれば良い!などとライオンが言いだせば、ライオンは絶滅するでしょう。

食べ物を生産可能にし、役割分担を行い、治安維持 天敵への対応が可能となり、それを統括する【国】なるものが生まれた結果、我々は自由恋愛を獲得しました。
実際に、完全自由恋愛になったのは、ごく最近だとは思いますが。

セックスに快楽があり、恋愛において感情があり、自由に相手を選べる人間という種族のセックスは、単なる子孫を残す為だけの行為だとは言えません。

加えて、恋愛相手に【自分への理解】という、無理難題まで求めますから、セックスの相手を決めるまでの思考は、膨大な量の経験と概念と周りからのインプットを使用しています。

その為、個体によっての好みは、まさに千差万別。
ハンサムだから、優しいから、経済力があるからも一つの要素にすぎず、夏がダメだったりセロリが好きだったりする訳です。

ですから、私の周りにもハンサムで優しいのに、何年も彼女が居ない男も居れば、ぽっちゃりブチャイクなのに、彼女が途切れない男もいるのです。

見た目や清潔感、本人が望んでいるかどうかによっても変わりますが、おおよそ10代20代のうちは、異性に対する興味は高い筈です。
我々の世代程ではないにせよ、恋愛やセックスを求める年齢です。
にも関わらず、経験が無い理由…

経験が無いのではなく、経験したいけれども出来なかったとすれば…

その理由は…

仲良くなりさえすれば、なんとでもなる年齢で経験出来なかった理由…

仲良く…

仲良くなれなかった…?

コミュニケーション能力!
(本当に、考えながら書いています。)

コミュニケーション能力が低い為、異性との距離を縮める事が出来なかった。
距離が縮まらなければ、当然セックスには至らない。

コミュニケーション能力を培うのは、家庭?学校?部活?
それらを含む、人との関係全て。

では、そもそもコミュニケーション能力とは何なのか。
コミュ力が高いとは、何なのか。

最終章にするつもりでしたが、もう一章追加します。
【コミュニケーション能力とは、何なのか】

次回の更新までに、まとめたいと思います。

それでは、今日はこの辺りで。
次回、《30代童貞は悪い事なのか②》も、お読み頂ければ幸いです。

お付き合い、ありがとうございました😊







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