学生時代の忘れられないランチの思い出①

小中高は、学校でクラスメイトと食事をする機会が多いが、大学生になると食事をする相手の年齢の幅が広がったように思う。初めて年上の人と食事をした時は、大分緊張して食事のマナーに気を遣いすぎた思い出がある。

そんな私だが、学生時代のアルバイトで印象に残るランチをしたことがある。さまざまな世代の人と関わる社会人であれば特に違和感がないかもしれないが、学生の私にとっては緊張してしまったあの瞬間の話。

百貨店でのお中元アルバイト

大学4年の夏、就職活動が終わった私は某百貨店のお中元短期アルバイトに採用された。同僚も同世代の学生が多く、内定先の話や普段の生活などの話で盛り上がった思い出がある。

もちろんお客様相手の仕事なので、ミスは許されなかった。ミスをすると社員に怒られたし、社会の厳しさを先取りするような体験でもあった。

アルバイト先の同僚とは、百貨店の社員食堂で一緒にランチをすることもあった。出会って間もない人たちと1対1での食事は、話題を持たせるのに必死だったこともあるが、まあさまざまな話をした。他大学の人と交流するのは刺激的な体験だった。

父親と同世代の男性からランチに誘われる

アルバイトの同僚は学生の他に、40〜50代の大人が数名いた。なかには何年もお中元アルバイトを経験されている方もいて、仕事を教えてもらいとても心強い存在だった。

ある日、アルバイト経験が長い男性と一緒のシフトに入ることがあった。当時50代前半ぐらいの方だったように思われる。私はそれまで彼とあまりシフトが重なる機会がなかったので、関わることはほぼなかった。

仕事中、彼に話しかけられて驚いてしまった。内容は「今日お昼空いてる?一緒に外でランチをしよう」というものだった。

私はびっくりしてしまったが、あまり親しくない方の誘いを断るわけにもいかず、また今後の仕事にも影響することを考えると誘いにならないわけにはいかなかった。少々不安ではあったものの「お願いします!」と答えてしまった。

後から聞いた話だが、彼は学生バイト全員に声をかけて、1人ずつランチに誘っていたらしい
。バイト仲間に聞いたところ、数人はランチに連れて行ってもらったようだ。

そんなことを知らない私は、バイト中ずっとドキドキしてしまっていた。高校から女子高に通い、大学時代も同世代の男性との付き合いしかなかったので、父親と同世代の男性と密に食事をする経験は初めてだった。

「どのようなお店に連れて行かれるんだろう…」

「何を話せば良いんだろう…」

と、余計な心配ばかりしていたら、とうとうランチの時間を迎えてしまった。

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