非認知能力の基礎とは

『伸びる子どもは○○がすごい』(榎本博明)読了。

総評としては、他の育児書と同じような事が書かれている(親は見守りましょう、声掛けを大切にしましょう等)が、「非認知能力」というワードが印象に残った。

「非認知能力とは、自分を動機づける能力、長期的な視野で行動する能力、自分を信じる能力、他者を信頼する能力、自分の感情をコントロールする能力などを指す。(本より抜粋)」

これらはEQ(心の知能指数)に相当すると言われているそうだ。幼少時代は色々と習い事や勉強をさせるのも一つの方法ではあるが、どのみち学校に行けば習う内容でもあるので、早いうちから取り組んだとしても最終的には追いつかれるとのこと。それよりも、非認知能力を高めることに注力すれば、社会に出た時に、心がそう簡単に折れない、粘り強い子に育つ傾向があると説いている。

「10〜12歳の子供達を対象に、ある実験を行った。簡単な知能テストを行った後、3つのグループに分けて、「優秀な成績だった」と全員に伝える。
第一条件:こんなに成績が良いのはまさに「頭が良い証拠だ」だと言われる
第二条件:何も言われない
第三条件:こんなに成績が良いのは「一生懸命頑張ったからだ」だと言われる

その後、2つの課題(簡単に解けそうなもの、難しくて簡単に解けなさそうなもの)を提示し、どっちをやりたいか選択させた。

第一条件のグループは前者を選んだ子が多く、第二条件では半々、第三条件では後者を選んだ子が97%と非常に興味深い結果になったそうだ。つまり、第一条件のグループの子は「頭の良さ=能力」を褒められると、能力に対する期待を裏切りたくなくて簡単な問題を選ぶ。一方で「頑張ったこと=努力」を褒められた子たちは努力する姿勢を見せるべく、難しい問題にチャレンジする傾向がある。(本より抜粋)」

そして何より、子どもの非認知能力を高める上で、大切なのは、親自身の非認知能力を高めることである。子は親を見て育つ。親の心の姿勢も自分の中に取り込んでいくということも書かれていた。

一通り読んでみて、やはり、子にとって親は一番の鑑になっているということを再認識した。良いお手本になろうと意識するとかえってボロが出て本末転倒だと思うので、自然体でいながら、まず自分が好きだと思えることを子どもにも経験させていきたいと思う。

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