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シェイクスピア朗読劇『冬物語』の感想

先日、大雨の中、シェイクスピアの戯曲『冬物語』の朗読劇を観劇してきた。本で読むだけでは感じ取れない気迫や悲哀が、朗読というフィルターを通すことでひしひしと伝わってくる。戯曲に生命が吹き込まれたのだ。

ところで、『冬物語』は簡単に言うと・・・
ある王が妃の不義を疑い、その相手を毒殺、妃を投獄することを命じるが、後に無実であることが発覚する。その瞬間、神罰によって妃と不義の相手と思われた者は死亡し、王は自分の罪に苛まれる。
しかし終盤に、実は妃は生きていたことが判明し、幸せに満ちた結末となる。
つまり、前半の悲劇は喜劇になって終わりを迎える。

これを観た後に晴々しい気がしないわけがない。そんな思いを持ったまま劇場の外に出ると、それまでの大雨は快晴に変わっていた。あの時に見上げた空は、真夏の昼過ぎに芝生の上で寝転がって見上げるほくほくとした空に似ていた。

シェイクスピアが描いたのは、こういうことだったんだな、と直感した。

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