ドン・キホーテに学ぶ

日本人なら誰もが知る、驚安の殿堂ドン・キホーテ。名前の由来を調べてみたら、案の定セルバンテスの『ドン・キホーテ』で、その名に込められた願いが素敵でハッとさせられる。

これを解するには『ドン・キホーテ』の概要を簡単に触れておく必要がある。

中年のドン・キホーテは騎士道物語を貪り読み、現実世界もそうなのだと勝手に思い込んだ結果、弟子サンチョ・パンサとともに世の不正を正す騎士になるべく冒険(?)に出る。彼は自身を崇高な人物だと思い込む一方で、周りの人々は彼を狂人として茶化し、読者はその滑稽な戯れに笑わずにはいられない。
要するに『ドン・キホーテ』は、いい歳したオッサンが疑うことなしにフィクションを信じて現実世界に適用している滑稽な物語である。

ただそんな彼をバカにするだけでいいのか。むしろ、何かを信じて果敢に行動するところは称揚すべき点である。上に載せたお店のドン・キホーテの願いに書かれている「行動的理想主義」とは、まさにこのことである。その意味で彼は「現実世界の既成の常識や権威に屈」せず、周囲の人々や読者に新鮮な影響を与えるという「創造」をもたらす人物である。

信念なくして創造はない。

自己啓発染みた言葉ではあるが、ドン・キホーテという人物を通してみれば実体となって我々に語りかけてくるだろう。

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