個人的な美術館の楽しみ方
「美術館の楽しみ方が分からない!」とか「美術館に行ってみたいけどなかなか...」という人は結構私の周りにも多い。かく言う私も行きはするものの、よく分かっていない。
でも個人的には美術なんて分からなくてもいいものだと思っている。あくまで素人の鑑賞者にとっては、美しいものを美しいと思うだけで美術が美術として成立するものだ。
たしかに、西洋の宗教画を鑑賞すると聖書やギリシャ神話、アトリビュート(作品に描かれる人物をその所有物によって見分けること)などを理解していると面白い。
ただこれは"面白い"だけであって"美を感ずる"ことではない。
ここで小林秀雄の『美を求める心』の一節を引いておく。
「美には人を沈黙させる力があるのです。これは美の持つ根本の力であり、根本の性質です。絵や音楽が本当に解るという事は、こういう沈黙の力に堪える経験をよく味わう事に他なりません。(中略)今日のように知識や学問が普及し、尊重されるようになると、人々は、感ずる能力の方を、知らず識らずのうちに、疎かにするようになるのです。物の性質を知ろうとする様になるのです。」
このように美術は意気込んで鑑賞しようとするものではない。私なんかも頭でっかちに鑑賞しようとするたびに、この一節を思い出す。
また、もう一つの楽しみ方として「周りの人々の会話に耳を傾けてみる」ことも結構面白い。皆がどう鑑賞しているのかを知ることができるし、「そんな見方があるんだ!」と勉強になることも多々ある。
こんな感じで多くの人がもっと気軽に美術に関心を持つといいなぁと勝手に思っています...!
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