2回目の新国「リゴレット」へ

昨日は仕事を休んで、2回目の新国立劇場「リゴレット」(オペラ)へ。先日別の記事で感想は書いたが、今回も文句なしの超絶名演。終始舌をグルグル巻いていた。

やはり指揮のベニーニの指示は非常に明瞭で、オーケストラの東フィルも素直に応えていることもあり、「リゴレット」に欲しい音がそのまま表現されていた。

本作を超簡単にまとめると、

主人公リゴレットは好色な公爵に仕えており、自分の娘がその公爵に恥ずかしい思いをさせられたことを聞き憤怒する。リゴレットは殺し屋に公爵の殺害を依頼したが、うまくいかず、結局殺し屋は公爵ではなく、リゴレットの娘を殺害してごまかす。それを知ったリゴレットは悲嘆に暮れる。


このようにあまりにも惨い悲劇なので、素晴らしい演奏に引き立てられたドラマを観ていると落涙してしまうのもしょうがない。陽気になれるシーンもあれど、後々に待ち構える運命を思えば全て悲劇に飲み込まれてしまう。喜劇的に歌われる歌も、後々は不穏な悲歌に変わってしまうのだ。

はぁ、こんなことを書いているだけでも昨晩の記憶が蘇って鳥肌が立ってくる。クラシック音楽の演奏会通いというのは決して金銭的に安く済まない趣味だが、このような音楽体験は全てを帳消しにしてくれる。クラシックオタクへの徳政令は名演しかない!

個人的に当たり外れのある新国立劇場のオペラだが、何度も繰り返すようにこれは指折りの名演。舞台に関わった皆さん、ありがとうございました。そして何よりヴェルディに謝意を伝えたい。

終演後、しばらく呆然としてしまい、夕陽にあたりながら新宿駅までとぼとぼ歩いたのだった。

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