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ブリッジ探しをしても劇的な期待をしても無駄に終わってきた。

【凝ったブリッジはほぼ100%嫌い】

 
ブリッジについて調べてると、

「弦振動のロスを無くしたかつてない鳴り!」

なんて感じの物が世の中よく出てくるけど、正直よく分からない。良いどころかデメリットばかり感じる事も珍しくない。

より接地面を増やすだの、駒をがっちりロックだの、分厚いプレートを使うだの、弦間を自由に変更可能だの、惹かれる要素は多くあれど、どれも自分の中では微妙な結果に終わってきた。


鳴りをロスしないどころか、まともに弦を張る事すらどうなのかっていう、そんな段階の物まであるから怖い。

凝った構造にする事がまず前提にあり、実際に使う事は考慮されてないんじゃないか、冗談抜きにそう感じる物も存在する。

または、あくまでも4弦を基に考えてるという事か、それそのまま多弦用にするには厳しい印象もよく覚える。

これまたロスしないどころかローB弦をまともに張れないなど、そんな光景、現物に出くわすと絶望すら感じてしまう。

ボールエンドから駒までの距離が近すぎる、駒自体が厚くて高くて調整幅が少ない、不自然な角度になる、弦が上手く乗ってくれない、そんな物に心底うんざりさせられてきた。

取り付け場所の問題もあるっちゃそうなんだけど、いずれにしても本体共々、ローBを張る事を想定してないような設計とか、本気で勘弁して欲しい。


そして、肝心の鳴りについても、非常~に微妙な印象を覚える事が多々ある。

ロスが無いとか音が鋭くなるどころかどうにも鈍臭い、異物を挟んでるような違和感があるなど、もはや最悪とすら言いたくなってくる物も少なくない。

自分の好みの問題なのか、勝手に悪印象を抱いてるだけなのかとも思いきや、そういうブリッジって不思議なぐらい消えていく。

同じ印象を覚える人が多いのか、実際に不具合が多く発生してるのか、凝ったブリッジで生き残ってる物ってそんなに多くないと思う。

これから何らかのブリッジを探そうとする人がいるのであれば、「これは革新的!サスティーンが凄い!アタックが別物になる!」みたいな評判を瞬間的に得てる物を選択しようとするのは、ちょっと待ってみて欲しい。

長く生き残ってきた物、確かな評価を勝ち取ってきたメーカー・工房で採用されてる物を選択する事を、自分はおすすめする。

そこにはそれだけの理由があると実感させられてきた。


【普通って実は偉大】


先日、中古で購入したとあるジャズベのブリッジを交換してみた。

元から付いていた物の特徴を簡単に言うと、

・テールピースと土台と二重構造

・土台も駒も分厚い

・めちゃくちゃ重い

こんな感じ。

お察しと言うか印象最悪も最悪。すぐにでも交換したいパーツ筆頭。

重さを計ってみたら278g。どうやら定番の重量級ブリッジより更に重いらしい。

例の如く、よりロスを無くす、より締まった音を出す、より低音を出す、そういう狙いかと思うが、実際の出音にそんな印象は感じられないし、お約束のように調整幅も狭い。


で、このブリッジからスタンダードなタイプ(スパイラルサドルではないけど)に交換してみたところ、明らかに印象が良くなった。

まずもう、物自体が圧倒的に軽いし、調整もしやすい。ボディに振動が響いていかないような鈍臭い違和感も変わり、手応えも馴染みも良い。

小さく軽く薄くなった事により、弦振動のロス、損失が目立つようになるかって、自分の印象としてはそれは全く無い。サスティーンが短くなってしまう、鳴りが悪くなってしまう、そんなデメリットなど全然感じない。

「絶対に交換しなければならない!そのブリッジじゃ駄目だ!」そんな致命的な欠点なんてものが存在するのか想像も付かない。


皮肉を言うなら、その致命的な欠陥を感じる物ってのが、交換前の凝ったブリッジの方だったわけである。

前述した嫌なポイントに加え、土台の溝がおかしいのか、駒のネジが上手く接地しないなど、どうツッコミ入れるべきかもう面倒臭い。そんな物を使うぐらいだったら、普通のブリッジで良い。

と言うか、そっちの方が遥かに優れてると声を大にしたいぐらい、どうしようもないブリッジに閉口させられる。


「普通は嫌だ!個性が無い!つまらない!」ってなるのは分かるし、それとは全く異なるゴージャスな物に行きたくなるのも理解できる。

しかし、パーツってやつについては、冷静に考えなければならない事がある。

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