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(終)ベース入門に継続のコツとか難しく考えるより初心者・中学時代の実例を振り返ってみる。

【アクティブには電池が必要って事を始めて知った】


ある日、愛用していたベースの音が急に出なくなってパニックに。

一応、アンプに繋げて最初は音が出るんだけど、

「ヒュゥゥン…..」

って感じに音がみるみる減衰、最終的に全く出なくなってしまった。


以前にも話した通り、自分が愛用していたBCリッチのガンスリンガーは、兄貴から譲り受けたもの。

その兄貴がプロ時代にも使っていた楽器な為、憧れもあり思い入れも強いベースだったわけだ。

パパから貰ったクラリネットどころの話ではなく、本当に心底焦りまくった。

「やべぇよ….壊れちまった….どうすりゃいい….一体何したって言うんだよ…俺終わったわ….」

もはや絶望感みたいなものまであったかもしれない。


そんな中でも、練習は絶対にやめたくなかった。

「音が出ない….」

「壊してしまった….」

「絶望的だ….」

そうは言ってもベース上手くなりたい、止まりたくない。

背に腹は代えられないとはこの事、最初に弾いてた安いベースの方をまた弾き始めた。


しかしまぁ正直、楽器として全く比較にならなかったのを改めて痛感。

それはそれはもう、練習がつまらなくなって苦痛だった。

代用品で何とか凌ぐしかないって状況、

「これはこれで良いよな!」

「スケールが短くて楽!」

「お~!軽くて良い感じだ!」

なんて前向きに捉えながら練習に取り組みもしたが、そんな誤魔化しが長続きするわけもない。

「だぁ~!もう我慢できん!」

「あのベースじゃないと無理!」

「これ以上は御免だ!!」

愛着もクソもなく現実は非情、現金なモンである。

すぐに耐えられなくなってしまった。


ガンスリンガーは音的な事については勿論、やはりそれだけではない楽器である。愛機を譲ってくれた兄貴に申し訳ない、その気持ちも本当に大きかった。

「兄貴すまねぇ….」

「ベース壊しちまったみてぇだ….」

「音が出なくなっちまった….」

正直に打ち明けるしかなかった。

礼儀作法にうるさかったり、格闘技もやってたり、恐怖の対象でもあった兄貴。マジな話、かなりびびりながらの報告だったわけである。


そんな覚悟を決めた中、返ってきた答えは・・・

「あ~、それ電池死んでんな。裏開けて交換しとけ!」

全く意味の分からないものだった。

「は?何それ?電池!?」

「ど、どういうこと!?」

これまた新たなパニックの元になった兄貴の発言。

言われた通り裏蓋を開いてみて驚愕。

何だか見たこと無い四角い物体が入ってるじゃ~あーりませんかと。


マジな話、

【9V電池】

こんな物が存在してる事すら知らなかった当時の自分。

【パッシブ】

【アクティブ】

ギターやベースにそんな概念が存在してる事もこの時に初めて知った。

と言うか、

「このベースはアクティブなんだ(分かってない)!アクティブだからパワーがあるんだ(分かってない)!アクティブだから凄ぇんだ(分かってない)!」

って感じだったんだなと。

何ともお恥ずかしい限り、楽器本体にベースとトレブルと存在してるのも、全然理解してなかったって事である。

「何か回すと音が変わるツマミがある」

これぐらいの認識しかしてなかったんだろう。


故障ではなかったと安堵すると同時に、

「俺はたかが電池にあんな追い詰められ苦しんでいたのか…..!!」

非常に腹立たしくもなってしまった。

しょーもない顛末だが、本人は相当必死だった。


まぁこの辺、

「楽器屋で聞けよ!」

って思われそうだけど、当時は馴染みの店なんか無かったというね。

そもそも、楽器屋に行くこと自体、ほとんど無かったのが本当の話。

おかしなようだけど

「楽器屋=敷居が高い空間なんだよなぁ….」

こういう認識だった。

実際、独特の居心地の悪さがあったり、なかなか近寄りづらかった。


修理の依頼や相談なども出来なかったし、世間知らずで人見知りも激しかった自分にとって、相当ハードルの高い空間だったのが楽器屋って存在。

今だからこそ、

「自意識過剰すぎ!」

とか笑って言えるだろうし、楽器小僧、バンド小僧の一人や二人、微笑ましく見守ろうぜってぐらいの余裕もある。

でもほんと、当時の自分の中では、

「楽器屋は怖い所….」

冗談抜きにこのイメージが物凄く強かった。

ネットなんかもまだ全然発達しておらず、とにかく情報が少ない。

雑誌とかもほとんど買ってなかったのも手伝い、何から何まで兄貴頼みだったのが仇になってしまった事件と言える。


ただ、幸か不幸かこの出来事があったからこそ、これ以降、電池のトラブルを起こした事は一度も無い。

電池に対して必要以上に用心する癖が身に付いた為、本番で電池トラブルに見舞われるような事態など全く体験せず生きられている。

真面目な話、こうやってネタにしたり笑い話で済んだからいいが、非常に危険な状態だったのも間違いない。

例の文化祭本番で電池が無くなってたらどんな事になっていたのか?

知識も無い、携帯電話も無い、ネットも無い、何一つ対抗する術を持っていなかった状況だったわけである。

肝心の本番で音が出なくなってあたふたしたり、赤っ恥かいてそれがトラウマになったり、そんな事があったらベース続けてなかった可能性もあるかもしれない。


いくらでも声を大きくしたい。

「アクティブベースは電池が命!」

これを早くに学べて良かったと心の底から実感する。

トラブルは人を学習させ、賢く強く成長させる。

と言うのは美談にしすぎか、かっこつけすぎか?

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