【Dual Driver】Fumi Soundの新作ドライブプリアンプ!
前回のDual Hookに続き、もう一つの新作について語りたいと思います。
前と同じく、公式HPの方に上げた音源動画をまずはどうぞ。
【バキバキ指弾き】
【フレットレス】
【ローファイプレベ】
【ピック弾き】
公式に載せたレビューもこちらでどうぞ~。
【困惑の先に自由と追及がある】
「ん?なんかよく分かんないな?」
第一印象はガチでそれ。
音痩せなく歪む?
幅広く音作り出来る?
便利?万能?
今更そんなの要らない感が凄い。
Fumi SoundはもうHumburg Driveあるじゃん。Hookerもめちゃ良いじゃん。なのにこいつじゃ弱くね?って正直思った。
ところがパッシブのジャズベで鳴らしてみたらビックリ!こりゃ間違いなく美味しい!楽しい!かっこいい!この掌返し感は何だ!
歪みってこんな使い方もあんのかよ!イコライザーってこんな効くのかよ!ここまで出来んのかよ!何でもありかよ!もう発見だらけ!
完全アナログ一台でこれとか意味不明!
真面目な話、使い方が分かってくるとやれる事がどんどん広がっていくのは、デモ音源を聴いてもらえば伝わるんじゃないかと思う。
ジャズベでゴリバキぎゅおぉ~ん!フレットレスをジューシー美味しく!プレベで温ったかブッとくボフボフ!弾いた当人が意味分かんないぐらい全部やれちゃう。
Hookが載ってるんだから、超絶スラップサウンドだってお手の物だし、それを歪ませる事だって出来ちゃう。
ハイファイ、ローファイ、ここまで振り幅ある物は弾いた事が無い。
音痩せしない歪みって言うと、真空管的に全音域歪むか、クリーンとブレンドして鳴らすか、どっちかになるイメージだったけど、どうやらこれはまたタイプが違う。
厚みとか立体感、どストレートな説得力とか快感を求めるなら、ハンバーグドライブが最強に好き。
けど、EQ込みだったりトータルで音色からレスポンスまで詰めていくんだったら、こいつがとんでもなく活躍してくれる。
オーバードライブ、ディストーション、ファズ、そうやって歪みを分類したり型にはめるんじゃなくて、そこを弾き手のタッチやセッティングで作り上げる、使い方次第でめちゃくちゃ音が変わる。
歪みとプリアンプに無理やりな個性付けをさせるんじゃなくて、あくまでプレイヤー第一を感じさせる良心と生意気感にワクワクする。
恐ろしい自由度、新感覚、丸投げ無責任。
ま~た手強いペダル作ったもんだ。
「音作りの沼から解放しますよ♪」って見せて、ベースの深淵に引きずり込むっつー、なかなかの闇具合がスーパー面白い。
「タッチだ!ピッキングだ!弾き方を鍛えろ!音を育てろ!」
「アン直とか古ぃんだよ!もっと音を作り込めよ!好きにやらせろよ!」
これを同時にやれる、しばかれる、自己相克起こせるペダルなんて、そうそう存在しない。
デュアルとか言いつつ、フットスイッチは一つしかないっていう、その意味を考えるのも楽しい。
今度もまたすげぇモン出てきたぜ!!
と、こんなレビューでございました。
さて、このDual Driver。何が恐ろしいかって、前回紹介したDual Hookの音作りも、そのまんまやれちゃうって事です。
歪みのオマケでEQを付けたとか、無理やりな個性付け、何となくの付加価値の為の機能とかそんな物ではなく、中身はアレンジされたHooker。死ぬほどこだわったフルディスクリートのプリアンプ。
そのHookerに歪みを搭載してるみたいなモンなので、プリアンプとしての完成度、クオリティがそもそも違うんですね。
「〇〇ドライバー!」なんて言うと、如何にも歪み専用みたいな印象を受けそうですが、ベースをとことん美味しくする、音を躍動させる、楽器もプレイヤーもドライブさせるって感じなのが、このDual Driverなワケです。
「フルディスクリートのプリアンプってどういう物なんだろう!めっちゃ試してみたい!欲しい!」
「え?それは歪みエフェクターでしょ?要らないよそんなの…..」
その認識が通用しない、勿体ない、今まさに求めてるすげぇペダルがこいつですよと、堂々宣言できる逸品です。
なんて偉そうに言いましたが、初めて試作を弾いた時はま~、困惑しました。レビューの方でも話してますが、マジで全然良さが分からなかったのなんの。
「こんなんハンバーグドライブの方が遥かに良いじゃん!何が美味しいか全然分かんねぇよ!!何でこんなの作ったの???」
ってな具合でして、蔑称を込めて、
「エンジニアドライブ」
と呼び、感想と共に送り返しました。
技術者が頭の中だけで作ったペダル、プレイヤーの感覚に合ってないズレた製品、全然かっこいい音が出ない、ピンと来ない、単純に扱いづらい、なかなか散々な評価だったと思います。
ところが、製作者本人にセッティングしてもらったり、パッシブのジャズベで鳴らしてみたら、完全に評価一転。
もう何じゃこりゃ、どうなってんの、有り得ないだろっていう、驚愕の変化と表情を見せつけてきやがります。
「やっぱHookerは良い!最高のプリだ!」
そこをただの前提、当然としてるのがもう、色々おかしい。
その最高最強なHookerに歪みを与える、コントロールする。それによってこれ程までにサウンドが変化するのか、自由自在な音作りが可能になるのか、驚愕せざるを得ません。
また、HookerそのものやDual Hookと異なるのは【MILD】ってコントロールがある事でして、これがまた凄まじい働きをします。
歪みにおける難しいポイント、ヒステリックになりがちな部分を美味しくカットするのは勿論、劇的なまでの変化を演出できる為、キャラクターを全くの別物にする事も容易。
動画を見ていただければ伝わるんじゃないかと思いますが、ゴリバキのドライブサウンドとローファイボフボフ系のサウンドがいとも簡単に美味しく作れるっていう、なかなか意味が分からない事を起こせます。
実は当初は【TONE】ってそのまんまなツマミだったんですが、それじゃ面白くない、触る気にならない、美味しさが伝わらないって事で、私の方から色々注文した結果、現在の【MILD】に決定した次第です。
ツマミの配置といい、歪みの切り替えといい、最初は本当に分かりづらいペダルでしたが、サウンドと共にどんどん扱いやすく分かりやすく仕上がっていきました。
フレットレスを美味しく補正なんてのもお手の物。同じくデモ演奏をされているムーさんのように、よりハードにピッキングするスタイルにも容易く対応可能。
スラップに歪みを混ぜて厚みや艶出し、コンプ感を狙うなんて事も出来ますし、本気で何でもアリって感じです。
考えようによっては、
【より幅広く劇的に進化したHooker】
そう認識する事も可能だと思います。
と、こんな解説をしてると、
「器用貧乏なだけじゃねこれ?」
「何か面倒臭そう….」
「結局、出せる音は一つじゃん….」
なんて感想、意見が頭によぎるのも必然かと想像します。
実際、未だによく分かってない部分が正直ありますし、今後も苦戦必至な予感がします。
使い心地も勝手も分からない….
どうポイントを絞ったらいいか掴めない….
何が美味しいのか凄いのかピンと来ない….
そうなっても不思議はありません。
こちらもバリバリその当事者でした。
だからこそ伝えたいのは、
「その困惑の先にある追及こそが醍醐味!」
迷うの上等、未知よ歓迎、その謎との格闘こそが楽しい、インスタントじゃない実感と喜びを味わいたい、そこに間違いなく応えてくれるのが、Dual Driverだと言えます。
何じゃそりゃって感じですが、でも冗談抜き、大真面目。
「ツマミセンターこそが至高!それが一番良い!フラットこそ最高!」なんて風にやってたら何も面白くないまであるのが、このドライブプリアンプ。
積極的に動かす。弄りまくる。ワケ分かんないけど何となく理想に近付いていく。だんだん良くなってくる。確実に手応え出てくる。めっちゃ気持ちよくなる。
そうやって遊んで楽しんで向き合って良い音が出てくるようになる、「これだ!」ってサウンドになっていくっていう、そういう新感覚なコクと味わいを生み出す逸品として、最強に役立ってくれるでしょう。
超ハイファイワイドレンジなサウンドを歪ませるとか、これまで考えた事もありませんでした。
だからこそ、Dual Driverのサチュレーションってやつを味わってしまうと、
「こりゃ美味しいわ・・・」
唸ってしまいます。
真空管飽和なそれでもない。
オーバードライブでもない。
ディストーションでもない。
ファズでもない。
クランチって感じでもない。
知らなかった感覚、謎さがあるのが、
【サチュレーション】
Dual Driverならではの歪み感とサウンド。
ニュアンスが無くなる……
低音がスカスカになる……
音抜けが壊滅的になる……
うるさいくせにアタックが無い……
役に立たない音になるだけ……
そういう歪みや特性にウンザリしてる人ほど、クリーンサウンドを愛してる人ほど、その新たな感覚、弾き心地の虜になるかもしれません。
Dual Driverの絶妙なドライブクリーンサウンドに慣れた後、どクリーンな状態に戻すと、
「つ、つまんねぇ….!!」
音が寂しく感じてビックリします。
んな小難しい話は抜きにして、
「音痩せしない歪みが欲しい!」
そんな人にも最強にハマる仕上がり、大前提としてあるのがフミサウンドの歪み。
ローが潰れるとかアタックが無くなるなど、歪みペダルに対してそういう心配や不満を抱えている人にも、当然おすすめです。
ニュアンスが出ないどころか、世の中のどんなクリーンプリよりも反応豊かかもしれない。
タッチやピッキングを活かしたいなら、これほど素晴らしいレスポンスを持ってる物もない。
小さな箱の中にこれでもかと狂気とクオリティを詰め込んでるのが、このDual Driver。
歪みは任せろ、EQは任せろとは言わず、
「音作りは任せろ!」
どこまでもどうにでも応えてくれるでしょう。
いやほんと、あのエンジニアドライブがよくここまで美味しいドライププリにまで仕上がったものだ、パネルも見やすく分かりやすくなったものだ、操作もしやすくなったものだと、勝手に感慨深くなってしまいます。
歪みにしてもプリアンプにしても、自分はもう、フミサウンド以外の物には興味ない、探すのも面倒臭いし要らないって感じに偏りまくってますが、だからこそ、もんのすご~く楽になってます。
欲しい音があったらこいつで作ればいい、弾き方で音を変えればいい、自分の音が出りゃそれでいい、憧れのサウンドの真似もやれちゃうし、他を弾く理由が無い、そんな気分になってる次第でございます。
このDual Driver、どんな人におすすめか?
「ベーシスト全て!」
私達地球人、人類皆兄弟みたいな響かないこと言って、この話を締めたいと思います。
ほんとにすげぇモン出来ましたよん。
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