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感情は「快」「不快」の二つから枝分かれするように発達していき、喜怒哀楽だとか、そういう基本的な感情が備わった後に自己意識感情が出現する。 自己意識感情は、自己覚…
煙管を火鉢の縁にカンと軽く叩きつけて灰を出す…なんて姿は想像に易いが、あれは煙管が痛むから勧められない。まめまめしく手入れするほど生真面目な性質ではないけれど、…
秋口の夜。星も月も見えない暗い空はしっとりと黒い。天気予報の通り、朝はすっきりと晴れていたのに、午後になるにつれて次第に雨がひどくなっていた。 白のシャツに黒の…
2021年9月29日 20:16
感情は「快」「不快」の二つから枝分かれするように発達していき、喜怒哀楽だとか、そういう基本的な感情が備わった後に自己意識感情が出現する。自己意識感情は、自己覚知、自己表現、自己評価を経て出現するだとか、他者との関係、社会規範、文化規範との関連において出現する側面があるからとかで、自己意識的評価感情や、社会的感情、道徳的感情とも呼ばれる。主要な感情はおおよそ4歳頃に確立するといわれているが、どう
2021年9月4日 23:41
煙管を火鉢の縁にカンと軽く叩きつけて灰を出す…なんて姿は想像に易いが、あれは煙管が痛むから勧められない。まめまめしく手入れするほど生真面目な性質ではないけれど、仕事柄、物を乱暴に扱うことを嫌う。煙管での喫煙は通常の紙たばこと違い、約3服で終わる。火皿の大きさに比例してタバコ葉を入れられる量も変わるわけだが、彼が使っている煙管は装飾の施された長く細いもので、そう多くのタバコ葉は入らないのだった。
2021年8月21日 23:21
秋口の夜。星も月も見えない暗い空はしっとりと黒い。天気予報の通り、朝はすっきりと晴れていたのに、午後になるにつれて次第に雨がひどくなっていた。白のシャツに黒のホルターネックエプロンを着けた老紳士は客のいない店内に佇み、そんな空を眺めていた。歳の割に上背のある、ロマンスグレーの老紳士。整えられた口髭は名優トム・セレックを思わせる。若い頃さぞ浮名を流しただろうハンサムな顔立ちで、加齢により尚濃くなっ