見出し画像

28回目の誕生日

28回目の誕生日を迎えた。

歳を重ねるたびに誕生日が普通の平日の感覚に
なってくるし、
幼い頃のようなドキドキ、ワクワク感、
1週間前からカウントダウンしてしまうような
楽しみな気持ちも薄れていっている。

ただ、自分の大好きで大切な人が
自分の生まれたこの日を
大切な1日だと思ってくれること、
その日を素敵な日にしようと
してくれていることを感じると、
とても幸せだなと思えて、
特別なサプライズや旅行がなくても、
家で1日過ごす誕生日でも
これが私にとって幸せなんだと胸を張って
言えるし、そう感じた。

10代後半から20代前半はとにかく
THE サプライズ!!! みたいなことや
旅行!!!! 前日からカウントダウン飲み会!
インスタ映えするような
誕生日ホームパーティー!!!
なんてものが嬉しかったし、
実際そういう風に過ごす事が好きだった。
それを企画して行ってくれた友人たちには
すごく感謝しているし、
未だにお祝いをしてくれるから嬉しい。

とにかく誕生日は非日常を過ごしたかった。
家にいるなんて嫌だったし、
家族で過ごすことも嫌だったから
高校生くらいから
誕生日は家にいた事がなかった。

家族といるより、友だちと過ごす方が楽しいとか
誕生日は日常的な日々を過ごしたくない
というふうに思っていた、と
今年の誕生日までは思っていた。

今年の誕生日の過ごし方は、
誕生日前日にプレゼントをもらい、
私のリクエストした朝食を旦那が作ってくれて
それを食べて、
夜ご飯に食べたいお刺身を
プレゼントにもらった鞄を下げて
市場に買いに行って、家でネトフリを一緒に見て
愛犬と一緒に遊んで、
美味しい海鮮丼を食べて終わり。
美味しそうな果物も買ったから
ケーキは買わなかった。
自分でいらないと言った。

昔の自分だったら今年の過ごし方なんて
きっと納得いってなかっただろうけど、
私にとってこれがすっごく幸せな1日だった。

なんであんなに特別なことを求めていたのか、
特別なことがなくても、
自分の生まれた日を大切にしてくれて
おめでとうって思ってくれる人がいるだけで
本当に十分なんだって改めて思えた。

今まで両親にもお祝いされてきたと思う。
けど高校生になってから
自宅で過ごさなくなった。
なんとなく今でも覚えているのが中3の誕生日。

受験生だったから塾を終えて、
帰りが20時頃になったから母親が迎えにきて
なんとなく夕飯は何か尋ねたら
特に好物でもない野菜の煮浸しと答えられた。
自分の心の葛藤で誕生日だよ?と思いながら
母親はサプライズさせたくて嘘を言ってるんだと
思い家に帰宅。
ケーキもなければ、
ご馳走なんて望んではなかったけど
好物でもなく、むしろ嫌いな部類なもの。
拗ねて泣いていたら、母親が
「じゃあケーキ買いに行こ?!」って
言ってくれたけど、そうじゃない。
泣いて買ってもらうことやお祝いしてもらうのは
絶対違うし、そんなの嬉しくないから
「いらない」と伝えてその日は終えた。

多分その頃非日常を求めるようになったと
同時に両親に期待しなくなった。
誕生日は誰かにお祝いしてもらうって思ってても祝ってもらえないんだ、なんて
思春期真っ盛りな自分は思った。
多分その翌年からお祝いしてもらえなくとも、
友だちと遊んだり、自分の誕生日を知っててくれている人は祝ってくれたりしたのだと思う。

両親に期待しなくなった分、外に求めたし
親は自分の誕生日を大切にしているわけではないと感じてしまった。
聞く人によったら拗らせすぎてるって
思われるかもしれないけれど、
私は少なからずそう感じたのだと思う。

22歳の頃、今までなかったのに母親と妹で
私の誕生日ケーキを作ってくれた。
私は友だちとの予定があったから
それを食べずに外に出た。
夜中帰ってきたら
4分の1カットの手作りのケーキが
お皿にのって冷蔵庫に入っていた。

これに対しても作ってくれた嬉しさと、
当日食べられなくてごめんの気持ちが
入り混じっていたのに、
私抜きでもこれ食べちゃうんだ、
結局自己満というか、
作ってみたかっただけじゃん、笑
なんて気持ちになったのを覚えている。

ずっと自分は誕生日は非日常とサプライズを
求めていて、派手でなんぼ!!!みたいなものだと思っていたけど、そうではなかったみたい。

今年、いつもと変わらない生活、
比べたらいつも以上に地味な1日を過ごしたけど
とても幸せだった。
中3のあの日だって、ご馳走とかケーキとかが
欲しかったわけではなくて
本当はおめでとうっていう気持ちが少しでも欲しかったんだと思う。

気付くまで時間かかったけど
気付けて良かったな〜〜、
物や形は簡単に手に入るけど、
そういった感情は自分だけでは感じれないから
親だから大切っていう訳ではなくて、
血とかそういったものではなくて
自分が嬉しいと、大切と感じた人を大切にしていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?