「デジタルマーケティング」だからこそ忘れてはいけない「人間の感情」
みなさん、はじめまして。
今年、2月からPomaloにジョインした荒井です。
私の経歴を簡単に説明しますと、新卒で広告代理店に入社し、デジタル広告のプランナー業務を約7年間担当していました。
そんな私が、ジョインしてすぐ「社内noteのプロジェクトに入って!」と言われたものの、入って間もない自分に書けることはあるのか、と困ったのが正直なところです…。
考えた結果、今の自分に、書けるとしたら前職でのエピソードだと思い、
今回はその中で学んだことをお伝えしたいと思います。
ただし、デジタル広告専門の話ではなく、デジタルマーケティングに関わる方全般にお伝えしたい話となりますので、デジタル広告担当者以外の方もぜひ安心してご覧ください!
最初のプランニングの考え方は数字起点だった
前職では、テレビCMや商品画像を用いたクリエイティブに対して最適なデジタル配信ツール(媒体と呼ぶ)を提案する役割を担っていました。
具体的な配信ツールとしては、YouTube、X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、LINE、TikTokがあります。
その他のツールや配信面の種類などを考慮すると下手したら100種類近く存在しており、その中で、「なぜこの媒体が最適か」という根拠をもって提案することが求められ、これが常に課題でした。
私が、最初のプランニング時に頼りにしていた根拠は、「数字」です。
主に使用していたものを以下の図にまとめています。
左から順に説明しますと、
過去実績を参考に実施予算に対して、*KPIの達成度はどの程度見込めるか
クライアントが狙っているターゲット層は、配信ツール利用者内にどの程度含まれているか
最も高い広告効果(認知率や購入意向)が見込める予算配分はどれくらいか(社内試算ツールを基に算出)
→を示しています。
根拠を持たせるためには、客観的な「数字」が一番という考えでしたし、
実際、クライアントへの提案はスムーズに通っていました。
また、KPIは達成できていたこともあり、自分のプランニングの考えに大きな問題意識や疑問を持つことはありませんでした。
自分の考えに限界を感じたとき
ところが、あることをきっかけに自分の考えを見直す必要が出てきました。それは、担当商材(飲料系)の売り上げがあまり良くない状況に陥った時のことです。
マーケティング全体の戦略はもちろん、デジタル広告の見直しも必要となりました。
しかし、デジタル広告の目的は「認知(KPI指標は*リーチ)」で、「売り上げ」には直接関わりがなかったことやKPIは達成できていたことから、
何を見直せばよいのか、さっぱり見当もつかず、途方に暮れてしまいました。
もちろん、こんな状況ではクライアントへの提案は通らなくなり、自分の考え方に自信が持てなくなってしまったのです。
状況を打開できたひとつの気づきは、ユーザー視点の大切さ
この状況を打開できたきっかけ、それは何気ない日常での気づきでした。
私は、気分転換でYouTubeを見ることが多いのですが、広告が表示され、仕事柄「どんな広告だろう?」と興味を持って見ていたため、広告に対する嫌悪感はほとんどありませんでした。
しかし、当時は、新型コロナウィルス感染症が大流行し、ステイホームが続いたため時間を持て余し、YouTubeの視聴時間も自然と長くなっていきました。
すると、必然的にYouTube広告への接触機会も増え、
「なんで、良い場面で急に広告が差し込んでくるんだ」
「スキップできない広告か、自分とは関係なさそうな広告なのにうっとうしいな」
といった広告に対する嫌悪感がじわじわと自分の気持ちを侵食していったのです。
そこで、ふと思ったことは、
「広告にそもそも関心がないユーザーがデジタル広告を見る時、どういう感情になっているのか?」
「もしかしたら、今の自分みたいに邪魔に思っていることの方が多いのではないか?」という疑問です。
広告代理店に入る前の自分を思い起こしてみると、
テレビCMはほぼ見ずに、録画だと早送り。
屋外の広告にはあまり目を向けない。
と、広告に対して特別関心は高くなかったのだと気づきました。
広告代理店に入って、広告に対する関心度が高くなったせいで、
いつの間にか「広告とは無関係の一般の人でも広告は関心を持って見ている」という勝手な認識を持っていた、つまりユーザー視点で考える視点が欠けていたことに気づいたのです。
そこからは、数字だけでなく、ユーザーを想像する点も含めたプランニングを心がけるようにしました。
例えば、以下のような提案となります。
デジタル広告が売り上げに直接関わることは難しいので、数字的な貢献はできたかは定かではありません。
ただし、プランニングの考え方を「数字視点」だけでなく「ユーザーの行動視点」に変えた後、
クライアントへの提案が通りやすくなったこと
どうすれば、ユーザーの態度変容を起こせるか?のようにマーケティングの上流視点からの議論が増えたこと
数字以外のクライアント内のナレッジを貯めることができたこと
という変化を実感でき、結果としてクライアントの満足度を上げることができました。
まとめ
デジタル広告、広義ではデジタルマーケティングという数字がはっきり出るものはどうしても数字だけを重視しがちですし、仕事ではパソコンとにらめっこのケースが多いと思います。
しかし、デジタルであっても、関わっているのは人間です。
人間の動きや感情が数字という結果に表れているに過ぎません。
デジタルというある意味無感情な環境だからこそ、
人間の感情を考えることが大事ではないでしょうか?
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