見出し画像

ベルリンの空き地活用型コミュニティガーデン

大変ご無沙汰の投稿です。
全然海外にはいけないので、あたためていた事例を投稿します。

ベルリンには再開発で使える空き地が多いからか、あるいはクリエイティブなアーティスト気質の人が多いからか、ドイツ諸都市のなかでも桁違いのコミュニティガーデンがあります。

2021年7月25日付けでガーデン中間支援組織であるanstiftungのガーデン検索サイトで調べたところ、ベルリン市(州)内に107件あります。

有名な事例のひとつにはプリンツェシンネンガルテン(Prinzessinnengarten)がありますね。最近は土地の開発が決まったことから墓地に移動しました(その写真もありますが、既にそのことで記事を書いている方がおられるので、後に回します)。分派のメンバーも元の地モーリッツプラッツで2019年時点では活動していましたが、今はどうなったか…

あとはテンペルホーフ空港跡地の公園にあるアルメンデ(Allmende)も界隈では有名です。

ここではヒンメルベート(Himmebeet)というコミュニティガーデンをご紹介します。現地の大学院生に案内していただきました。
(日本語でまだ紹介ないかなと思ったのですが、2018年にライターの宮沢さんがご紹介されていました。多少情報が重複しますが、ご了承ください)。

画像9

ヴェディング(Wedding)という地区にあり、地下鉄の駅レオポルドプラッツ(Leopoldplatz)からも徒歩わずか3分というアクセスの良さ!

関連があるのかわかりませんが、冒頭の写真、後ろに「Still not gentrification」のフレーズがシンボル的に映えていて好きです。まだジェントリフィケーションは起きていない、ということで、再開発などで地域がグレードアップするとともに以前からいた人たちが排除される、ということは起きていないという意です。地域に住む人たちの居場所を維持しようとする、このガーデンの意義を尊重しているような気がします。

入口には多言語でウェルカムと書いてあり、誰でも歓迎という空気感が伝わります。残念ながら日本語はありません… 書きにいかねばならないですね。

画像5

1,700 ㎡の敷地に、たくさんのレイズドベッドが並び、ウッドデッキやテーブルなど休憩スペースも完備です。

画像6

画像7

カフェや砂場もあります。苗の販売もされています。

画像2

画像3

画像8

また日々ライブや子供向けワークショップなどいろいろな活動も展開されています。入口のボードにお知らせが書いてあり、楽しそうです。この日は子供向けフェイスペイントやジャズのジャムセッションなどが企画されていましたね。

画像4

2013年にスタートしたこのガーデン、関係者にインタビューしたわけではないので、wikipedia情報にはなりますが、もともとはショッピングセンターにガーデンができるはずで、発案者も社会的企業として公益有限会社(gGmbH)を作って準備していたようです。

しかしその建築物が構造や防火上の問題から建築許可が数年降りなかったようで、そうしているうちに以前駐車場だった空き地を使ってガーデンを設立したとのことでした。ベルリン市の許可を得てその土地が使えるようになったようです。

ここからは主に公式HP情報も併せますが、2015年ごろからサッカークラブが恵まれない状況下にある青少年の支援のためにグラウンドをつくる計画のため、継続的に立ち退きの危機になっては利用許可期間が延長され、という状況になっています(空き地の暫定的利用の宿命ではありますが)。

区役所とも交渉して最初は共存の道も探ったようですが、それは難しいということになり、現状、2021年10月には立ち退かないといけないことになっているようです。新しい移転先についてはまだノーアイデアとのこと(公式HPより)。

とても素敵な複合的空間で、色んな人の居場所になっていることが伺えます。そんなガーデンの運営者が具体的に誰なのか、どうやって会計面で運営を回しているのかなど、調査もできたらいいのですが…どうにか存続していただきたいところです。

画像9


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?