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🇦🇿アゼルバイジャン料理:ナルゴヴルマ実験記2

Salam ələyküm!🇦🇿

今までこの料理、ナルゴヴルマが気になっており紹介を始め、実験を繰り返してきました。そして、ようやくまともに「こんな料理なんだ」と思える出来の料理ができました。

アゼルバイジャン語の動画ではチェストナッツという大ぶりのナッツを使っており、それが白くて視覚的に綺麗な印象を与えています。ですが、そんなナッツは調達できませんでしたので、無塩のカシューナッツを投入しました。それでも歯ごたえがあり美味しいです。

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今回の工程

今回ようやく味の方向性のわかるアゼルバイジャン料理が出来上がったというレベルです。ですので、まだレシピは改良の余地があると思いますが、備忘録的に書き残しておきます。

実は下記の①はハラールチキンを使いましたので、ここだけきちんとおさえれば、イスラム教徒対応食にもなります。素人がズボラに作ったコーカサス料理ですので、味の良し悪しは大目に見てください。

ナルゴヴルマ(1.5人前)
①鶏肉の胸肉...2切れ
②玉ねぎ...1玉

③ナルシャラプ...大さじ8杯
④サフラン...ひとつまみを20ccのお湯で煮出す
⑤バター...大さじ2杯(炒め用)、大さじ1杯(後追い用)
⑥無塩カシューナッツ...約20g
⑦ザクロのドライシード...約20g
⑧塩...大さじ1.5杯(煮込み用)、適量(下味用)
⑨胡椒...適量(下味用)

1.鶏胸肉に塩と胡椒で下味を軽くつけます。
2.玉ねぎを薄切りにします(切り方はお好みで)。
3.⑤の炒め用バターで①を炒めます。
4.①に火が通ったら、薄切りにした②を鍋に入れます。
5.⑤の後追い用バターを入れます。
6.⑧の塩を入れて、玉ねぎが茶色くなるまで煮ます。
7.玉ねぎが茶色になったら③のナルシャラプを加えます。
8.ザクロ加減を見つつ、④のサフランを投入。
9.⑥のナッツを入れて、弱火で10分程度に混みます。
10.仕上げに⑦のドライシードを入れて完成。

前回までのおはなし

前回の実験で述べた感想で「北欧料理のように、脂っぽさと果実の酸っぱさを同居される料理のようなイメージではないか」と述べていましたが、大間違いでした。

アゼルバイジャンの方からヒントを頂き、下記サラーム海上氏監修のザクロソースを購入しました。ソースのテイスティングをしたところ、絶句。

「味の方向性、全然違うやん...」

アゼルバイジャン語でナルシャラプ。上記製品にはトルコ語で"Nar Ekşisi(ザクロソースの意味)"と書いてあります。このソースは、単純にオイスターソースと果実酢を組み合わせても追いつけないような、全く違う味の世界を持っているソースなのでした。ザクロの凝縮された酸味と深い味わいが圧倒的な存在感を誇ります

奇しくも前回の「こんな感じではなさそうだ」という感想は当たっていたのでした。

この料理の味の核心は「ナルゴヴルマの味の決め手はナルシャラプを多く使うこと」。大さじ8杯程度入れました。ナルシャラプの味が足りないと、ザクロの味が行方不明になり、薄いスープで鶏肉を煮込んだだけになります。

課題とコツについて

次回の課題と今回の発見は次の通り:

①ナルシャラプ(ザクロソース)なしでは作れない
②鶏肉に下味をちゃんとつけた方がいい
③サフランライスが欲しい
④ドライザクロでなく、新鮮なザクロの実を入れたかった
⑤ザクロの実を入れたら、鍋を煮込みすぎない
⑥サフランは入れなくても問題ない気がする(高いし)

「ザクロジュースではできないだろうか」と前回考えましたが、おそらくできると思います。ただ、難易度が高くなるでしょう。ザクロソースの投入が無難です。ザクロの味を濃く出さないといけない料理なので、ジュースですとドボドボ入れて味を強くしないといけませんし、濃いザクロジュースでないと無理です。多分、純粋にザクロからだけで作ったザクロの濃度が高いものでないとザクロソースには敵いません。

ザクロソースの味の強さを警戒し、肉に下味を強くつけませんでしたが、食べた時に肉の中から塩気が感じられたらもっと美味しくなるでしょう。肉の外側の味はざくろに持っていかれるので。

日本のお米ではなくサフランライスやバスマティライスと一緒に食べると満腹感が上がるでしょう。

今回はドライシードのザクロを使いましたが、ウズベキスタンで食べたようなフレッシュな酸っぱさが欲しい。なのでお近くで手に入るようであれば、果実売り場でザクロを買って使った方がいいと思います。

また、ザクロの実は10分ほど煮込むと鮮やかな紫色が消えてしまうので、煮込みすぎないように。ザクロを入れるときはもう煮込むのをやめて、混ぜてから盛り付けてしまうくらいの感覚でいいのかもしれません。

レシピによってはサフランを使うようなのですが、香りも色も全てザクロソースが持っていく気がするので、無理に使わなくてもいいと思います。20ccのお湯にひとつまみのサフランを入れて色を出しましたが、結果的にサフランが何か料理に寄与している風には感じられませんでした。

ザクロ料理の可能性について

今回学んだことは:

①アゼルバイジャン料理は美味しい
②ザクロ料理の可能性

上記で紹介したザクロソースですが、ナルゴヴルマのような煮込みにも使えます。また、味が濃いのでソースにしてかけても、デザートのクリームなどに添えてもいいでしょう。個人的には炒めたマトンなどにかけても美味しいのかなと思っております。使い勝手の幅があるのでは?

皆さんもアゼルバイジャン料理やザクロを用いた新しい食生活に関心を持ってくれたら幸いです。

ちなみに過去のアゼルバイジャン語の記事は下記の通り。

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