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えとせとら230903


引き続き日常的なトピックスを散文的に書いていこう。

 ●映像表現探訪2
前回の記事でも触れた、作画における”素朴さ”についてだったり、一部のアニメーターさんたちの意見で目にする「ただただアクションを描くのではなく、そこにちゃんと並走する意図や意義を入れたい」という話を見て色々考えてみる。
その意見自体はもっともであるし、その方達の差す”ただのアクション”というものが何なのかは人によっても見解は違うかもしれないが、感覚的には言いたいことはわからいでもない。思考停止で記号的になんとなく作り手にも受け手にも定着しているアニメーションイメージみたいなものに、イメージに対しての意見なんだと思う。
ましてや私も含めて物語がある作品に関わるならなおのこと、ちゃんとアニメーションがドラマとして、キャラクターとして、ストーリーとして機能していてほしいと願うのは当たり前の気持ちであるとも自分としては理解している。

一方で最近自分が考えているのは
運動としてのアニメーションを作品の要素として取り入れてみたいという欲求である。

NFB(カナダ)ノーマン・マクラレンの一連の作品に感じる運動感(そして音とデザイン)

もうちょっと具象で言えばこんなのとか?(ジャン・ルイジ・トッカフォンド)

こんなのもなかなか素敵でないかい?(ヴァレリオ・ベッルーティ)

動きそのものに込められた運動性がひとつの心地いい作品になっている。
なかなか商業としてのアニメーションとのかみ合わせは難しいが
そういう意味で言うと、南家こうじさん(アニメーション作家・アニメーター)のお仕事なんかは少し違うけど、アニメーションの運動感が商業アニメの世界でも見られる。

テレビノイズがアニメーションとして表現されるのとか面白い。

これは運動性というより動くデザインという印象だろうか
南家さんのお仕事はちょっと商業アニメ的なアプローチとは違う角度も垣間見れるのがなかなかおしゃれで気持ちがいい。

自分もここ数年考えている(というか年々爆増しているアニメを使った)ミュージックビデオ的というのもある意味
こういったアプローチの集積な気がしてならない。
どれというわけではないが、昔はミュージックビデオ歌詞を演出に取り込むのはなかなか野暮ったい表現とされていた気がするが、ここ近年はむしろ積極的にそういうものが取り入れられている。
もしかしたら歌詞を演出的に取り込む以上に、文字そのものがアニメーションする運動性みたいなものがデザイン的に取り込まれてきているのが現代的な上記のような映像的アプローチの進行形でのひとつの解答なのかもしれない。

なんにしてもアニメーションにおける「作画=動き」というのも日本のアニメーションにおいてはちょっと乱暴な解釈で、画で見せるというイメージの方が近いのかもなんて思ったり・・・。

個人的にここ1,2年?で好きなMVだと
これかな?

ひとつひとつのカットが物語に集約されて行って示唆的でいながら、一方でイメージの連続みたいなカットワークの運動性のようなものを感じた。

●近況
そろそろ来年以降のお仕事の話もちらほらりときだしていて、色々チーム内での編成を考えている。※お仕事募集中です^^
加えて自社作品(自主作品)の方もちょっと来年までに出せないかというのも画策中である。
ここ2年いかないくらい、会社員から独立して色々なところに関わったり、逆に現場を作ってみ感じたのは2つ。

①フットワークの重要性
ここは結構うまく言った部分もあると思いつつ、そもそもそこを引っ張っていく自分がどう立ち回っていくかという部分もありつつ、現場に参加してもらう人間のキャスティング、または誘った人間の意欲等々色々課題があるなと感じた。実力主義の安定した現場にするための選択も大事だけど、これから先の未来に向かってベットしていく挑戦の部分も非常に大事だし必要不可欠だということも痛感する。
そういう意味では、思い切った人選や色々な立場のチームメイトに対するヒアリングは絶対不可欠で用途に応じて色々なスタッフとの組み合わせと化学反応を起こしていかなければというところを考えてみている。結構楽しい。

②チームとしての個性を大事にする。
これからどういう表現でお願いされたお仕事を依頼してくれた人も納得できる上で挑戦できるか?これは結構自分としては必死に色々やってきて、もっと考えなきゃいけない課題だと感じている。
自分たちが目指す表現のビジョンもそうだし、依頼された内容に沿ったテーマをどう捉えるかも、しっかりとした土台は必要ながらも、想像の飛躍やある種、少しアニメーションとは表現の違う角度からもいろいろ切り込んでいかないとチームのコアである「我々がその作品を作る意味」というものは形成できない。
そういう意味では、もう一歩フレッシュなチーム構成や表現力をもって作品作りを目指したい。

とはいえまずは目の前の大事なお仕事に向かいつつ、新しい仕事に向けたチーム構成をしていこうと思う。
今のお仕事もいい意味で勉強しないといけないことが結構あって楽しいながらもなかなか色々それこそチャレンジしなければならない。
楽しみつつまずは残暑を乗り切りたい!

最近改めてカメラレンズの性質を理解しなければいけないという言うことで色々参考にしている。
映像は大好きな写真家川内倫子さんが映像を担当しているMV!

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