(基本解説015)「国会の基本と役割」について再確認しておこう
(政治や法律の基本解説)
(3分で読める)
国会の基本は
「唯一の立法機関」であり
国民に選ばれた人のみで構成される
いちばんえらい機関です
内閣の大臣などは
選挙で選ばれない人でもなれる
裁判官はもともと選挙で
選ばれるものではない
国会の仕事は「法律の制定・改廃」を
含め主に8つある
国民に選ばれないと国会議員になれない
憲法で「国会は、国憲の最高機関であり、国の唯一の立法機関である」と規定しています。では「国会」がなぜ、国権の最高機関なのでしょうか。それは国会を構成する国会議員になるには、選挙によって国民に選ばれないとこの国会議員には、なれないからに他なりません。
大臣は国民に選ばれた人でなくてもいい
内閣は「総理大臣」と「国務大臣」によって構成されますが、この国務大臣は「過半数が国会議員」であればいいので、国民に選ばれていない人でも大臣になれるのです。たとえば大学の教授などや特定の分野の専門家が大臣に任命されることもあります。
裁判官は選挙で選ばれた人ではない
裁判官は、司法試験や司法修習での試験を上位で突破することであり、適性も必要になります。だから選挙で選ばれるわけではありません。つまり内閣や裁判所を構成するメンバーになるには、国民から選ばれる者以外の人もいるということになります。
「国会」がいちばんえらい理由
政治について最終的に決定する力を持つのは主権者である国民です。日本では政治に関しては、どんなに優秀な人よりも国民に選ばれた人の方が「えらい」のです。ですから、国民に選ばれた人のみで構成される国会が「国権の最高機関」であり、日本国民みんなが守らなければならないルールである「法律」をつくる権利、すばわち「立法権」も国会だけに与えられているのです。
国会議員は「法律をつくる人」
国会議員のことを英語で「Law Maker」と呼びます。つまり「法律をつくる人」です。国会議員の本来の仕事は、国民にとって必要な法律をつくることです。日本は法治国家ですので、国として何か新しい政治を始めるときには、そのための法律が必要になります。国会のことを「立法府」と呼ぶのはこのためです。
国会の主な仕事
国会のいちばんの仕事は、もちろん「法律の制定・改廃」ですが、それ以外にも重要な仕事が多くあります。主な仕事は以下の8つです。
①法律の制定・改廃
内閣か国会議員によって提出された法律案について審議を重ね議決します。
②予算の議決
内閣が提出した予算案に基づき政府の1年間の収入と支出の見積もりを決めます。
③条約の承認
条約とは国と国との約束を文章にしたものです。条約を「締結」するのは内閣ですが、国会で「承認」されなければ、その条約は効力を有しないとされています。
④内閣総理大臣の指名
内閣の長である内閣総理大臣を国会議員の中から指名します。
⑤内閣不信任決議 (衆議院のみ)
衆議院の出席議員の過半数の賛成により内閣を総辞職させることができます
⑥憲法改正の発議
衆議院と参議院、各議院の総議員の3分の2以上の賛成を必要とするため衆議院の優越はありません。
⑦弾劾裁判所の設置
裁判官が罪を犯した場合、その裁判官の裁判は裁判所には任せず、14名の国会議員で構成される弾劾裁判所が担当します。
⑧国政調査権
主に委員会に与えられた国の政治について調査する権限です。様々な記録を国会に提出させたり、「参考人招致」や「証人喚問」という形で国会に証人を呼んだりすることができます。
*「衆議院の優越」とは
衆議院は参議院に比べ、任期が短く解散もあり、より国民の意見を反映しやすいとされているため、より大きな権力が与えられています。これを「衆議院の優越」と呼びます。
参考文献
『政治のキホンが2時間で全部頭に入る』すばる舍 馬場原吉博
『政治のことよくわからないまま社会人になった人へ』海竜社 池上彰
などから適宜抜粋
1,589字