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2023年10月【教育】 こどもたちによる「対話」を政策形成過程に反映する方法に関する調査結果が公表 他

 政策共創プラットフォーム『PoliPoli』(https://polipoli-web.com/)を運営する事務局が、2023年10月の「教育」に関する注目ニュースをお届けします!



(1)こどもたちによる「対話」を政策形成過程に反映する方法に関する調査結果が公表

 内閣官房の「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」では、こどもの視点・子育て当事者の視点に立った政策立案のために、データとこどもの意見の活用の必要性が指摘されています。
 そこで、「子供たちによる「対話」を政策形成過程に反映する方法に関する調査」が行われ、2023年10月に調査結果が公表されました。
 調査では、学校における対話の過程を明らかにすることを目的として、実際に「理想の学校」のテーマで、大人のファシリテーターがいない状態で、小・中学生が対話を行い、その様子を専門家が振り返り・分析しました。
 調査結果では、子供たちの「対話」を政策形成過程に反映する際の課題が指摘されました。

  1. 子供たちの「対話」の際の大人の位置づけ

    1. 事前にテーマや情報を設定する必要や、ファシリテートを行う等の場面において、子供たちだけで実施することが難しい可能性があるため、子供に丸投げすることは不適切である。

    2. 子供の意見の適切な聴き方・反映の仕方を大人が学ぶ必要がある。

  2. 子供自身の意見が反映される期待感を形成するに必要なこと

    1. 期待感に繋がる実体験

    2. 現実の政策形成過程を理解できる学習の時間

    3. 「対話」の結果を外部に伝えるための仕組みの構築

 今後は、上記の課題を踏まえて子供たちの「対話」を政策形成に反映する詳しい調査が行われる予定で、「教育振興基本計画」に盛り込む姿勢です。

(参考)
・文部科学省「子供たちによる「対話」を政策形成過程に反映する方法に関する調査研究事業概要」
・内閣官房「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針について」

(2)沖縄県教育委員会が教員免許状取得見込み者を特別非常勤講師として任用する方針を打ち出す

 2023年10月に沖縄県教育委員会は、教員免許取得見込みの大学生等を小・中学校で特別非常勤講師として任用する方針を打ち出しました。

 「特別非常勤制度」は、教員免許状を取得していない地域の人材や多様な専門分野の社会人を、非常勤講師として学校に迎え入れるための制度です。学校教育の多様化への対応やその活性化を図ることを目的として、1988年に
教職員免許法」の改正に伴い、創設されました。この制度を利用することで、スクールカウンセラーによる道徳の授業などが可能になります。
 当初、沖縄県教育委員会は教員免許状取得見込み者に臨時免許状を公布する方針でした。しかし、臨時免許状は普通免許状を有する者を採用できない場合に限り公布できる免許であることから、制度趣旨との乖離や特別非常勤講師制度の活用が可能であるとの文部科学省の指摘により、特別非常勤講師としての任用になりました。
 教員免許状取得見込み者を特別非常勤講師としての任用は、教員を目指している人が学校現場に慣れ段階的に経験を積むことを目的としており、沖縄県教育委員会は将来的な教員のなり手不足の解消につながることも期待しています。

(参考)
文部科学省「盛山正仁文部科学大臣記者会見録(令和5年10月17日)」
e-Gov「教育職員免許法」
文部科学省「特別免許状及び特別非常勤制度について」

(3)病気療養児に関する実態調査結果が公表

 文部科学省の教育政策の改革方針を示す「教育進化のための改革ビジョン」の4つの柱の1つとして、「これまでの学校では十分な教育や支援が行き届かない子供への教育機会の保障」が目標とされています。2018年以来5年ぶりに疾病や障害により病院や自宅で療養中の「病気療養児」の療養状況や、教育支援状況などに関する実態調査が行われ、結果が発表されました。

 病気療養児数は9,165⼈で、前回調査から1,171⼈増加しています。⼊院治療などのため、病院内の特別⽀援学校の分校や⼩中学校の特別⽀援学級に転学して教育を受けている実態がありますが、病気療養児の84%が転学していません。
 同時双⽅向型の授業配信の実施は、⼩学校において27%、中学校において17%、 ⾼等学校において26%で、いずれも実施率が⼤幅に上昇しました。
 しかし、授業配信をしていない理由として、小中学校・高等学校のいずれにおいても「本⼈の体調や治療の状況」が最多ですが、⾼等学校では14.3%が「遠隔教育に対する校内規定が整備されていない」と答えるなど、ICTを使った教育支援の課題も露わになりました。
 今後は、本調査で明らかになったICTを使った教育支援の課題などに対する施策が行われていく予定です。

(参考)
・文部科学省「令和4年度 病気療養児に関する実態調査結果
・文部科学省「「教育進化のための改革ビジョン」を公表します


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理不尽校則をなくし、 学校内民主主義を!

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