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ポラリス保健室だより 9月−気持ちに余裕(余白)を-

ポラリス保健室だより1周年です🎉

9月になりました!ポラリス保健室だよりも書き始めて1年になりました。
毎月、お読みくださっている皆様、ありがとうございます。
これからも、毎日を自分らしく元気に過ごすための工夫を発信していきたいと思います。
昨年の9月号は学生さん向けに書きました。
ぜひご覧下さい。

日中はまだまだ暑くて厳しい残暑が続いていますが、心身ともに調子はいかがでしょうか?
和名で9月は「長月(ながつき)」と呼ばれています。9月23日は秋分の日。昼と夜の時間が同じになり、ここからは夜の時間が長くなっていきます。
24節気では9月初旬は「白露(はくろ)」と呼ばれ、朝の光に白く輝く露を表現しているそうです。朝晩の気温が下がってきたからこその現象ですね。
確実に季節は移っていっていることを感じます。
この時期は夏の疲れも出る頃です。
学校では、2学期(新学期)が始まりました。
春と同じく生活環境の変化がストレスになる時期です。
努めて1日の生活リズムを確立していきましょう。
 ・ 朝、決まった時間に起きる。
 ・ 夜、決まった時間に寝る。
 ・ 3食をおおよそ決まった時間に食べる。
これだけでも生活リズムを確立する土台になりますよ。

気持ちに余裕(余白)がなくなる

夏の疲れが溜まってエネルギー切れを起こしている中でも、やるべきこと、やらなければいけないことが目白押しで気持ちに余裕がなくなってしまうと一気にメンタル不調に陥ってしまいます。
9月10日は世界自殺予防デー(World Suicide Prevention Day)*¹です。
自分も、そしてご家族、同僚など身近な人が「いつもと様子が違う」と感じたら、積極的に声をかけてみましょう。自分へも自分で声はかけられます。
毎朝、鏡に自分を映して自分を観察してみてくださいね。
こころの不調のサイン(イエローサイン)*²をご紹介します。
ただし、サインがないからと言って安心というわけではありません。
「気になることがある」それこそがイエローサインです。

こんな様子はありませんか?

誰しも気持ちに余裕がなくなると、気づかないうちに視野がものすごく狭くなってしまいます。
自殺を考えてしまう人の心理を視覚的に表したもので、私がうまいなあと思ったものをご紹介します。かなりデフォルメしています。

普段の頭の中で考えていること(白い部分)
自殺を考えてしまう時に考えていること(白い部分が少ない)

気持ちに余裕(余白<白い部分>)がなくなって、それしか見えなくなってしまうということが視覚的にうまく表現されていると思いませんか?

メンタルヘルス・ファーストエイド*³

メンタルヘルス・ファーストエイドは、メンタルヘルスに問題を抱えている人に対して、身近にいる周りの人が専門家の支援が提供される前に「どのような支援を提供すべきか」「どのように行動すべきか」という初期支援を
5つのステップで示したものです。オーストラリアのBetty A Kitchenerと Anthony F Jormにより開発されました。

5つのステップ「りはあさる」
「り」スク評価 
* 第一に自傷・他害のリスクを評価することが必要です
「は」断・批判せずに話を聴く
* 周りの人がじっくり話を聴くこと自体が極めて重要な支援です
「あ」心と情報を与える
* 現在の状態は医学的な問題であること、効果的な治療や対応があることを伝えます
「さ」ポートを得るように勧める
* 専門家に相談にいくことが有益であることを伝えます
「る」:セフヘ
* 気持ちを和らげるために自分でできる対処法があることを伝えます

どんな声かけをしたらよいのか悩んだら・・・
<声かけの一例>
 ○  眠れてますか? 
 ○ どうしたの?なんだか辛そうに見えるよ。
 ○ 何か悩みごとがある?
 ○ よかったら、話してみて。聴くよ。
 ○ 何かあった?なんか元気ないように見えるよ。
 ○ 何か力になれることはない?

ひとりで抱え込まず専門家につなげよう

あくまでも専門家の支援が提供される前のファーストエイドなので、早めに専門家に繋ぐことを意識してください。
学校ならば、保健室の先生(養護教諭)やスクールカウンセラーの先生へ。
職場であれば、産業保健のスタッフへ。職場に産業保健のスタッフがいない場合は、相談窓口が用意されていることがほとんどです。福利厚生の情報にアクセスしてみてください。
もしくは、お住いの地域には必ず保健福祉の担当部署があります。名称はさまざまですが、いわゆる保健所です。お住いの地域名とメンタル相談で検索すると相談場所がわかります。
メンタルヘルスに問題を抱えている本人自身で相談行動を起こすことが難しい場合は、本人に了承を得た上で、周りにいる身近な人が専門家へ連絡することが可能です。

心身共にコンディションを整えることで、毎日を自分らしく元気に過ごすことができます。あなたにとって元気に役立つものや役立つことは何ですか?
私は「娘たちの笑顔」「萩の月」「お気に入りのレストランでの食事」
「きれいに整った住まい」「自由な時間」「手の仕事」etc.(ちょっと説明が必要な表現もありますが…)
自分自身が元気でいるために、元気になるために必要だと思うものや必要だと思うことをぜひそばにおいてくださいね。

【参考文献】
*1 厚生労働省 自殺対策 広報の取り組み~いのち支える自殺対策~
  【9月10日が何の日かご存じですか?】
*2 一般社団法人 北海道薬剤師会 メンタルヘルス・ファーストエイド
*3 厚生労働省 自殺対策 ゲートキーパー養成研修用テキスト メンタルヘルス・ファーストエイドとは 


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