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芸人は面白い。けど、お金稼ぐのは下手。

芸人ってのは不真面目で就職したくない、自分が面白いことを認めて欲しい承認欲求が人の形をしているもの。全員じゃないけど、ぼくの芸人像はそんな感じである。

けど、続けてみれば全然違うくて、遅刻したら仕事はなくなるし、礼儀も必要。結局、就職して社会人をしている人と同じような部分はある。

芸人のように、娯楽という分野の仕事は、ミュージシャンや役者も娯楽と呼べる。

ぼくは芸人の良いところは、芸人が1番マルチなところだと思う。

芸人が他のどの職業よりも何をしてもいい職業だと思っている。

芸人は歌を出している。芸人はドラマや映画に出てるし監督もする。小説もかくし、料理の本だって出すし、漫画も絵本も出す。

本当に何しててもいい。

ミュージシャンや役者も同じかもしれないが、芸人の方が幅は広いと思っている。

面白くて売れていない芸人は沢山いる。

面白くて売れてないその人は、本当に面白いことだけやってる。

それ以外はバイトをしている。そうじゃないと生活出来ないから。

面白くて売れてないその人は、面白いことだけ考えてる。

バイトがない時はネタを考えてるし、ネタ合わせをする、ライブがあって、オーディションがあって、賞レースがあって、終わったらまた次の年までネタ作ってライブで掛けて精度を上げて。そんなルーティーンがいつの間にか生まれてしまっている。

想像して欲しい、自分は永久に高校の野球部で毎年高校野球が開催されている(M-1やKOC)。甲子園に出られて尚且つ良い結果だった時だけドラフトがかかる(売れる)可能性がある。1年かけて頑張る気持ちもわかるが負けた時の喪失感はたまらない。「1年何してたんだ」という絶望を毎年味わうことになる。次第に強がって持っていた自信も剥がれ落ちてくる。

芸人なんて数年で賭けて、無理なら潔く辞めればいい。ぼくもまさかこの年まで、こんな売れていない芸人を続けているとは思わなかった。

僕にも一年かけて賞レースで勝ち上がるためのネタを仕上げて、無理だったからまた一年頑張るというスパイラルに陥った時期があった。

ただ本当にそれだけを毎年していた。

数年前から、それがまずいんじゃないかと思い始めた。

さっきも書いたけど、芸人は1番何をしてもいい職業だ思っている。

そう思っているのにネタを作る以外のこと何もしていない。この矛盾にハッとした。

今は賞レースがあるから山の上にあるチャンピオンという頂上に向かって走っていける。けど、この賞レースが無くなったら、どこに向かうのか。

自分でも勝手にそれしかないと錯覚していたけど、意外とそういうもんじゃないんじゃないかと思い始めた。実際まわりにもネタ以外の部分で生活している人もいる。

本当にネタが好きでネタで売れたいってカッコいいしロックだと思う。

けど、それで結果に繋がらなくて歳だけ取っていって結果的に辞めることになるなんて、それこそ勿体無い。

このコロナの影響で、芸人はライブが出来なくなり生活が苦しくなっていると思うかもしれないが、案外ライブが減ったからバイトが増えて、ライブばっかり出ていた時期より生活が安定している芸人もいる。

それくらい今まで芸人が芸人としての活動でお金稼ぎが下手なことは事実だと思う。

バイト生活が嫌で、バイト辞めたいって言うけど、バイトしないで生活する方法を考えようとはしない。

今回の一件で、例えば有料の配信や、このnoteのサポート機能を活用した人も多いはずである。

これから、少しずつ芸人が芸人として活動するにあたってお金を稼ぐことに向き合うようになる気がする。

ボクもボクのやり方で動こうと思う。

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中田喜之
夏ですね スイカでも食いたいもんですわね