#未来の街(コネクティッド・シティ)

 2020年1月7日、トヨタ社がCES(世界最大級の民生技術の見本市)で、「コネクティッド・シティ」プロジェクトを発表した。(トヨタ、https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/31170943.html

 あらゆるモノやサービスがつながる実証都市「コネクティッド・シティ」が、静岡県裾野市で「Woven City」と名付けられ、誕生する予定だ。

 このプロジェクトには、幅広い企業や研究者が参加し、実証実験を行う。

 AIやビッグデータを活用した最先端都市「スーパーシティ」構想を柱とする改正国家戦略特区法も成立した。

 既存の街から先端技術を徐々に普及させていくのではなく、0から先端技術をふんだんに盛り込んだ街づくりしてしまうところに面白さを感じる。

 一方で危惧する面もある。システム上のトラブルにはどう対処するのか。例えば、自動運転によって起きた事故責任はどうなるのか。今日でもそれは問題になっていることだ。所詮ロボットで、人ではない。機械が起こした事件は、そこに住む人間にどんな影響を与えるのか。

 他にも、街に人が住んでいる以上、人間同士の犯罪やトラブルなども起こり得る。そうした事態に最先端都市はどう対処するのか。例えば「コネクティッド・シティ」内には、人やモノの移動に関連する先端技術も含まれているだろうから、街中のいたるところにセンサーやカメラが設置される。ついては、プライバシーの問題を孕んでおり、人権の尊重や思想の自由といった議論に発展していくに違いない。今は実証実験に過ぎないが、規模を広げれば生じる問題もたくさんある。

 将来的に、人間にとって住みよい街づくりを目指す上で欠かせない実証実験だが、いま起きている問題だけでなく、今後予測される問題もカバーできるような、データの活用や検証を十分できる体制に整えてもらいたい。

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