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掌編小説「バーチャル・スクール」(500字)

僕には夢がある。


この春中学生になったばかりの僕だけど、将来は海外で活躍したいと思っているんだ。


もちろん英語の勉強は続けているよ。ただ中学校で習うことはもう覚えてしまったから、バーチャルスクールを始めたんだ。




私には夢があるの。


この春定年退職をしたのだけれど、もうあとはゆっくりするだけの人生なんて、イヤじゃない?


新しいことに挑戦したくって、バーチャルスクールを始めたの。私の英語を、世界の役に立ててみせるんだから。




俺には夢があるのさ。


大学は中退してしまったが、このままじゃいけないと思ったんだ。途中で投げ出したからこそ、それをひっくり返すくらいのムーブメントを起こさなきゃ、ってな。


だから始めたんだ、バーチャルスクールを。


歳や経歴、性別、見た目なんて関係ない。俺がこのバーチャルスクールという事業を始めたのは、それが一番の理由さ。


まずは自分のアバターを作成するんだ。見た目や名前は好きにしていい。周りを気にせず、誰でも好きなことを学べるんだ。中でも、英語は特に人気かな。こどもや社会人はもちろん、定年退職した後に入学してきた生徒もいるんだぜ。


ここまでなら、よくある話だと思うだろ?バーチャルスクールなら、だれでも好きなことを教えていいんだ。いろいろな人が、いろいろな講座を開いている。


中学生で英語を教えてるヤツだって、いるんだぜ。


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