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足りない方が、創造の余地がある。

成熟していない・発展途上中の会社。私は前、そういう会社に勤めていた。

会社の規則(細かい部分)が整っていない、何か聞かれても上司のその場の判断で対応するが、マニュアルにしないので対応がその都度コロコロ変わる。

社内の環境が整備出来ていない。書類や物が多すぎて雑然としている。

…など、色々だった。

私は最初、「この会社、大丈夫なのか?」なんて失礼な事を思ってしまった。

仕事を一通り覚えて、「この作業、何だか無駄だな…」「もっと効率よくしたいな」と思う所から徐々に変えていった。

それ程規模が大きくない会社だったので、資金を投じて便利なシステムを導入…等はなかなか出来なかった。お金のかからない範囲で周りと相談しながらやっていった。

・遠隔地店舗の小口現金出納帳のフォーマットがバラバラだったので、全部統一。記入例もつけてわかりやすくした。

・請求書が到着してからの流れに無駄な所があったので、一部フローを変更。

・古い会社携帯(もう使わない)のデータを削除し、業者に買い取ってもらう様にした。(無駄な備品を置くスペースを無くした)

・就業規則の一部改訂、出張規程案や慶弔規程案作成した

…色々みんなで変えていって、徐々に良くなっていくのを見ていると「やってよかった!」と思った。改善の余地を見つけて、自分が考えたやり方で良くなっていくのが、気持ちよかった。

私は普段、そんなに意識が高い方ではない。そんなに常日頃から改善のネタなど探していなかった。「改善提案しろ!」と強制されたら、やる気が無くなっていただろう。

改善の余地があり過ぎる環境、些細な提案でも聞いてくれる環境だったからというのもある。改善提案の宝庫だった。

「ほぼ完成された環境」より、「何かもの足りない環境」の方が創造の余地がある。だから、色々な事を思いついたのかな。不完全で有れば有るほど、一部の優秀な人で無くても沢山の人が様々な意見を出せるしハードルも低い。

逆に、大企業や既に制度が整っている会社を改善して行こうとなると、ネタ探しが難しくなってくる。(勿論、改善点はあると思うが)

資金を使っての大幅な改善は出来ないが、少ないリソースの中で少しずつ工夫するといった経験が身についた。その点は、前の会社にいてよかったと思っている。

福利厚生がきちんとしていて、社内規則やマニュアルもきちんと整備されていて、誰でも業務が出来る。そんな環境ならば、どんなに良いだろう。改善提案に頭を悩ませなくても、仕事が回るかも知れない。でも、そうなってしまうと思考停止してしまう。現状をもっと良くするには、「足りない所」を探したら良いかもしれない。



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