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社員旅行で、名曲を思い出した話。

2社目の会社には、社員旅行があった。私としては、ありがた迷惑でしかなかった。入社して1年経って無いチキンな私は、断る事が出来ず嫌嫌参加した。

近辺の県に、一泊二日の旅行。バス2台で行く。トイレが近い私にとっては、長距離バスでの移動は苦痛だった。一人席(隣に誰も座らない)を確保し、とりあえずほっとする。

バスの中では、事前に取っていた社員アンケートを元にちょっとしたゲームを司会者がやっていた。司会役を任される人も大変だな…と他人ごとの様な目で見ていた。

昼過ぎにどこかで昼食を食べ、レクリエーションが出来る施設に移動した。そこで屋内の施設で、部署とかバラバラの班を作り、体を動かすゲームをした。普段運動をしていない身としては、体力的に疲れたし、集団でするゲームで合わせるのに精神的にも疲れた。1日目も2日目もみんなでやるレクリエーションがあり、皆で一致団結する!みたいな感じが益々私を殻に閉じこもらせた。

少し自由行動の後、バスで旅館に移動。宿泊する部屋に移動した。6~7人で同じ部屋。でも、同じ部屋のメンバーはある程度気を遣ってくれた様だ。同じ部署の嫌いな先輩と一緒で無くてホッとした。

そして大広間で宴会という名の夕食。豪華な料理だ。天ぷらとかお刺身とかお吸い物とか色々ある。悲しいのは、私が小食で全部食べられないと言う事。気を許していない人達との食事、慣れない団体行動…益々食欲を低下させた。宴会ステージで部署の代表が歌ったり、ビールを注ぎにみんなが移動したり…。大人げないが、私はビールを注ぎに回らなかった。全てが面倒だと感じていた。料理の横に、ゲームの景品のうまい棒が一人1本ずつ置いてあった。…買いすぎたのか?

宴会後も、二次会と称して旅館の中のカラオケルームで歌っていたり、麻雀している人達もいた。…元気だな。私は風呂に入り、就寝。変な寝言や歯ぎしり、屁が出たらどうしよう、とか気にし過ぎて中々寝付けなかった。どこでも寝られる人が羨ましい。

翌日。朝食後旅館を出て、アクティビティをする。2班に分かれてラフティングか船に乗って川下りをする予定だった。ラフティングはウェアの下に水着を着ないといけないから却下し川下りを選んだ。川下りは天候不良で中止になり、私達のチームは代わりに団子作りをする事になった(…何で団子?)出来た団子は、1串に小さい団子が5つ。これが3つあった(一人分)…美味しいけど、量多くない?結構腹が膨れた。

移動して昼御飯。多分すき焼きだったと思う。先ほどの団子を食べたおかげで、全然食べられなかった。なんか申し訳ない気までしてきた。…私だけ食べられないって辛いな。周りの人達は平らげていたので、逆にびっくりした(特に団子作りのチームの人達)

バスで帰るまでは、多少の自由時間(お土産とか買ったり散策する時間)があった。散策したり、買い食いしたり楽しそうにしている社員達を尻目に、私は一人でいた。

帰りのバスの中。…やっと帰れる。時間が過ぎるのが長く感じた。精神的にも肉体的にも疲れた。バスの中で寝られればよかったけど、寝付けなかった。自分がつくづく損な生きものだと感じた。

バスの中では、幹事が借りてきたらしきお笑い番組「ダウンタウンのごっつええ感じ」のDVDがモニターに映し出されていた。「懐かしいな~」と思い、ぼーっと見ていた。

最後の方に、「ああエキセントリック少年ボウイ」と言う歌が流れてきた。多分、小さい頃聞いたことあったけど、当時は何とも思わなかった。

最近だんだん分かってきた 
僕が死んでも誰も泣かない 
いろんなものが見えてきた 
見たくはないものばかりだけど

フレーズが30代の私には沁みた。この哀愁とちょっとした笑いを感じられる年齢になってきたんだな。改めて、良い曲だ…と感じた。是非カラオケで歌いたい、と思った。

社員旅行でよかったことは、カラオケで歌いたい曲が見つかった事だけだ。決して、参加してみたら意外に楽しかったとか、みんなと仲良くなったとか景色が綺麗だったとかでは無い。

ああ 明日になんかならなきゃいいのにー

という歌詞があるが、社員旅行の時だけは、さっさと2日間過ぎればいいのに…と思っていた。その後のカラオケで歌いまくった。

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