大学業務/大学IRのためのAIエージェントをつくってみた
OpenAIDevDayが終わった。そこに生成AIはもういなかった。
主役はAssistantsやAgentであり、新しいユーザー体験である。
私個人として、ChatGPTのユーザー体験には問題があり、その問題を各サードパーティー製品やプラグインがラップする構造に行き着くと考えていた。
しかしOpenAIがゴリゴリのエコシステムを導入するとは想定外である。
では遠慮なくAIの恩恵を受けましょう。払いましょうOpenAI税。
5月末の発表資料より。
概要
当方、専門職の皮をかぶった大学事務職員の皮をかぶった何かなので、
大学のお仕事に役立ちそうなAIエージェントを目論んでいる。
その最中、GPTs(GPT Builderエージェントと一緒にAIエージェントを作成できる機能)が解放されたので、取り急ぎ3つ、簡易的なエージェントをつくりました。朝1つ。昼休みに2つ。作成時間は3つで1時間程度です。スゴイのは私ではなくGPT-4-TurboとGPT Builder。
本当の意味で業務体験を改善するには現場に侵入してサポートする体制が最も望ましいものの(主に私の力量不足で)難しいので、まずはAIエージェントのデモを量産する方向で。
(GPTs、APIも呼び出せそうなので余裕があれば実装したい。)
Qdai Rule Reference Agent(仮)
学則を検索・参照するためのAIエージェントです。
事前に九州大学の学則1件を埋め込み、コードインタプリタのみ使用可能。
GPT Builderの優れている点はConversation starts、最初に指示の例示が可能な点である。ユーザーに易しいデザインは好き。
このなかにstartを仕込み、取扱説明書プロンプトとして機能してもらう。
あとは学則を参照したり、表形式ファイルに変換・出力したり、文書化したりご自由に。試していないけど利用時に別の規則をアップロードしても同じように使えるかも。
大学HP調査エージェント
大学のHP(ac.jpドメイン限定)を検索・調査するAIエージェントです。
Webブラウジング機能のみ使用可能。
ただの検索マシンですが、変なWebサイトを参照してほしくないのでドメインを限定しました。ちゃんとinurl:ac.jpが働いているのでエラい。
Python Guide for IR
大学IR担当者がPythonを学習・実行するためのAIエージェントです。
コードインタプリタのみ使用可能。
IRの定義(Saupe,1990)や3つの組織的知性(Terenzini,1993)をプロンプトに含んでいます。吉と出るか凶と出るか。
IRのデータライフサイクルにAIエージェントが潜り込むのは時間の問題だと考え続けているので、あまり新規性は感じませんでした。でもIRの理解者と一緒にデータを分析できる安心感は好き。
以上です。ご覧いただきありがとうございました。
インジェクションされ放題だと思いますが、
デモ版として扱っていただけると嬉しいです🍎
反響があればプロンプトも公開します。
余談
勢いに任せて色々書いてしまった。
カスタムインストラクションのAIエージェント化
普段、ChatGPTには自分用カスタムインストラクションを突っ込んで利用していたので、それすらエージェント化しました。というかカスタムインストラクションの管理が真髄に近いのかも。
私になりきりたい(GPTがそう振る舞うわけではない)人はどうぞ。
Claude2はオワコンなのか
GPT-4-Turboが128Kコンテキストを引っさげて登場したので100KコンテキストのClaude2は終了したのか、と言うと全くそんなことはない。
PDFの埋め込み・解釈の性能は非常に高く、複雑なPDFの新旧差分の取得が可能。ChatGPTにさせるとPDF⇒文書化⇒類似度確認、と手間が増えて面倒になる。まだ切り分けはできる印象が強い
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12月12日(火)に登壇します。申込受付中です。
今まで生成AI利用の基本、課題、利用スタンスを中心に取り上げてきましたが、12月以降はAIエージェントを含め、大学業務と生成AIの展望を提示してみます。
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9月に登壇した際の動画が公開されました。
かわいいサムネに仕立てていただきました。関係者のみなさまに感謝。
人前で話すと言語・非言語コミュニケーションの弱さが浮き彫りになるので超反省しています。精進します。
ではまた~