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今週の詩(大暑)|「おれはかまきり」

おはようございます。詩のソムリエです。
今は七十二候でいう「大暑(たいしょ)」。
先週は「小暑」だったので、まさに夏本番!

ギラギラ太陽に映える詩といえば…「おれはかまきり」(工藤直子さん『のはらうた』)!

教科書で習った人も多いかもしれません。詩になじみのない方からも「なんか、"なつだぜ、かまきりだぜ"…みたいなやつは覚えてる」と言われます。それくらいインパクトがある詩ですよね◎

のはらうたは、詩人・工藤直子さんがいろんな野原の生きもののことばをかりて紡いだ詩で、この詩は「かまきりりゅうじ」の名前でよんでいます。

では、読んでみましょう!

「おれはかまきり」  かまきりりゅうじ

おう なつだぜ
おれは げんきだぜ
あまり ちかよるな
おれの こころも かまも
どきどきするほど
ひかってるぜ

そして、「もえる ひをあびて/かまを ふりかざす すがた」は、「わくわくするほど/きまってるぜ」と続くこの詩。

わたしがこの詩を読んだのも小2の教科書だったかな。カマキリの絵とギラギラの太陽が描かれていました。そして、「〜だぜ」という詩の口調や、自分の姿を「どきどきするほど/ひかってるぜ」「わくわくするほど/きまってるぜ」と描写することがとっても新鮮だったのを覚えています。

カマキリの夏。輝いている!

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工藤直子さんは、「ちっちゃなかまきり」が「いっちょまえ」に、かまを上げている姿を見て、この詩を書いたんだとか。

「蟷螂(とうろう…カマキリのこと)の斧」、といえば、カマキリが前足を上げて、大きな車の進行を止めようとする意から、「弱小のものが強敵に向かう」ことのたとえとして使われ、小バカにする意味合いです。

比べて、工藤さんの詩は小さきものを前に、「そうだ、ガンバレガンバレ」というわきあがる愛おしみがよくあらわれています。

彼女の詩には、アリや小魚などの生きものがたくさん登場します。せいいっぱい生きている姿へのエールでもあり、工藤さんご自身も彼らにパワーをもらっている詩がたくさんあります。元気じゃないときに読んでも、「ヨッシャ!」と心の底からパワーがもりもりわいてくる、ふしぎな効力があるような気がします。

わたしはよく工藤さんの「あいたくて」という詩集を旅に連れて行ったり、友だちにプレゼントしたりしています。

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