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神様からの歓迎のサイン

いつも通らない道を通って買い物から帰る途中、ふと横を見たら住宅街の細い道の先に鳥居が見えた。導かれるように向かった。商店街を行き交う人の声や車が通る音が小さくなっていく。鳥居の前まで来ると異次元の入口のような感じがして、一瞬、鳥居をくぐることを躊躇した。少し怖いような気がしたが、石段をおそるおそる上がり始めた。ごつごつの岩、年老いた木、ところどころ崩れた石段、うっそうと生い茂る木々が太陽の光を遮り、晴天なのに薄暗い。石段を半分まで上がったところで後ろを振り返った。道の向こうまでだれもいない。ここには私ひとりだけ・・・。怖さが増すかと思いきや一切の感情が去り、無になって石段を上りきった。本殿が見えたとたんほっとして嬉しくなった。

神社によくある由緒書きが見当たらなかったので、どんな神様がご祭神なのかもわからないまま、初めての参拝なのでまずは自己紹介と「買い物途中におみかけして、参拝させていただきました」とお礼。
お参りをすませてから境内を見渡した。石段を覆っていたうっそうした木々はなく、澄み渡った青空が見えた。晴れやかな気持ちになって、大きく息を吸いながら空を見上げたら、虹色の光が目に入った。
神様が ”よく来たねって言ってくれたのかな。ここに来られてよかった”
薄暗い石段のところで引き返していたらこの光を浴びることはできなかった。
背中に神様が見守ってくれるのを感じながら、薄暗い石段を下りて帰った。

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