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しんやの餃子世界紀行 Vol.55

「奉還町をオレンジに染めて」

初めての土曜日を迎えたKAMPのイベント。

15時から開始したが奉還町はまったり午後の商店街。

家族づれや学生が歩いてはKAMPを通り過ぎる。

穏やかだが、少し寂しい午後だ。

日式餃子の仕込みが終わって少し休憩。

ぶっちーときゃなちゃんと奉還町を散歩する。

良い商店街だ。
奉還町。

古いテナントと新しいテナントが合わさって気持ちのいい商店街だ。

色が黄色みがかるのも良い。

夕方に夕方の匂いがする商店街。

もっと食べ歩きができる商店街だともっと素敵。

アーケードのある商店街だ。
日本の古き良き文化。

西日本の商店街の方が機能性とカルチャーが混合してて良い。

居心地が良い。

奉還町という名前の響きも頭から離れない。

昭和のオレンジだ。
昭和はオレンジなのだ。

晴れの国 岡山の商店街の夕日と黄砂がグラデーションになっている。

青い商店街の表町もいいけど、やっぱりしんやはオレンジ派

この辺に家買って子育てできたら素敵。

東京には5畳くらいの事務所があればいいや。

20時くらいから一気に混みだしてキッチンが無言になっていく。

餃子カレーとカレー餃子が頭の中でゲシュタルト崩壊していく。

守屋以外の全員のスタッフがである。

餃子世界で見たことある顔がこぞって集まって有意義な時間をゆるりと過ごす様を厨房から嗅ぎ取る。

いいな、しんやにもゆっくり飲む時間をくれよ。

アンディのDJは人混みに紛れず芯を持って前に前に音を出す。

チェリーさんのDJは流石の歴史。
全く異なる音たちが、作品になって繋がっていく。

繋ぎ繋ぎがずっと違和感なく、体が自然に動く。

流してくれた時間全てが1つのトラックのようだ。

同い年のチェリーさん。
小学5年の時からDJを始めたらしい。

その頃かあ。
ポケモンやって遊戯王やってたなあ。

オレンジレンジ歌ってた。

どうしてこんなにも違う幼少期を過ごしてしまったんだろう。

るるるの瞳さんもだけど、岡山の平成元年ってどうなってるのやら。

10年先でも僕は2人に追いつけそうもない。

餃子が落ち着くまでの2時間の間、白目を真っ赤に充血させながら締めまで終わらせた。

きゃなちゃんが戻ってきて踊っている。

ラテンの女。

腰の動きが妖艶で底抜けに前向きな彼女もまたKAMPの照明に揺らいでオレンジに滲む。

閉店後の厨房で人参を細かく刻むともさんの目が死んでる。

黄色いパーカーと可愛い人参の中に溶けそうなともさんが夜なべ決め込むお母さんに見える。

ともさんは優しさという言葉に生命が宿っているような人。

聖母のような包容力が空間ごと幸せに変えてしまうような人。

色々なわがままもいいよの一言で許してくれるその心のおおらかさに何度も救われる。

そんなともさんの人参との戦いはまだ終わりそうになく、全ての人参の幅が均等に揃うことは永遠にない。

その永遠の中に溶けるともさんと、夜が更けないきゃなちゃんのケツに別れを告げて今日も楽しい夜が終わる。



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